まいど!通称“栗東のビッグボス”、堀江でございます。
今週は3日間開催明けやね。普段はトレセンの全休日が月曜に設定されているところ、今回は3日間開催の影響で全休日が火曜日へとスライドされとる。
実はこの“一日の変化”ってのは些細な話とちゃうのよ。サラブレッドは繊細な生き物。全休日を一日中馬房の中で過ごすとストレスも溜まっていて、次に馬房の外へ出す時に結構暴れたりするんよね。
この暴れがちな状態で速いスピードを出す行為、つまり追い切りをかけるのは危ない面もある。それだけに、平時は全休明けの火曜に軽い運動をさせて、ガス抜きした翌日の水曜に追い切りをかけるのが一般的なルーティン。
しかし今週の場合、全休日の翌日は水曜や。全休明けのガス抜きしとらん馬ばかりとあって、いつもの水曜と比べると速い時計を出す馬がかなり少なかった。今日は軽めに終始して、木曜日に速い追い切りをやるっちゅう馬が多いんや。競馬新聞の記者さんらも仕事が一日ズレるような感じになって、いつものようにはいかんという感じ。
3日間開催の影響が大きく出るのは翌週の方。これはぜひとも今後も覚えておいてくださいな。
ワシらはいつも通り。今週も【競馬裏チャンネル】からいきましょか!
【今週の競馬裏チャンネル】
本格的な秋競馬に向けて騎手たちの動きに注目!
今日は関西を取り巻くジョッキー界隈の動きをご紹介。
まずは田口貫太騎手。フランスでの海外修業を終えて帰国。最後に騎乗機会2連勝するなど存在感を見せた。
最初は周囲も乗れないの分かっていて、“海外に行ってもなー”という空気感もトレセン界隈にあったのは正直なところ。
ただ、夏競馬ともなると諸先輩方からの遊びの誘いも多かったと聞く。ココだけの話、セレクトセール前日には先輩に呼び出されて大変な目に遭ったという話もあるんだ。
そういった意味でも、日本を離れて競馬だけに向き合う機会ができたのは良かったんじゃないか。しかも真面目な性格なので、最後に日本人オーナーとはいえ乗り馬もあって連勝できた。秋競馬も存在感を示してくれるんじゃないかという期待感があるよね。
すでに帰国直後からたくさんの関係者に声をかけられており、人気者ぶりは健在。さすがに今週末は帰国直後とあって騎乗数はそう多くならない見込みだが、10月に入り3場開催となると、騎乗依頼も一気に増えることだろう。
田口騎手のフランス修行を振り返ると、他にもこんな意外なエピソードがあった。
田中博康調教師が渡仏した際には、一緒に調教にも乗っていたんだ。すぐに騎乗馬に繋がるワケではないけど、タナパク先生は関東でも常に上位に入ってくる厩舎にもなっているし、機会さえあれば馬を頼まれることもあるだろう。
同じく海外修行に出ていた岩田望騎手らとも絆を深まったはずだし、そうしたことを活かせれば、この遠征は大いにプラスになったと言えるんじゃないかな。
続いては今村聖奈騎手をピックアップ。落馬でのケガから順調にリハビリが進み、今週末から復帰予定となっている。同期の角田大河騎手が亡くなるなど、精神的に辛い出来事があった中、トレセン界隈では気丈に振る舞っている。
まずは自厩舎が中心になるだろうね。他の厩舎の馬が回ってきたとしても、質は望めない。そういった意味ではデビュー時のようにコツコツとまた積み上げる必要がある。
やっぱり、今年ここまで4勝という数字は寂しいよね。この復帰後が踏ん張りところだと思うよ。
そして新たな外国人騎手の話題も。A.シュタルケ騎手が久々の来日となった。今回は池江泰寿調教師が身元引受人となる。ただ、現状ではそこまで有力な騎乗馬が集まっているとは言えないようだ。
もちろん世界に誇る騎手なのは確かだと思うよ。ただ、日本にフィットしているかというと厳しいところもある。社台ファーム系は昔から乗せているし、それなりの馬は回ってくるんだろうけど、他のレーン騎手だとかモレイラ騎手というところと比べると、高い馬質を得るのは厳しいかもしれない。
ただ、負担重量が日本でも1キロ増えたことで、53キロの馬はほとんどいないのは大きいんじゃないかな。まずは騎乗数を確保して、存在感を示すところからになると思うよ。
他にも、今月は調教師試験を受けた騎手などがいて、さまざまな動きも見受けられた。その辺りの状況については今後随時発信していくとしよう。
【ビッグボスの情報注目馬】
名前通り“ワンモア”があるで
堀江
栗東生まれ栗東育ちの大ベテラン
栗東トレセンのほぼ隣に生まれ、トレセンから流れてくる馬の匂いを日々感じ、目と鼻の先で競走馬と関係者を見て育った大ベテラン記者。予想に魅力を感じ専門紙記者になるも、「サラリーマンとしての記者生活はつまらない。囲み取材では誰も本音を話さない」と独自の取材術を磨き、現在はフリーで栗東を中心に活動中。
長年の経験で得た嗅覚を武器としており、関西事情はこの男に聞いておけば大体分かると言っても過言ではない。周囲からは“ビッグボス”と慕われ、厩舎関係者も管理馬の相談を持ちかけることも日常茶飯事。アナタが普段見ている競走馬のレース選択にもこの男が関わっているかも……?