個性派記者の本音トーク 赤崎

【高松宮記念がラストラン】メイケイエール引退……オーナーのお膝元で最後の大ヤリへ!?

個性派記者の本音トーク 赤崎
赤崎

馬主情報担当の赤崎でございます~。

今日は、世間でも話題になっているこのニュースを掘り下げてみましょう!

すでに一般報道で目にした方も多いかもしれませんが、快速牝馬としてファンも多いメイケイエールが、次走の高松宮記念をラストランとして、現役を引退することが発表されました。

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3歳時チューリップ賞は同着勝利
写真右がメイケイエールです

思えば、2歳時からCHECKMATEの的中馬券に何度も貢献してくれました。すでにGIを何度も勝っていても不思議の無いポテンシャルを秘めている一方、能力の高さと気性面の課題が常に表裏一体で、陣営・ジョッキー達はここまで相当な苦労を重ねてきましたね。

先日の京都牝馬Sでは10着に終わりましたが、道中はこの馬らしさが戻ったと言いますか、ココ最近は見られなかった強烈な前進気勢が発揮されていて、池添騎手は折り合いを付けようとするのに精一杯でした。

とはいえ、結果が出ていないので楽観的なことは言えないものの、むしろ『行く気すら見せずに終わる』よりは評価できるのかもしれません。“まだ燃え尽きたわけじゃないぞ!”という雰囲気はありましたからね。


そんなメイケイエールに関しては続報があり、つい先ほどJRAから「高松宮記念後に引退式を実施する」というリリースが発表されました。このニュース、正直私はかなり驚いたんです。

というのも、『GI未勝利馬の引退式』というシチュエーション、正直覚えがないんですよね。かなり異例なんじゃないでしょうか。


大ベテランの堀江記者に聞いてみたところ、

最近……と言っても20年以上前やが、2002年のダイワテキサスの引退式が最後ちゃうか?

赤崎ちゃんが生まれてない昔の話をすると、タマモクロスのお父ちゃんであるシービークロスってのが1980年代前半にあったけどな。あの時は同じ厩舎のGI馬モンテプリンスと一緒に引退式やったんよな~。ワシも若かったもんや(笑)。

ま、メイケイエールの場合は最後の最後でGI馬になる可能性も残ってるがな!

ビッグボス堀江

との返答がありました。やっぱり、それくらい珍しいことですよね。

ちなみに、JRAでは内規で『引退式を開催できる競走馬の条件』が決まっていて、こんな感じになっているそうです。

1.GIに勝利した馬
2.牡馬、あるいはセン馬で重賞を5勝した馬(ダイワテキサスが該当)
3.牝馬、あるいは障害競走で重賞を4勝した馬
4.以上いずれかの条件を満たした馬と合同で引退式を行う場合(シービークロスが該当)

※GI馬ではない場合は、引退式費用は完全自費となる……という話もありますが、これは裏取りが必要かもしれません。

メイケイエールは現在、GIこそ手が届いていないものの、GⅡ・GⅢレースを合わせて6勝しており、規定を満たしています。むしろ、GI未勝利馬として引退式を行なえる実績を重ねてきたこと自体が凄いとも言えますよね。


そして、この異例の引退式の背景には、間違いなくオーナーサイドの深い思い入れがあると考えられます。

何故なら、このサイトにお越しいただいている競馬ファンの方ならご存知の方も多いかもしれませんが、馬主の名古屋競馬株式会社は、高松宮記念の舞台である中京競馬場の施設を所有・整備している会社だからです。

※他の中央競馬9場はJRAが直営ですが、中京競馬場だけ特殊で『名古屋競馬株式会社が、JRAに施設を貸して実施されている』という事情があります。なお、主要株主は愛知県・名古屋市といった地元自治体や、名古屋鉄道などの地元企業で構成されています。

また、“地方競馬の名古屋競馬”とは別の法人です。

つまり、オーナーサイドからすると「自身の所有馬として一番活躍してくれたメイケイエールを、自身のお膝元である中京競馬場で華やかに送る」という絶好の舞台となるのです。

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4歳秋のセントウルS勝利時
この年は変則開催で中京が舞台でした
当時も『地元ヤリ』と盛り上がりましたよ

当然、陣営もそれを分かっているわけですから、最後の舞台となる高松宮記念では、この馬の集大成とすべく力を注いで調整されていくことでしょう。


「これで勝つようならご都合主義も甚だしい」
「あまりにも出来すぎたドラマだ」


と思う方も居るかもしれませんが、そういう場面が度々繰り広げられてきたのも競馬の歴史であり、その裏には必ずと言っていいほど、関わる人々の思惑・執念がありました。


果たして、メイケイエールはラストランで大団円となるのか。

馬券のジャッジに関しては、ここから1ヶ月少々の各陣営の動向をしっかりと追って、私情とは別で冷静に考える必要があります。

それでも、馬主情報を担当し、それぞれの馬主の心情を間近で追う人間としては、どうしても応援したくなるシチュエーションですね。まずは無事にレース本番を迎えてもらいたいものです。

赤崎

一口クラブから大馬主まで網羅する紅一点
元々は“良いクラブ馬に出資するため”と始めた情報収集が高じて、今ではもっぱら馬券優先の毎日を送っている紅一点の存在。個人・クラブを問わず馬主事情に精通しており、懇意の馬主関係者への馬券指南も行なっている。

その傍ら、仲間内でクラブ馬への出資も積極的で、一番の出世頭は海外GIを制覇した※※※※※※※(情報機密のため馬名はオフレコ)という確かな目利きとクラブ人脈を持つ。将来は「馬券で稼いで個人馬主に!」が現在の目標。

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