まいど!人呼んで“栗東のビッグボス”、堀江でございます。
早いもんで2024年も12月に突入や。“師も走る”なんて言葉がある師走やけど、トレセンでは競馬界の“師”である調教師のみならず、厩舎スタッフ、そしてマスコミ関係者も忙しそうに駆け回ってますわ。
何せ現在の中央競馬は中山・京都・中京の3場開催中。中京はローカルやけど、関西圏で2つの競馬場が開催しているんや。
すごくザックリとした話やけど、栗東の馬からすればレースに使いやすい競馬場が2つあるっちゅうこと。多くの馬が出走するからってのもあって、馬を使う側も、取材する一般マスコミ側もバタバタや。
ここからが大事な話なんやけど、マスコミがバタバタってことは“取材力が低下する”ってところに繋がるんよ。ただでさえ今はG1シーズンでビッグレース中心の報道になっとるし、取材力が低下した一般マスコミが、勝負をかける関係者の動きを見逃してまうことも少なくない。
せやから、今週末の競馬にもおもろい話が……
おっと!これ以上は現時点では言うたらアカンわ。怒られてまう(笑)。
詳細はまた改めてとして、まずは今週も【競馬裏チャンネル】からいきまっせ~!
【今週の競馬裏チャンネル】
弟子を育て上げられるか
昨年全国リーディングのタイトルを獲得した杉山晴紀調教師はまだ42歳と若く、一般的に考えれば今後10年以上はトップを張っていくことだろう。
その昨年はJRAで55勝。今年も先週終了時点で48勝と、この調子ならば50勝を超えてくるのは確実な情勢。来年は和田竜二騎手のご子息である和田陽希(はるき)騎手候補生も所属予定となっているのだが……。
それが問題なんだよ。弟子を取るとどうしても成績が少し落ちることはある。ただ、それでも師匠が乗せていかないと、騎手は上手くならないからね。
和田さんのご子息はもちろんこれからの努力次第ということになるけど、厩舎とすればここは
ちょっとばかり気になってくるんじゃないかな。
厩舎に所属している訳ではないが、非ノーザン系の馬には長岡騎手を起用することもあり、実際に勝ち星も挙げている。
先週はチャンピオンズCでガイアフォースの手綱を執っていたが……杉山晴厩舎は、今年長岡騎手騎乗での勝ち星がまだゼロ。ローカルでも起用しないケースが増えているという。
一方で厩舎周辺からは『川田騎手やルメール騎手を乗せる時は明らかに勝負気配を感じる』という声も。その辺りの采配は矢作厩舎に通じたものもある。弟子からすると、トップ厩舎に所属するからこそ、相当の頑張りは必要になるだろう。
また、常に馬房がパンパンという点もネックになってきそうだ。
どこの牧場からも評判がいいということもあって、ノーザン系以外から声も掛かるし、28馬房あっても待機馬が多い状況なんだよ。
“ジャスティン”の冠名でお馴染みの三木オーナーに気に入られているということもあるんで、この間はアグリが安田隆行厩舎から転厩してきたりもしたが、あのオーナーも色々あったからな……。仕方がないんだろうけど、正直なところ『勘弁してほしい』って気持ちもあるだろうな(苦笑)。
聞くところによると、三木オーナーは安田隆厩舎の騎手起用などに不満を抱えていたという。また、三木オーナーとノーザンファームとの関係性が悪くなっていることもあり、あらゆる点で揉めているとか……。
とは言ったものの、重賞やG1で勝負になる馬ってのは限られてるわけよ。ノーザンと揉めた以上は、期待馬だって簡単には手に入れられなくなった。そういった意味では、アグリは期待馬だよな。
だからこそ、アグリは杉山晴厩舎に預託する方向になったみたい。ただ、さすがに馬房が足りていないということもあるから、休養中のハセドンは馬房に余裕のある大和田厩舎になったって話だよ。
様々なトラブルを上手く回避し、上手く立ち回れるのも杉山晴紀調教師の特徴でもある。3月から弟子が来ても例年通りの活躍ができるのか、年末のラストスパートとともに注目しておきたい。
【ビッグボスの情報注目馬】
今度こそ負けられへん戦いや!
堀江
栗東生まれ栗東育ちの大ベテラン
栗東トレセンのほぼ隣に生まれ、トレセンから流れてくる馬の匂いを日々感じ、目と鼻の先で競走馬と関係者を見て育った大ベテラン記者。予想に魅力を感じ専門紙記者になるも、「サラリーマンとしての記者生活はつまらない。囲み取材では誰も本音を話さない」と独自の取材術を磨き、現在はフリーで栗東を中心に活動中。
長年の経験で得た嗅覚を武器としており、関西事情はこの男に聞いておけば大体分かると言っても過言ではない。周囲からは“ビッグボス”と慕われ、厩舎関係者も管理馬の相談を持ちかけることも日常茶飯事。アナタが普段見ている競走馬のレース選択にもこの男が関わっているかも……?