ちょっとマニアックな話なのですが、この11月上旬というのは一つ競馬界にとって“区切り”なんですよね。
地方・門別競馬は概ね11月中旬~4月中旬までがオフシーズン。競馬場を使った調教や馴致は行われるのですが、レース自体は開催されない時期となります。まあ、北海道で冬場に競馬をするのは、ドーム競馬場でも実現しない限り無理でしょう……。
そのため、門別在籍馬は各競馬場へと移籍するパターンが多いです。そのまま北海道に残って来年まで待機している馬も居るには居ますけれども。
ここで重要なのが移籍先の選択です。先日のJBC開催を見ての通りですが、砂が違うだけで競馬場の特性は大きく変わります。パワー型なのか、軽いスピードを活かしたいクチなのか、馬の個性によってふさわしい移籍先があるはずですからね。
これは中央⇒地方へ転出する馬も同じで……今年の3歳未勝利で話題になっていたハルオーブという関東馬なんかがいい例でしたよね。芝の未勝利で幾度となく勝ち負けしていたのに、砂の深い門別に行って以降は大敗続き。あまり大きな声では言えませんが、これは正直失敗だったと思いますよ。
中央でも「どの厩舎に預けるか」で馬の運命が良くも悪くも変わってしまうようなシーンを見てきました。競馬というのは、こういった馬主や牧場関係者の選択からして始まっているというわけです。
覚えておきたい
特記事項ホース
1着:シンエンペラー
凱旋門賞馬ソットサスの全弟という良血馬のシンエンペラー。正直なところ、関係者内では「東京の速い芝に対応できるかな?」と不安材料を挙げる声も出ていたのですが、終わってみれば3馬身差の快勝。欧州血統なのですが、高速決着にも対応できましたね。
しかしシンエンペラーのレースぶりは優秀でしたね。何が良いって、私が注目しているのはラスト2ハロン11秒1-11秒0というラップです。
私、このラップに見覚えがあったんです。秋の東京芝1800mの新馬戦で、ラスト11秒台前半を連発……昨年11/13東京5R、ソールオリエンスが勝った新馬戦(ラスト11秒0-11秒0)です。
当時勝ち負けしたのがソールオリエンスとレーベンスティールで、いずれも重賞ウィナー。スローペースからの上がり比べでこれだけの脚が使える馬は高い能力を持っています。
これはソールオリエンス組だけの話ではないんです。東京芝1800mの2歳新馬で、シンエンペラー組のラスト2ハロン=22秒1以下が記録されたレースは……
13年マイネルフロスト(重賞馬)
15年キラージョー
16年バルデス
17年ブラストワンピース(G1馬)
18年シュヴァルツリーゼ(※5戦で引退)
18年ラストドラフト(重賞馬)
22年ソールオリエンス(G1馬)
23年ルカランフィースト
23年シンエンペラー
といった感じ。順調にキャリアを重ねられず終いの馬もいましたが、重賞・G1級の活躍を見せている馬ばかりです。シュヴァルツリーゼも弥生賞2着と重賞級でしたからね。
ということで、今後のシンエンペラーの走りには要注目ですよ。
赤崎
一口クラブから大馬主まで網羅する紅一点
元々は“良いクラブ馬に出資するため”と始めた情報収集が高じて、今ではもっぱら馬券優先の毎日を送っている紅一点の存在。個人・クラブを問わず馬主事情に精通しており、懇意の馬主関係者への馬券指南も行なっている。
その傍ら、仲間内でクラブ馬への出資も積極的で、一番の出世頭は海外GIを制覇した※※※※※※※(情報機密のため馬名はオフレコ)という確かな目利きとクラブ人脈を持つ。将来は「馬券で稼いで個人馬主に!」が現在の目標。