
いよいよダービー週やで!
まいど、栗東のビッグボスこと堀江です。
今週は日本ダービー週。我々としてみたら、G1だからといってレースを特別視するってのはあんまりしたくないんやけど、やっぱりダービーって特別なもんやね。世代の一番を決めるのはもちろん、ジョッキーや調教師にも特別な箔がつく。レースに臨む熱量も自ずと高まるものよ。
でも“特別”ってのはそれだけじゃないんよ。
ダービーって、一般のファンの皆さんからしても特別やろ?専門紙や雑誌の人達も一緒やと思うんや。
何度も言うとるけど、競馬のレースっちゅうのは格が高ければ高い程いいってもんやない。ダービーだろうと、ローカルの1Rに行われる障害未勝利戦だろうと、同じ競馬のレースや。みんながみんなダービーに目を向ける今週は、G1裏が美味しい儲けどころに大変身する。そういうチャンスもあるから、ワシにとって特別なんよ。
もちろんダービーも楽しみやけど、他のレースに関する情報もちゃんと見てってな。まずは今週も【競馬裏チャンネル】からいくでー!
【今週の競馬裏チャンネル】
妥協点が見つからないストライキ問題
昨年の春闘ではストライキがあったものの競馬は開催され、効力と組合の存在意義が問われた。
今年はダービー前日の5月25日に関東労、関西労、美駒労の3労組がストを通告。話し合いはギリギリまで続けられそうなのだが……。
実は関西系の全馬労って組合が早々に妥結したんで、関西ではほとんど意味がない。なにせ栗東では全馬労に約950人、もう一つの関西労は200人を切る位しか所属してないからね。
西高東低なんで、美浦とは違って栗東は進上金も多く獲得している。わざわざ開催を止めたいと思う人はいないよね。
今回は開催ストだけではなく全業務のストを計画しているというけど、西では関西労所属者を全馬労の所属者に担当替えすればいいだけ。しかも、今回は2場開催でもあるし、レース自体は何事もなく行われるよ。

ただ、そうはいっても調教師はてんてこまいのよう。というのも、主催者側から内々に、厩舎所属者の労組の加入状況、組合名を再度確認が求められ、担当替えする必要性があるかどうかというところまで、こと細かく報告が求められている状況。
繰り返しになるが、関西労に所属するスタッフは少ないとは言え200人弱。関東程ではないにせよ、どの調教師も取材の時間が取りづらい状況であることは間違いない。
ちなみに昨年の開催スト騒動の際は、組合加入者の40%以上がストに参加せず、業務を行っている。
関西では50%を超える人間が参加してたんじゃないか。まあ、早々に妥結した全馬労はその後に役員が糾弾されて辞任するハメになったんだけど……。
今年も全馬労は早々に妥結。他の3労組は全馬労に対し怒り心頭ではあるけど、去年の騒動のときに全馬労を抜けて組合に加入しない人も増えたんだ。

そもそもの話だが、スタッフの普段の給料以外のボーナス、退職金などはJRAが補助金を出し、実質負担している状況。更に言えば、月の給料を実質負担しているのは預託金を払っている馬主である。こういった状況から、調教師とすれば独断で全要求が飲めない状況と言える。
近年、馬主への賞金、出走手当、補助などは確かに増額されてはきている。ただ、馬主の数が増えていることもあり、優先出走権を獲得できないと2、3カ月ほど出走できないことも珍しくない。
特に1勝クラスを含めた条件戦では来週から3歳馬も混じってくる。「夏競馬の番組を迎える前に何とかしたい」という馬も少なくないのだから、この状況でストを打って競馬が止まることを避けたいのは当たり前だろう。
そういうことを考えれば、ストを打って誰が損するのかっていうことを考えた方がいいわな。感覚的には。前回もよりも関西ではストに参加しない人が増えそうだよ。

とはいえ、何事もなく無事に開催されるのが一番。関西ではそこまで大きな影響ではないというが、今後の推移を見守りたい。
【ビッグボスの情報注目馬】
G1を視野に入れてる馬がOP特別に!?

堀江
栗東生まれ栗東育ちの大ベテラン
栗東トレセンのほぼ隣に生まれ、トレセンから流れてくる馬の匂いを日々感じ、目と鼻の先で競走馬と関係者を見て育った大ベテラン記者。予想に魅力を感じ専門紙記者になるも、「サラリーマンとしての記者生活はつまらない。囲み取材では誰も本音を話さない」と独自の取材術を磨き、現在はフリーで栗東を中心に活動中。
長年の経験で得た嗅覚を武器としており、関西事情はこの男に聞いておけば大体分かると言っても過言ではない。周囲からは“ビッグボス”と慕われ、厩舎関係者も管理馬の相談を持ちかけることも日常茶飯事。アナタが普段見ている競走馬のレース選択にもこの男が関わっているかも……?