個性派記者の本音トーク 赤崎

【イっちゃてる!?】ダート戦で産駒が無双中、種牡馬・ナダルの取扱説明書

個性派記者の本音トーク 赤崎
赤崎

こんにちは、一口クラブの情報も担当している赤崎です。

一口クラブと言えば、サンデーレーシングシルクレーシングキャロットファームなど、中央競馬のG1でも多く活躍馬を輩出しているノーザンファーム系のクラブを思い浮かべる方が多いでしょう。

そんなノーザン系クラブは、ここ最近地方競馬でも活躍馬が増えてきています。1/8(水)には浦和競馬場で行われたニューイヤーカップという重賞を、キャロットファームのホーリーグレイルが勝利しました。

このホーリーグレイルの勝利にあたって、ネット上では「またナダル産駒だ!」「ナダル最強!!」と競馬ファンも盛り上がっていたんです。昨年デビューだったナダル産駒は、中央競馬でも活躍が非常に目立っているんですよね。

今回はその勢いに乗るナダル産駒にフォーカスを当ててみましょう!

★そもそもナダルって誰?

某検索エンジンで『ナダル』と検索すると坊主頭の芸人さん(※コロコロチキチキペッパーズのボケ担当・ナダルさん)が最初にヒットしますし、人によってはテニスプレイヤーのラファエル・ナダル選手を思い浮かべる方もいるでしょう(笑)。

日本ではあまり馴染みのないナダルという馬は、アメリカ生まれ。競走馬時代もアメリカで過ごしており、アーカンソーダービーというG1レースを制しています。

ただ2020年春(3歳シーズン)に骨折してしまい、現役続行は難しいと判断されて引退。社台スタリオンステーションが種牡馬として購入し、同年の10月に来日しました。

赤崎

実は先日社台スタリオンステーションを訪れた情報班が、ナダルの写真を撮っていましたよ。

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撮影者「スマホではこれが限界!」

★ナダル産駒の躍進ぶり

ナダル産駒のデビューは現3歳世代。つまり昨年2024年が2歳シーズンだった馬たちが初年度産駒でした。

その2024年の2歳世代における種牡馬別成績を見てみると……

※中央競馬に限る
種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率
ナダル 30- 16- 8- 77/131 22.9% 35.1% 41.2%
キズナ 29- 25- 21- 99/174 16.7% 31.0% 43.1%
サートゥルナーリア 27- 12- 11-106/156 17.3% 25.0% 32.1%
エピファネイア 26- 31- 31-116/204 12.7% 27.9% 43.1%
モーリス 25- 11- 11-105/152 16.4% 23.7% 30.9%
アドマイヤマーズ 19- 13- 8- 75/115 16.5% 27.8% 34.8%
ロードカナロア 16- 15- 12- 70/113 14.2% 27.4% 38.1%
キタサンブラック 16- 13- 9- 45/ 83 19.3% 34.9% 45.8%
ドゥラメンテ 15- 9- 14- 51/ 89 16.9% 27.0% 42.7%
レイデオロ 13- 17- 10-102/142 9.2% 21.1% 28.2%

なんと、種牡馬デビュー年であるナダルの産駒が勝ち星ではナンバーワンなんです。

トップ10の中では勝率も最上位なのですから、いかに勝ち切っているかがよくわかりますよね。

ということで、この絶好調のナダル産駒をどこで買えばいいのか、しっかりチェックしていきましょう!

①ダート戦

まず大前提として、ナダル産駒を買うべきはダート戦です。

ナダル自身がアメリカのダートで活躍していたように、産駒も芝よりダートでこそ輝く傾向にあるんです。

■ナダル産駒・コース別成績 ※2024年のみ
コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率
3- 4- 0- 34/ 41 7.3% 17.1% 17.1%
ダート 27- 12- 8- 43/ 90 30.0% 43.3% 52.2%
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勝ち星の数もそうですが、勝率・連対率などの数字もダート戦が圧倒的ですね。

②1番人気なら信頼してOK

赤崎

まずはこちらをご覧ください。

■ダート戦×1番人気のナダル産駒
(※2024年のみ)

[18-4-4-3]

勝 率:62.1%
連対率:75.9%
複勝率:89.7%

ダート戦で良績を残しているナダル産駒ですが、特に1番人気に推された時の好走率は異常と言える高さ。勝率や連対率も素晴らしい数字ですが、複勝率に至っては約9割ですからね。

ちなみに昨年の2歳戦において、全種牡馬を対象とした【ダート戦×1番人気】の成績は勝率37.3%、複勝率68.5%です。これでも約7割が馬券に絡んでいると考えれば悪くない数字ですが、ナダル産駒単体の数字と比べてしまうと、どうしても見劣りますよね~。

