まいど!栗東のビッグボスこと堀江でございます。
早いもんで、現場では既に来年の話が始まってますわ。「年明けの京都で~」「今年は小倉が長いから~」とか、既に発表された来年の開催日程&番組表とにらめっこしとる関係者も少なくないね。
一般の競馬ファンからすれば「まだ有馬記念どころか、2歳G1すらやってないのに」と思うかもしれへんけど、それだけ競馬に向けての調整ってのは長い目で見るべきってこと。ダビ●タみたいにちょちょいと追い切りをやったら「調子が上がってきました」って言われるもんやないのよ(笑)。
もちろん外厩を含めて各関係者が連携して仕上げていくってのはあるんやけど、他にも前々から気にしないとアカンことだってある。
例えば、小倉が地元の馬主さんがおるとするやろ。それが1勝クラスの馬とかやったら、出走可能なレース数ってのは結構あるのよ。ローカルは上級条件のレースが少なくて、未勝利戦や1勝クラスは鞍数が多いからね。
そうすると厩舎サイドは「勝ち負けする自信があるし、せっかくならオーナーの前で勝ちたい!」って思うやろ?馬主さんと打ち合わせして「ここなら見に来られますか?」ってスケジュールをすり合わせて……なんてことも事前に出来る訳や。
こういった動きは水面下で行われるから、なかなか公にはならへんとこ。ワシらはこういう部分も含めて、関係者が勝負をかけるタイミングってのをちゃんと見極めとるんですわ。
ほな、今週もまずは【競馬裏チャンネル】から行ってみよか!
【今週の競馬裏チャンネル】
ハーパーであっと言わせるか!?
牝馬三冠ではGIタイトルに手が届かなかったハーパー。クイーンSを勝利した際のコンビであった川田騎手で挑んだエリザベス女王杯も、3着止まりだった。
とはいえ、この世代はリバティアイランドがいて不幸にも相手が悪かっただけ。前々から素質はGI級と言われている。
前にも紹介したけど、リバティアイランドがオークスに行かないときは、川田はハーパーに乗る可能性もあったんだ。オーナーサイドにもクイーンSを勝った時に『オークスで乗れるんだったら乗りたい馬』という話をしていたぐらいでね。
まあ、実際はリバティアイランドがいたんでオークスではルメールになったんだけど、それだけ陣営や騎手たちの中でも評価されているってのは事実だよ。
オークスは2着。ぶっつけで挑んだ秋華賞は3着とリバティアイランドの前に屈したが、エリザベス女王杯で川田騎手に手綱が移ったタイミングで勝負をかけるという考えだったのだろう。ただ、そこではブレイディヴェーグに屈する形。
馬主のエムズレーシング(代表:杉野公彦氏)はボウリングなどのアミューズメント施設・ラウンドワンを経営していることでもしられている。最近はノーザンF生産の高額馬も積極的に落札している。
馬主にもマネージャーがついているんだけど、このマネージャーがやり手でさ。ノーザンFなどとも上手く懇意にやっているんだわ。
ハーパーの戦歴を見て貰えれば分かる通り、福永に、短期免許のイーガン、川田、ルメールと、その時に空いている中で一番の騎手があてがわられているでしょ。川田やルメールはクラブ系の馬も多いのに、その中で騎乗しているんだから、言っちゃえば『ノーザンFも重要視している馬主』ということになるよね。
そのハーパーが有馬記念に参戦する。鞍上は岩田望騎手も決まった。
友道先生はハッキリとは言わなかったけど、このローテに関しては馬主サイド主導のところもあったと思う。有馬記念は牝馬が活躍することも少なくないからね。しかも、この秋は秋華賞からのスタート。ローズSを使わなかったのは、元から有馬や香港などを視野に入れていたからでしょ。
イクイノックスの引退により今年は明確な主役がいないとされる有馬記念。馬主、騎手待望のGI制覇となるかも含めて注視してみたい。
【ビッグボスの情報注目馬】
休み明け?全然気にしとらんかったね
堀江
栗東生まれ栗東育ちの大ベテラン
栗東トレセンのほぼ隣に生まれ、トレセンから流れてくる馬の匂いを日々感じ、目と鼻の先で競走馬と関係者を見て育った大ベテラン記者。予想に魅力を感じ専門紙記者になるも、「サラリーマンとしての記者生活はつまらない。囲み取材では誰も本音を話さない」と独自の取材術を磨き、現在はフリーで栗東を中心に活動中。
長年の経験で得た嗅覚を武器としており、関西事情はこの男に聞いておけば大体分かると言っても過言ではない。周囲からは“ビッグボス”と慕われ、厩舎関係者も管理馬の相談を持ちかけることも日常茶飯事。アナタが普段見ている競走馬のレース選択にもこの男が関わっているかも……?