
どうも、騎手情報担当の加藤です。
今週末はちょっと楽しみにレースがいくつかあって、この件については現状言えないことも多いので週末にご注目いただければと。先週の個人的な推奨馬券を休ませてもらって、じっくりと時間をかけて精査した甲斐はあったよ。
さて、先週はジャパンCの“裏”がメインテーマの1週間だったが、それでもジャパンCは良いレースだった。スマッシュヒットのページでも少し触れたが、カギとなる馬が持てる力を出し切ると、レベルの高いレースになる。ましてや、今年のようなメンバーが揃うとなおさらだよな。
大逃げでターフを沸かせたパンサラッサに関しては、山川記者が毎週頑張っている重賞特集で、レース前日にこういうことを書いてたな。
(矢作/吉田豊)
これは厳しそうな雰囲気だった。元々は来週のチャンピオンズカップに出走予定だったんだが『より逃げを打てるならどちらか』という観点からジャパンカップに予定を切り替えたという経緯がある。勝ち負けじゃなくて、とにかく“ハナを切る”というのが最大の目標なんだよな。
……ここからは俺の個人的推測も入る。パンサラッサはドバイターフにサウジカップという世界的高額賞金のレースを勝っている。そうなってくると“色んな人”が黙っちゃいない。きっとパンサラッサにも様々なオファーが飛んでいるはずだ。広尾レースというクラブ所属馬という点を含めても、そのオファーはかなり嬉しいものだろう。皆そうであることには違いないんだが『競走生活を無事に終える』ということが非常に大事である。つまるところは、ってところ。
この時は関係各所への配慮もあって、やや濁した言い方になっているが、要するに今回がラストランであることは内々では知られていたことだ。実際、レース後に矢作調教師からその背景が明かされ、アロースタッドでの種牡馬入りも発表された。
こういう事情を我々は察知していたからこそ、当日の買い目情報では“消し”扱いではあったんだけど、だからといってその馬を応援しないということではない。最後だからこそ自分らしいレース……ということで、思い切りの良さを見させてもらったよ。
まあ、吉田豊さんからすると「思った以上にハミを取ってしまい、ペースを上げ過ぎてしまった」ということらしいけども(笑)。

パンサラッサ
この馬にとってのベスト距離は1800mの馬だったと思うが、2000m以上でも距離を持たせようとするのではなく、自身の持ち味を生かす競馬に徹したのがこの馬と、吉田豊さんの魅力だった。近年の古馬王道路線を盛り上げてくれた功労者でもあったな。この馬が居るとレースが締まるのは大きかったよ。来年からのGI、またスローペース症候群に陥らないかちょっと心配なくらいだ。
そしてイクイノックスもジャパンCで引退。個人的には有馬記念に出て秋3冠ボーナスを含めた高額賞金を狙ってくる可能性もあるのかなと思っていたが、まあ来年以降に待っている大仕事を考えると、無理はさせられないか。最大目標だったジャパンCを勝てたことだしな。

イクイノックス
この秋2戦は正直、自分の想像を遥かに超える強さと成長力だった。終いの爆発力だけで言えばこの馬に匹敵する存在はそれなりに居るが、一番の違いはルメールをして「ポニーに乗っているかのよう」と表現させるほど、従順なところなんだよな。ジョッキーの意のままに操縦できる強みがある。
だからこそ、天皇賞(秋)にしても、ジャパンCにしても、前が飛ばすような展開の中で好位に付けて、自分で前を捕まえにいけるだけの機動力を見せたワケだ。しかも最後までバテない持久力もあるんだ。ある種、サラブレッドの理想形だと思うよ。叩き台仕上げの天皇賞(秋)でアノ勝ち方をされた時点で、まあお手上げでございました(苦笑)。
とはいえ、このイクイノックスを真後ろでマークして勝負をかけたリバティアイランドと川田将雅も立派だった。これが勝負師の姿よな。

リバティアイランド
もっと控えて着を拾いに行けば2着は安泰だったろうが、ライバルに対して真っ向から戦って、カッコよく2着に負けた。それでも3着スターズオンアーズ以下には差をつけたのだから、来年以降がさらに楽しみになったな。
……そして。
この上記3頭が不在となる有馬記念は、かなりの混戦模様になることがすでに確定的だ。
ジャパンCは戦前から「これは馬券的には注目度の薄いGIになった」と全会一致で言わせてもらったが、有馬記念はちょっと力が入るよな。
山川記者を中心にココからの動向を入念に追って、勝負に値するGIと判断した際は改めてお伝えさせてもらうのでご期待いただきたいところです。
あ、ちなみにチャンピオンズCは枠順含めてかなり面白くなったんじゃないですか? レモンポップを筆頭にココ最近の戦績から人気を集めそうな馬がチラホラいるが、おかげでオレたちが狙っている馬はそこまで人気を集めなさそうだ。色気タップリに狙いたいね。

加藤
関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。
騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。