個性派記者の本音トーク 赤崎

【変わりすぎ】2025年の開催スケジュールが発表……主な変更点と押さえておくべきポイントは?

個性派記者の本音トーク 赤崎
赤崎

2日連続でこんにちは。赤崎です。

昨日のコラム【先週の特記事項】の際にも少し予告していた“2025年の開催日程”が発表された件についてです。結局、私から色々と喋ることにしました。

私たちもトレセン界隈に居る関係上、この件に関しても様々なウワサ話は聞いていたのですが、それにしても大幅に変わったなあ……と言わざるを得ないのが正直なところ。

よく言えば『思い切りが良い』のかもしれませんが、これは来年、混乱する競馬ファンの方が多いだろうなと思っています。


その中でも、個人的に気になった部分を中心にいくつか掘り下げてみましょう。馬券的にも、取材的にも重要なポイントになりそうです。

【!】スケジュールについてはしっかり確認したつもりですが、あまりにも変更点が多すぎるので、もしかすると何か見落としていたり、勘違いしている可能性もあります。あらかじめご了承くださいませ。

①トライアル・前哨戦競走の開催時期変更

他の大きな変更、それこそ後述する宝塚記念の時期繰り上げだったり、暑熱対策の時期拡大が特に注目されがちですが、私としてはコレが一番大きなトピックスだと思っています。

具体的にいうと、主に下記のような変更がありました。

3歳路線
スプリングS・青葉賞・プリンシパルSがそれぞれ1週繰り上げ。

また、秋競馬のスタートが1週早まったことで紫苑S・ローズSも1週繰り上げに。
古馬路線
毎日王冠・京都大賞典は“秋の東京・京都開幕週の実施”という点は同じだが、

この開催が5週間開催になったため実質1週繰り上げ(天皇賞・秋が1週繰り下げというべきかも)。

これによって何が変わってくるかというと、優先出走権が与えられた本番までのレース間隔に余裕が出るということです。

上記したレースの場合、スプリングS⇒皐月賞は今年まで中3週だったのが中4週に、青葉賞⇒日本ダービーも中3週中4週に、プリンシパルSは中2週中3週となります。

また、紫苑SやローズSも、それぞれ秋華賞までの間隔が1週間長くなりました。

今年までのスケジュールの場合、『本番までの間隔が短くて、トライアルで権利を獲っても本番を見送る』というケースが最近は散見されました。そういう部分を改善したいってことだと思います。


あと、ちょっと邪推になるかもしれませんが、この変更によって『トライアルを使って外厩へ短期放牧⇒レース直前に戻して10日競馬で使う』というパターンをより実践しやすくなったようにも思います。

天栄・しがらきといった外厩施設の強みを持つノーザンファーム陣営にとってもありがたい変更なのではないでしょうか。

現状はまだ発表されていませんが、もしかするとその他の“重賞ではないトライアル競走”にも変化があるかもしれませんね。

②宝塚記念の時期繰り上げと関連レースの移動

これはちょっと驚きましたね。安田記念の翌週に宝塚記念が繰り上げられ、春のGIシリーズ終盤は天皇賞(春)~宝塚記念まで、毎週休みなくGIが開催されることになりました。

公式発表では『暑熱および梅雨の影響等を考慮』となっています。実際、6月下旬ってモロに梅雨ですし、今年もとんでもない馬場状態での開催になっていましたから、納得できる理由ではあります。

ただ、安田記念⇒宝塚記念といったローテーションの実現可能性がなくなったのはちょっぴり寂しいですね。

また、いわゆる春の古馬3冠(大阪杯・天皇賞春・宝塚記念)の同一年制覇も難しくなったように思いますし、3月下旬に行われるドバイWCデー組の、帰国後の調整期間も短くなることになったかなと。


その一方で、大ベテランの堀江記者「馴染みのある時期に宝塚記念が戻ってきた!」と言ってましたね。オールドファンの方からすると同じような感覚になるのかもしれません。

私は後から勉強して知ったのですが、1990年代中盤くらいまでは、安田記念⇒オークス⇒日本ダービー⇒宝塚記念(※これが6月上旬)という開催順だったんですよね。そこに高松宮杯(今は高松宮記念)やNHKマイルCが入ってきて、徐々に今の形になっていったという流れでしたか。


なお、この変更に伴って、またしても鳴尾記念が年末開催に移動しました。そしてチャレンジカップは9月開催に。流浪の重賞レースとなっています。

③暑熱対策(競走時間帯の拡大)が2週間⇒4週間に

これは今年の夏競馬における“新潟・札幌2場開催”の2週間で実施された試みの拡大版です。新潟開催中の昼間の時間帯に中休みを作り、最終レースが18時20分頃となった施策ですね。

来年は、今年と同じ時期に“新潟・中京・札幌の3場開催期間中に計4週間実施”ということになりました。恐らく新潟・中京で昼休みを作るのでしょう。現場関係者は更なる対応に追われそうです。


一方で、今年のように『関西圏での開催が無い2場開催』という設定がなくなることになりました。これは正直、朗報だと思っています。

確かに、新潟に遠征した関西馬たちが躍動してくれたのは事実ですが、単純に関西陣営にとって選べる番組が少ないというのは不利でもありましたからね。

④その他細かい部分での開催変更、重賞の追加&廃止

ここまで採り上げた話題の他にも、細かい変更点が多々あります。小倉2歳ステークスやマーメイドSといった名前はなくなってしまいましたし、その代わりに新設・移設されたレースも。こればかりはその都度、対応していくしかないでしょう。


ちなみに、こういったレース体系の大幅変更があった時って、実は現場関係者も『変更を忘れていた、気づいてなかった』というケースが起きるんです。

重賞レースの例ではないんですけど、大阪ハンブルクカップ(春の阪神で中長距離のオープン特別として親しまれていた)が一時期、スプリント戦になったことがあるんですよ。その時も、変更に気づかずに登録していた陣営が居た記憶があります。

笑っちゃいけない話ではあるんですが、それでも時々笑ってしまいますね……。


という感じで、GI開幕週でバタバタしている合間の更新となりましたが、来年の競馬日程はめちゃくちゃ変わりました。

けれども、私たちとしては“大きな変化”は歓迎すべきです。その分、変化に先回りして喰らいついていき、競馬界のトレンドをしっかりと捉えるのも大事な仕事のひとつ。それが的中馬券にも繋がると信じています。

今から来年の話をするのは鬼に笑われそうですが、2025年の競馬も随所に新鮮味を感じながら楽しんでいきましょう!

赤崎

一口クラブから大馬主まで網羅する紅一点
元々は“良いクラブ馬に出資するため”と始めた情報収集が高じて、今ではもっぱら馬券優先の毎日を送っている紅一点の存在。個人・クラブを問わず馬主事情に精通しており、懇意の馬主関係者への馬券指南も行なっている。

その傍ら、仲間内でクラブ馬への出資も積極的で、一番の出世頭は海外GIを制覇した※※※※※※※(情報機密のため馬名はオフレコ)という確かな目利きとクラブ人脈を持つ。将来は「馬券で稼いで個人馬主に!」が現在の目標。

#赤崎の記事を読む