まいど!栗東のビッグボスこと堀江でございます。
先週の京王杯スプリングCで3着やったスズハロームっちゅう馬は、中間の調教を美浦でやってたんよ。長距離輸送をするとイレ込んだり、カイバを食べなくなってまうから、レース直前に栗東→東京という輸送をしないように工夫しとったんや。
で、今度は京王杯が終わった後、福永厩舎のダノンスコーピオンが美浦に入れて調整するという手段を選んだんや。
“栗東滞在”は近年ほんまに多くなっていた印象やけど、逆パターンの“美浦滞在”ってあんまりなかったんよね。しかし、それを開業1年目から導入してきた福永厩舎は、やっぱり「やれることはやる」っていう強い気持ちを感じるね。
そういう厩舎の姿勢ってのもよーく見ていかなアカンで。馬券攻略においてめっちゃ重要な要素やからね。
さて、まずは今週も【競馬裏チャンネル】からいってみましょか!
【今週の競馬裏チャンネル】
矢作調教師の娘……の婿に関する話
最初は馬集めに苦労する若手厩舎も、数年経ってくるとある程度馬が集まり始める。成績がアップすると『預託したい』という馬主も増えて、厩舎かすればその取捨選択に迷うところも出てくるという。
何年か前だけど、武幸四郎厩舎は引き継いだ個人馬主の馬を一部、早々に転厩させた。そのせいで一瞬だけ馬が減った時期もあったりしたけど、アニキ(武豊騎手)のブランドとかもあって、早々に人気厩舎に駆け上がったんだよね。
規模の小さい個人馬主は馬を入れ替えようと思っても、資金力などの問題もあり簡単にはいかない。長い目で見ると、弊害が出てしまうところもあるという。
例えば、そんなオーナーが持つ『1勝クラスの出戻り馬』はどこの厩舎も扱いに困るという。3場開催のオークス週までは、新潟で1勝クラスの番組が多数組まれることもあり、賞金を稼ぎやすい。
しかし、ダービー週は2場。そして6月に入ればイキの良い3歳馬が古馬混合戦へと出走してくる。「そろそろお引き取りくださいって言っても、なかなか首をうんと振ってくれないと困っているのが、若手厩舎の課題でもあるんだよね~」と某関係者は話す。
中でもその問題に直面しているのが田中克典厩舎だという。矢作調教師の娘婿にもあたり、昨年は31勝を挙げる活躍。21年に開業したばかりだが、14勝→27勝→31勝ときて、今年もここまでで10勝、既に82勝を挙げている厩舎だ。
矢作調教師の娘婿とはいっても、ノーザンF系のクラブはシビア。質の高い馬はなかなか回ってこず、どうしても開業当初は個人馬主の馬が中心となってしまう。
ただ、ここにきて成績も上がってきており、大手からの馬も徐々に回り始めている。となると、個人馬主の馬を徐々に放出していきたいという流れだが……それが上手く行っていないという。
この前、未勝利戦で掲示板に載った馬がいたんだけど……2秒近く離されてたんだよね。それで調教師は『勝つのは厳しい』とジャッジした。
だけど、馬主は『掲示板に載っている馬ならチャンスもあるんじゃないの』ということで、なかなか思ったようには退厩してくれないって感じ。まあ、調教師としては預託料も爆上がりしている状況だから『そろそろ損切りの頃合いですよ』っていう意味合いもあったんだと思うけどなあ……。
伸びている厩舎ということもあり、中堅以下の騎手も手伝うシーンが増えてきた。例えば、高倉騎手。今年はまだ勝ててないけど、田中克調教師の依頼で新潟に行ったりなどもしているので、ローカルのどこかで一発穴を開けるシーンもありそうだ。
ちなみに、田中克厩舎は重用していた吉田隼騎手を欠く状況にある。坂井瑠騎手は矢作厩舎の馬を重視するだけに、ここぞという時の起用になることが大半。そういった意味では、2、3番手の騎手がハッキリ決まっていないという状況にはある。
成績アップに伴い、馬主の変化や騎手の変化もこれからしばらくは起こってきそう。昨年はエルムSで◎ロッシュローブ(単勝10番人気)を激走させ、3万0680円的中にも貢献した厩舎。今年も30勝を超えることができるのかに注目だ。
【ビッグボスの情報注目馬】
このジョッキーで今回の条件なら見直せるで!
堀江
栗東生まれ栗東育ちの大ベテラン
栗東トレセンのほぼ隣に生まれ、トレセンから流れてくる馬の匂いを日々感じ、目と鼻の先で競走馬と関係者を見て育った大ベテラン記者。予想に魅力を感じ専門紙記者になるも、「サラリーマンとしての記者生活はつまらない。囲み取材では誰も本音を話さない」と独自の取材術を磨き、現在はフリーで栗東を中心に活動中。
長年の経験で得た嗅覚を武器としており、関西事情はこの男に聞いておけば大体分かると言っても過言ではない。周囲からは“ビッグボス”と慕われ、厩舎関係者も管理馬の相談を持ちかけることも日常茶飯事。アナタが普段見ている競走馬のレース選択にもこの男が関わっているかも……?