これだけ好成績を残しているとあって、馬券的な貢献度も高いんです。何せ昨年、【ダート戦×1番人気】のナダル産駒は単勝回収率128%、複勝回収率115%です。

ダート戦で1番人気のナダル産駒をずっと単勝&複勝で買い続けていた場合、プラス収支になる成績だったんですよ。オッズが低い1番人気の馬を買い続けてプラスになるだなんて、なかなか信じられない話です。

③条件不問も道悪ダートは『?』

赤崎

ダート戦であれば条件を問わず走れるのもナダル産駒の特徴。

左右の回りも関係ないですし↓

コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率
右回り 16- 9- 4-27/56 28.6% 44.6% 51.8%
左回り 11- 3- 4-16/34 32.4% 41.2% 52.9%
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中央場所・ローカル場所どちらでも走っていますし↓

場所 着別度数 勝率 連対率 複勝率
中央開催 21-12- 5-35/73 28.8% 45.2% 52.1%
ローカル 6- 0- 3- 8/17 35.3% 35.3% 52.9%
赤崎

距離も問わずに結果を出しています↓

距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1200m 5- 3- 1- 6/15 33.3% 53.3% 60.0%
1400m 5- 1- 1- 9/16 31.3% 37.5% 43.8%
1600m 3- 1- 0- 5/ 9 33.3% 44.4% 44.4%
1800m 14- 6- 5-19/44 31.8% 45.5% 56.8%

ただ一つ、これから気にしておきたいのが“馬場状態”ですね。

というのも、昨年の秋シーズンは雨の降る日が少なかったので、ダート戦が道悪で行われるケースも少なかったんです。

■ダート戦が良馬場以外で行われた数
(※2015年以降の9~12月)

15年:215鞍
16年:252鞍
17年:212鞍
18年:204鞍
19年:191鞍
20年:117鞍
21年:192鞍
22年:205鞍
23年:161鞍
24年:122鞍

このように、過去10年で2番目に少数。昨年12月に至っては、中央競馬で行われたダート戦は漏れなく全てが良馬場だったんですよ。

昨年ナダル産駒が出走したダート戦90レースの内、稍重・重・不良馬場だったのはわずかに16レースだけ。割合にして17%程度しかありませんでしたから、まだ道悪に対する巧拙の判断は保留した方が良さそうです。

ただ、ナダル自身がアメリカのスピード競馬で活躍してきたので、恐らく問題ないとは思いますけれどね。

④騎手との相性

最後に私がちょっと気になっているのが、これだけ走っているナダル産駒でも、騎手によって成績にばらつきがあるという点です。特に、キャリアの浅い騎手であまり結果が出ていない傾向があるんです。

中でも、20代のジョッキーがダート戦でナダル産駒に乗った時の成績を見てみると……

騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率
西村淳也 2- 0- 0- 2/ 4 50.0% 50.0% 50.0%
坂井瑠星 2- 0- 0- 1/ 3 66.7% 66.7% 66.7%
鮫島克駿 1- 1- 0- 1/ 3 33.3% 66.7% 66.7%
マーカンド 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3%
岩田望来 1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0%
菅原明良 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0%
吉村誠之 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0%

まだまだ母数が少ないのでなんとも言えないところはあるのですが、岩田望騎手菅原明騎手は、自身の成績と比べるとちょっと物足りない結果に終わってしまっていますよね。


実はナダルという馬は、アメリカの某マスコミにこんな評価をされていました。

テニス界のレジェンドである(ラファエル・)ナダルの武器はパワーだが、

競走馬のナダルの武器はスピードスピード、そしてスピードだ。

つまり、前向きかつ速力が高い点が個性だったんです。

馬産地周辺の声を聞いていても、産駒にもその前向きさは受け継がれているようですし、これを上手く制御できるジョッキーの方が向いている面はありそう。やはりそこは経験をもって技術を向上させてきたジョッキーに一日の長があるはずですし、若手騎手にとっては少しばかり乗りづらさがあるのかも……と考えています。

とはいえ、まだ2歳シーズンを走っただけなので、これはただの仮説。今春以降、どのような成績を残していくかをしっかりと注目していきたいですね!

赤崎

以上が赤崎流の『ナダル産駒の取扱説明書』でした。週末の競馬でナダル産駒を見つけた時には、是非このページに書いてあったことを思い出してみてくださいね。

赤崎

一口クラブから大馬主まで網羅する紅一点
元々は“良いクラブ馬に出資するため”と始めた情報収集が高じて、今ではもっぱら馬券優先の毎日を送っている紅一点の存在。個人・クラブを問わず馬主事情に精通しており、懇意の馬主関係者への馬券指南も行なっている。

その傍ら、仲間内でクラブ馬への出資も積極的で、一番の出世頭は海外GIを制覇した※※※※※※※(情報機密のため馬名はオフレコ)という確かな目利きとクラブ人脈を持つ。将来は「馬券で稼いで個人馬主に!」が現在の目標。

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