
まいど、栗東のビッグボスこと堀江でございます。
先週末、松山弘平が新潟→札幌へ移動ができず、乗り替わりが発生してしまい騎乗停止となる事件があったな。
これ、2回新潟が始まる前から言われていた問題でね。「18時半とかの新潟でのレースに乗っていたら、その日の内には移動ができない」って話は前からされとったんや。
松山もちゃんと対策して、日曜の札幌は午後からの騎乗にしていたんやけど、どうやら航空券を間違えて取ってもうたって話なんよね。
今回はこの点について【競馬裏チャンネル】でまとめていくので、是非とも見てってや。
【今週の競馬裏チャンネル】
ある意味暑熱対策の犠牲者
松山弘平騎手が新潟から移動時のミスで日曜札幌7Rに乗れなかったため、騎乗停止処分が下った。
ネットやファンの声では「エージェントが担当してないのか?」という声もあったようだが、ほぼ無関係というのが実際のところ。
あくまでエージェント業務であって、別にジョッキーの秘書ではないからね。基本的には騎乗馬の調整をするだけだよ。
もちろん、厩舎などに営業をかける場合もあるけれど、移動に関しては騎手本人がやっているもの。人によってはマネージャー業務を頼む場合もゼロではないだろうけど、若手はエージェントに馬以外のことで頼むことはまずない。車の運転を頼むぐらいはあるかもだけど。

エージェントと言ってもガッツリと営業や馬の振り分け、調教師との調整をやるタイプから、単に電話番に近い者もいて千差万別。契約形態も“一律いくら”という訳ではなく、人によってマチマチだ。
例えば矢作厩舎の場合は、厩舎マネージャーが坂井瑠騎手・古川奈騎手のエージェントを務めており、矢作厩舎の馬をメインに調整している。一方で関東では名前だけエージェント登録している場合もあって、ほとんど機能していないということもあるとか……。
暑熱対策のこの2週間の競馬はいろいろと課題も残したのは間違いない。ルメール騎手は暑熱対策の1週目は8R(通常の12Rの時間)までの騎乗で、9R以降に乗らず札幌へと移動している。土日の移動を伴うならば、フル参戦は難しいという状況になってしまった。
松山も土曜日は新潟で12Rまで乗って、朝イチの飛行機で札幌入り。そして余裕を持たせて7Rからという騎乗プランが崩れてしまった。もちろん、本人の責任ではあるけど、ただでさえ移動し辛いプランにはなってしまっていたよね。

騎手とすれば、重賞で声が掛かった方の競馬場を優先することも珍しくない。秋に盛岡で行われるマイルチャンピオンシップ南部杯は、過去にJRAの3日間開催と被ることも少なくなかったが、JRAで乗らず南部杯1鞍のために遠征する騎手もいたほどだ。
なお、来年は暑熱対策の期間が延びることが想定されている。
だって、8月一杯は新潟だって暑いでしょ。今週から急に13時過ぎからメインまでが涼しくなる訳じゃない。しかもテレビの関係で準メイン、メインが15時台だったけど、騎手は一様に『意味がない』って声を挙げていたからね。
松山はこのせいでシャフリヤールに乗れなくなってしまったのが痛恨。当然本人の責任でもあるんだけれど、もっと番組とか移動手段の状況を見て考えて判断してくれないとなあ……。

松山騎手も甘く見ていたところもあったと思うが、ある意味暑熱対策の問題点をあぶり出したのは間違いないだろう。
【ビッグボスの情報注目馬】
ここが名誉挽回のチャンスと見とるで!

堀江
栗東生まれ栗東育ちの大ベテラン
栗東トレセンのほぼ隣に生まれ、トレセンから流れてくる馬の匂いを日々感じ、目と鼻の先で競走馬と関係者を見て育った大ベテラン記者。予想に魅力を感じ専門紙記者になるも、「サラリーマンとしての記者生活はつまらない。囲み取材では誰も本音を話さない」と独自の取材術を磨き、現在はフリーで栗東を中心に活動中。
長年の経験で得た嗅覚を武器としており、関西事情はこの男に聞いておけば大体分かると言っても過言ではない。周囲からは“ビッグボス”と慕われ、厩舎関係者も管理馬の相談を持ちかけることも日常茶飯事。アナタが普段見ている競走馬のレース選択にもこの男が関わっているかも……?