
まいど、週末のビッグボスでございます。
ワシの本分は競馬記者ですから、もちろん競馬に絡む話をするべきなんやろうが、今日はちょっと普段とは違う話をしようと思う。
「いや、アンタ普段から与太話しかしとらんやんけ……」というツッコミは受け付けておりませんのでご了承くださいませ。
ロックバンド・the pillows(ピロウズ)が解散した。ふとネットニュースでこの一報を見かけた時に、これは率直に驚きましたで。
足掛け約35年の活動の中、横浜で昨日開催された全国ツアーの最終日公演を最後に、突然の幕引きやってな。
もちろん、本人たちは事前に決めてたんやろうと思う。けれども、外から見たら驚きの一報やわな。“電撃”っちゅう表現がまさに当てはまりそうやね。
「えっ、堀江さんそういう音楽を聴くんですか?」
「今までそんな面を持っていたなんて知りませんでした」
という方もいらっしゃるかもしれない。そら、喋る機会が無かったからな(笑)。
最近の音楽についてはてんでピンと来ないし、それこそ昨年暮れの紅白歌合戦なんか見てても、演歌歌手の大御所の方々やらは分かるし、B'zやTHE ALFEEなんかは「アンタらが紅白に出るんか!?」っちゅう驚きと興奮があったけども、若いアーティストさんはホンマに分からん人たちばっかりやった(苦笑)。
ただ、そんなワシでもロックバンドの音楽をたま~に聴く時があってな。特に若い頃はFMラジオをお供に取材内容を裏で整理したり、車で各地を移動したりと、音楽を身近にしていた頃があったんよ。
今でこそ栗東のヌシみたいな立場やけども、昔は北海道や小倉の滞在も含め、各所飛び回っとったからね。

昔はカーステレオが相棒やった
その頃は当然ながら関西情報社CHECKMATEなんていうサイトはなく、ワシは一般競馬記者として、通り一遍の取材活動をやっておりました。
競馬は変わらず好きなんやけど、変わり映えがしない退屈な日々の中で、また周囲からは“普通の競馬記者”として一緒くたに見られるのにだんだん嫌気が差してきとってなあ……。
今後の身の振り方をどうしようかと思いながら生活しとった頃に、ラジオから流れてきた『ストレンジ カメレオン』っちゅう曲の歌詞が身に染みたんですわ。
“変われる場所を探しに行こうか”
“まわりの色に馴染まない出来損ないのカメレオン”
今聴いても、グッと来る歌詞やねえ……。
その後くらいからかなあ。「自分の取材スタイルをガッツリ変えてやろう!」と思い立って、もっと色々な関係者と深く付き合い、腹を割って喋るようになったのは。
そしたら新たな発見が沢山あり、より競馬にのめり込み、紆余曲折あって今に至るというワケ。……ワシにも歴史があるんです(笑)。
しかし、約35年のキャリアがこんな形で終焉を迎えるとはホンマに驚きました。
それでも彼らが生み出した音楽はこれからも多くの方の記憶に残るし、また様々な場面で聴かれることやろう。彼らをリスペクトするバンドも沢山あるしな。
また、メンバー個々の活動はこれからもあるやろうし、どこかで機会があったらワシも久々に注目してみようかねえ。
なんでこんな話をしたのかというと、競馬界もまた“幕引き”のシーズンやからっちゅうところでございます。先日、赤崎記者の記事にもあったように『引退ヤリ』の話題が多くなってきました。
▼引退ヤリ関連記事①
それこそ、間もなく定年を迎える音無秀孝調教師や河内洋調教師は、騎手見習いとして競馬の世界に足を踏み入れてから実に50年以上も栗東の空気を吸って、最後の最後まで一線級で走り続けているんやから、改めて考えると凄いことよ。
特に音無センセイなんか、引退間際の重賞で管理馬ワンツーなんて、トンデモナイ話でっせ……。しっかり獲らせていただきましたとも!

その一方で、美浦の大江原比呂ちゃんのように、1年足らずで騎手を辞める子も居る。この時期は調教師も騎手も『免許更新』の時期にあたるもんで、彼女はその更新を辞退して免許を返上したんやろう。
ただ、この件についてはthe pillowsの解散とは異なり“電撃”では無かったのが正直なところでな。美浦担当の佐山記者が言うには……。
体質の問題で減量に苦しんだ面もあったし、勝負の世界で生きていく上で“時には相手を蹴落としてでも自分は勝っていくんだ”というような気持ちが持てなかった部分もあったんじゃないか?

とのこと。競馬一家の生まれでもあり、導かれるようにこの世界に飛び込んでみたものの、水に合わん部分も多かったんやろうね。幸いにも彼女はまだまだ若いさかいに「今後の人生に幸あれ」と遠くから願わせてもらいます。
そうそう、ジョッキー関係で言えば他にもこの時期を節目に鞭を置くことを考えているという現役騎手の名前が界隈で聞かれるようにもなってきました。
当人に迷惑がかかったらアカンから誰でも見られるような場所で名前を明かすことはしないけれども、現役最終盤にもうひと花咲かせられる場面があるとエエなとは思うし、そういう勝負ネタが入ってきた時にはしっかり仕留めたいモンですな。皆様もこういった話題がサイト内で紹介された際は特にご注目くださいませ。
……あ、ワシはまだまだ記者を辞めるつもりは1ミリもありまへんで!
昨年辺りから競馬がますます楽しくなってきたと言いますか、良いことも悪いことも含めて勉強せなアカンことが沢山見つかっとるさかいな。たまにアツくなりすぎるクセだけホンマは直したいけども……(苦笑)。

堀江
栗東生まれ栗東育ちの大ベテラン
栗東トレセンのほぼ隣に生まれ、トレセンから流れてくる馬の匂いを日々感じ、目と鼻の先で競走馬と関係者を見て育った大ベテラン記者。予想に魅力を感じ専門紙記者になるも、「サラリーマンとしての記者生活はつまらない。囲み取材では誰も本音を話さない」と独自の取材術を磨き、現在はフリーで栗東を中心に活動中。
長年の経験で得た嗅覚を武器としており、関西事情はこの男に聞いておけば大体分かると言っても過言ではない。周囲からは“ビッグボス”と慕われ、厩舎関係者も管理馬の相談を持ちかけることも日常茶飯事。アナタが普段見ている競走馬のレース選択にもこの男が関わっているかも……?