
まいど、おばんどす。栗東の堀江でございます。
ワシも楽しみなセレクトセール直前ということで、今日はそれに関するネタを過去の例を元に紹介してみよう。
七夕賞の出走馬も該当する
この時期の勝負パターンに注目!
今週は外厩・牧場情報に強い黒木さんが色々と力が入る週末っちゅうことは皆様もご存知の通り。ということで、ワシからも牧場絡み・セール絡みの勝負話の例を紹介してみよう。というのも、その王道パターンが明日の重賞レースに存在するんや。
それはズバリ『セール上場予定馬の兄・姉で結果を出しておきたい』っちゅう勝負パターンである。
例えば、今年の七夕賞のメンバーの中には、セレクトセールで弟や妹が上場されるという馬が3頭も出走している。
1歳部門に半妹(コンカランの2022、父ワールドエース)が上場
フェーングロッテン
当歳部門に半弟(ピクシーホロウの2023、父エピファネイア)が上場
ヒンドゥタイムス
1歳部門に半妹(マハーバーラタの2022、父モーリス)が上場
また、プロキオンSに出走するシャマルも同じパターンで、当歳部門に半弟(ネイティヴコードの2023、父ベンバトル)が上場される。
これらの関係者、特に牧場サイドからしてみれば「結果を出してくれれば、セールに上場する幼駒の価値が上がるぞ!」とヤル気になるのは当然のこっちゃ。だからこそ、特に力が入るというものやね。これもいわゆる“ヤリ”と呼ばれる勝負態勢のひとつや。
『そんなに都合の良いことが本当にあるの?』と思うかもしれないが、実際にあるから競馬は面白い。それを知れる側に居るからこそ、そう思うわ。
七夕賞が近づく度に毎年思い出すんやけど、これらと同じパターンで大激走したのが、2018年の七夕賞勝ち馬・メドウラークや。
その当時、しばらく結果が出ていなくて当日は出走12頭中、11番人気の超人気薄。けれどもコレが一変して勝ち切ったんよな。単勝でも100.8倍の超大穴を演出した。
そして、2日後のセレクトセール当歳で、半弟(アゲヒバリの2018、父ロードカナロア)は【税込1億1880万円】で金子真人ホールディングスが落札。当時、母アゲヒバリの産駒で過去にセールで売られた馬の中でも最高額が付けられた。
この背景には少なからず“兄のメドウラークが七夕賞を勝ったことで、血統の価値が大きく上がった”効果があったと言える。
CHECKMATEにお越しいただいている皆様が、もしセールに参加されている立場で考えた時に“兄や姉が重賞で活躍している方が期待できそうだな”と思うやろう。
それが直近の出来事なら尚更、印象に残るはずや。だからこそ、この時期には『セール上場予定馬の兄や姉で結果を出しておきたい』っちゅう関係者の思惑が働くっちゅうことやな。
もちろん、競走馬セールはセレクトセールで終わりではない。この先にも大規模なものから小規模なものまで、北海道を中心に数多くのセールが開催されるので、その都度こういった勝負話が持ち上がってくる。黒木さんが忙しくなるワケや。明日の情報はもちろん、翌週以降のCHECKMATEの情報にも期待していただきたいね。
なお、先述したアゲヒバリの2018はその後、アレスクラーと名付けられ栗東・音無厩舎からデビューするも、最高着順は9着止まりで5戦未勝利のまま登録抹消。価格に見合う活躍とは程遠かった……。これも競馬やね(苦笑)。

堀江
栗東生まれ栗東育ちの大ベテラン
栗東トレセンのほぼ隣に生まれ、トレセンから流れてくる馬の匂いを日々感じ、目と鼻の先で競走馬と関係者を見て育った大ベテラン記者。予想に魅力を感じ専門紙記者になるも、「サラリーマンとしての記者生活はつまらない。囲み取材では誰も本音を話さない」と独自の取材術を磨き、現在はフリーで栗東を中心に活動中。
長年の経験で得た嗅覚を武器としており、関西事情はこの男に聞いておけば大体分かると言っても過言ではない。周囲からは“ビッグボス”と慕われ、厩舎関係者も管理馬の相談を持ちかけることも日常茶飯事。アナタが普段見ている競走馬のレース選択にもこの男が関わっているかも……?