まいど、栗東担当のビッグボス堀江です。
今日も朝から元気に栗東、くしゃみと鼻水が止まらん以外は元気です(苦笑)。そんな取材の一幕をご紹介。
ワシは開催日も基本的には競馬場に行かず、早朝からトレセン取材が基本的なルーティーンワーク。
もうウン十年見続けている光景
スポーツ紙や専門紙の取材は開催裏で手薄になるけども、翌週以降のレース出走に向けて調整を重ねる陣営の話を独占的に聞けるし、「当週の追い切りは流すだけにする予定なので、今日ビッシリやっておくんです」というようなヤリ話も少なくないでな。
そんなトレセン界隈、ほっつき歩いてると色々な“ウワサ話”とか“大っぴらにはできない関係者間の評価”みたいな話題も出てくるんよね。それこそ、競馬場に出払っているジョッキーたちに関する話とかな。
例えば、昨日は2年目の女性ジョッキー・河原田菜々が『既定の斤量を0.5キロ超過してしまい、過怠金10万円を科せられる』という事案があった。★4キロ減で51キロのはずの馬に、51.5キロで乗らざるを得なかったんよね。
これについても現場では様々な意見があったし、若手に関する問題が出た時に、どうしたって目くじらを立てる人間はおる。ワシも昔なら“プロ意識が足りん”と言いそうな問題ではあった。
ただ、今は時代が変わってきたでなあ……。
そもそも過去には女性騎手専用の減量特典という概念が無かったのもあるし、今はジョッキーのパフォーマンス面を考えた時に、“過度に体重を減らすのがホンマに正しいんか?”という考え方もある。現に、競馬界はその辺を踏まえて、出走馬の斤量ベースを1キロ引き上げたばっかりやしな。
そりゃあもちろん、今後も減量が厳しいとなるとまた考えなアカンことも出てくるけど、今回のところはお目こぼしをしてあげてもエエんちゃうか? とは思っとる。
水曜日の【競馬裏チャンネル】でも採り上げたように、河原田ちゃんは師弟間の関係性が良好やし、師匠のナベちゃん(渡辺薫彦調教師)が上手くコントロールしてくれると信じとるけども、今後どうなりますやら。
それ以上に、女性ジョッキーで心配というか、すでに周囲から見限られつつある雰囲気すらあるのが3年目の今村聖奈。
デビュー年に51勝を挙げた、輝かしい記憶は遠くになりにけり。先週時点で今年の勝利数はまさかの“1勝”や。単純計算で年間4~5勝ペースの現状はさすがにマズすぎるでなあ。
詳しい方はご存知の通り、聖奈の場合は担当エージェントの営業力・影響力が強いモンで(※他には岩田親子や西塚を担当。過去にはユーイチ、四位などを担当)、そのおかげで騎乗数はそれなりにある。ただ、それが却って良くないというか、ただ単に回ってきた馬を流れ作業で乗っているだけのようにも見えるんよな。
加えて、過去にワシや加藤クンが記事で採り上げたような『レースそのものが苦手になってるんじゃないか?』という問題も燻ぶっとる。
来週から春のGIシーズン本番に突入して、表向きには華やかなレースの方が注目されがちになる。ただ、そっちで乗るトップジョッキーたちの裏で、裏開催では若手ジョッキーの存在が一段と重要になるでな。
それだけに、今回名前を挙げた2名も、乗り越えてもらいたい壁は色々とあるんやが、果たしてコレがどうなるか。この先は主役である“馬”もそうやが、それを取り巻く“人”に関する話もより一層ご注目いただきたいところですわ。
堀江の推奨レース
中山9R
スピカS
③グランディア
(中内田/三浦)
素質馬が多く揃っている中内田厩舎の中でも「ポテンシャルは超・一級品だと思います」と界隈で言われ続けている③グランディア。ズバリ、勝負の中山遠征でございます。
関西陣営が得意とする「レベルの低い関東圏の番組を狙って遠征させる」という【勝負の関東遠征ヤリ】は、今朝の『ワンコイン馬券』コンテンツで推奨した土曜中山4Rの◎オウバイトウリが同様のパターンで楽勝したばっかりやな(3連単1万7300円含む完全的中)。
この先のGIシーズン本番になると、関東圏のGIに合わせて、GI出走馬と一緒に関東圏のレースに運んで勝負というパターンが増えてくる。中には「GIはオマケで、実は帯同させている馬の方が勝負ヤリ」ということもあるので要注意でっせ。
