独立した若手騎手の裏事情
そして週末の注目馬も!

こんばんは、堀江です。
水曜の当欄では、当社情報班が現場から持ち帰ってきた競馬界の裏ネタや内部事情なんかをこっそりと公開。先週までは【競馬裏チャンネル】というコーナーを用意していたけど、リニューアル後の今週からはワシのところでお伝えすることとなりました。今後ともよろしゅう頼みます。
そんな表には出ない【競馬裏チャンネル】だけではなく、下部では週末に出走を予定している情報馬に関する話も先出ししておりますので、是非最後までご覧ください。それでは、リニューアルして見やすくなったCHECKMATEと共に、今週も競馬を楽しんでいきましょか。
【今週の競馬裏チャンネル】
結局、独立することに……
競馬界の年度替わりである3月から新人騎手の話題を多くしてきたが、この4月に入って大久保友雅騎手がフリーになることが発表された。2年目を迎えたばかりでは異例の決断だ。
実は大久保騎手、去年の夏に2週間ほど騎乗自粛をしたことがあった。関係者によると「コロナになったとかじゃなく、素行に問題があったのが理由のようでね。その後は反省もしていたし、乗り馬が集まらない中を頑張っていたとは思うけど……」という話。
所属していたのは池添学厩舎。あまり有力馬が回ってこないこともあったが、全く騎乗馬がいなかった訳ではない。そんな中で痛かったのが、2月末をもって池添学師の父にあたる池添兼雄師が定年を迎えて引退したこと。
池添パパにはそこまで頻繁に乗せて貰っていただけではなかったけど、所属厩舎と同じぐらいの質、量はあったからね。このタイミングでフリーになるのは正直、厳しいというひと言に尽きる。ただツイてるのは、今年デビューした新人が栗東では田口騎手と河原田騎手しかいないからね。3キロ減の間は需要があるのは間違いないし、あとは地道にあちこちの厩舎をしっかりと手伝うことだよな。

関西は関東と比べると減量騎手を積極的に起用する傾向にある。減量がなくなれば見向きもされない騎手もいるのは事実だが、チャンスは転がっていると言えるだろう。
裏を返せば減量の間に乗鞍が集まらないと関東より悲惨なことになる。まだ2年目なのにこういうことになってしまうのは本人の責任によるところも大きいとは思うけど、この業界は勝てば何でも許されてしまうところもあるからさ。

フリー転向後しばらくは村山厩舎などを手伝いながら、乗り馬を増やしていくことになるという。競馬学校生時代には戸田厩舎などを手伝っていたこともあるようで、各厩舎をサポートしていくのが乗り鞍を増やすための筋道だろう。
ちなみに“大久保”の姓と言えば栗東にはディープボンドなどを管理する大久保龍志調教師が居るが、大久保騎手にとって師は叔父にあたる。更に言えば、大久保騎手の父は新谷厩舎で調教助手も務めている。しかし、その2厩舎からはほとんど騎乗依頼がない(全218鞍中6鞍のみ)。
競馬関係者が身内にいること自体は本来、プラスなはず。父が元騎手の調教助手である今村騎手などを見ていればそれは明らかだ。しかし、身内がいてもそのメリットを活かせない騎手は過去に多く存在した。
結局、子供の頃から知っている分だけ、だらしない姿を見せてしまうとすぐに『あいつはダメだ』となりやすい。去年の夏に派手なことをしでかしているのが最後まで響いてしまったところはあったよね。

とはいえまだまだデビューしてそれほど日が経った訳でもない。フリーを転機に気を引き締めれば、活躍する下地はゼロではないはずだ。今後の活躍に注視したい。
【ビッグボスの情報注目馬】
“特記事項”でもこの条件がベスト

堀江
栗東生まれ栗東育ちの大ベテラン
栗東トレセンのほぼ隣に生まれ、トレセンから流れてくる馬の匂いを日々感じ、目と鼻の先で競走馬と関係者を見て育った大ベテラン記者。予想に魅力を感じ専門紙記者になるも、「サラリーマンとしての記者生活はつまらない。囲み取材では誰も本音を話さない」と独自の取材術を磨き、現在はフリーで栗東を中心に活動中。
長年の経験で得た嗅覚を武器としており、関西事情はこの男に聞いておけば大体分かると言っても過言ではない。周囲からは“ビッグボス”と慕われ、厩舎関係者も管理馬の相談を持ちかけることも日常茶飯事。アナタが普段見ている競走馬のレース選択にもこの男が関わっているかも……?