では本題。とにかく、グランディアについては、まず戦ってきた相手を見てほしい。
2021年7月11日(日)
2歳新馬(2着)
⇒当時勝ち馬はピースオブエイト(2022年毎日杯勝ち)
2021年11月14日(日)
黄菊賞(3着)
⇒当時勝ち馬はジャスティンパレス(2023年天皇賞春勝ちなど)
2022年1月5日(水)
3歳1勝クラス(1着)
⇒当時2着馬はマテンロウスカイ(先月・中山記念勝ち)、3着馬はボルドグフーシュ(2022年・菊花賞&有馬記念2着など)
2023年5月28日(日)
むらさき賞(2着)
⇒当時勝ち馬はローシャムパーク(その後函館記念&オールカマー勝ち)
こんな風に、一緒に走って接戦を繰り広げてきた馬たちが出世しとる中、自身はまだオープン入りできていない現状がもどかしくてしゃあないな。
ま~、すでに去勢されているように気性面の課題があったり、時折見せる出遅れや折り合い難で崩れたりと、成績が安定していないのには理由があるんよね。
また、馬のキャラクター的に『極端な瞬発力勝負が向かない』という面もあるんよね。瞬発力比べになった時に、一応33秒台の脚は使えるけど、自身以上にキレるタイプの馬には一歩及ばないという結果も随所にあった。
だからこそ、今回の中山遠征は“勝負”よね。実際、2勝クラスを勝ち上がったのが今回と同条件の中山芝1800mで、前走の3着好走時も同じ。得意条件を狙ったレース選択だけに、陣営はとにかく結果を求めとる。
「過去に何度も乗っている川田だって能力は高く認めてくれている馬だし、精神面を考えると休み明けでフレッシュな方が間違いなく良いはず。三浦クンがしっかり乗ってくれれば勝てるだけの仕上がりだよ」と厩舎サイドは“ヤレることはヤッた”の意気込み。カンタンな馬じゃないのは百も承知で狙いたいタイミングやね。
相手上位馬については、まず同じく遠征組の①ワイドアラジンが対抗。これは2走前に1勝クラス戦を勝った時に「次もすぐ勝てそうな馬だから続けて乗せてほしい」と川田が高く評価しとったらしいのよ。
その通りに勝った前走の内容も良かったし、立ち回りの上手さを生かせそうな枠を引けたのも好材料やね。後はテン乗りの瑠星がどう乗ってくるか要注目。
関東勢では現級安定の⑭マイネルモーント、⑧デコラシオンを順当に。⑪ディオスバリエンテは「前走は珍しくキングが失敗した」と、前走4着については消化不良だった様子。ここまでの4頭を本線に。
ただ、その他の相手はちょっと手広く見ておきたいところ。それもあって、3連単はアタマで来た時の大ボーナスに期待した1着固定⇒3列目を広めに組んでいる。安定重視なら馬連+3連複みたいな感じでも。
あるいは、オッズ次第では単複だけで……というのも悪くない。午前11時時点で単勝はちょっと売れとる(クラブ馬にありがちな出資会員の応援票かもしれん)けど、複勝は下限3倍からスタートなのよね。このままなら妙味十分と言えるな。
本線
1-3
3-14
3-8
3-11
押さえ
2-3
3-10
3-7
3-16
1頭目:3
2頭目:1.14.8.11
3頭目:1.14.8.11.2.10.7.16.4.12
(フォーメーション30点)
1着:3
2着:1.14.8.11
3着:1.14.8.11.2.10.7.16.4.12
(フォーメーション36点)
堀江
栗東生まれ栗東育ちの大ベテラン
栗東トレセンのほぼ隣に生まれ、トレセンから流れてくる馬の匂いを日々感じ、目と鼻の先で競走馬と関係者を見て育った大ベテラン記者。予想に魅力を感じ専門紙記者になるも、「サラリーマンとしての記者生活はつまらない。囲み取材では誰も本音を話さない」と独自の取材術を磨き、現在はフリーで栗東を中心に活動中。
長年の経験で得た嗅覚を武器としており、関西事情はこの男に聞いておけば大体分かると言っても過言ではない。周囲からは“ビッグボス”と慕われ、厩舎関係者も管理馬の相談を持ちかけることも日常茶飯事。アナタが普段見ている競走馬のレース選択にもこの男が関わっているかも……?