個性派記者の本音トーク 加藤

【騎乗ミスを語る】レーベンスティール、戸崎圭太の騎乗はぶっちゃけどうだった?

個性派記者の本音トーク 加藤

取材の合間に門別競馬場に行ってきたから送りますね。

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とオレ宛にLINEを送ってきた黒木さんからちょっくら写真を拝借。いや~、オレも地方競馬場巡りがしてえ!

この前は赤崎さんが某馬主関係者から高知競馬場に招待されてたし、遊んでいるワケではないことは承知の上で言わせてもらうけど、羨ましい限りだぜ……。


しかし、黒木さんの移動距離が凄いことになってるな。これが“足で稼ぐ男”の面目躍如か。

皆さんもご存知の通り、北海道って広すぎるじゃん? 関西人の感覚で考えると泣きを見るというか、各所を回るにしても場所ごとの距離がめちゃくちゃ離れていることも多い。

昔、門別で馬を使ったことがある関係者に聞いたことがあるんだけど、確か札幌駅から車で2時間くらいかかるんじゃなかったっけか。今も変わらないのかね。

その上で札幌競馬場に顔を出したり、馬産地界隈での取材もしているようだけど、黒木さんって実は1人じゃなくて、相当な影武者を飼ってるのでは……?(笑)


そんな黒木さんだからこそ馬産地界隈・外厩界隈で入手できたという今週末の勝負ネタについては、オレもコッソリ便乗させてもらうつもり。ぜひご期待のほどを。

外から見続けているからこそ
“騎乗ミス”は当事者よりも分かります

では本題。今日は“騎乗ミス”をテーマに少し喋ってみたい。

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※画像はあくまでイメージです

オレは騎手情報をメインとしている以上、当然ながら各騎手サイドとの付き合いがある。しかし、仲良くさせてもらっている相手だからと言って、騎乗内容のジャッジは手を抜かないようにしている。

こんなの、当然と言えば当然だが、決して簡単なことではない……というのはビジネスの世界でよくあることじゃないだろうか。実際、オレも直接指摘して怒られたことは数知れずだ(苦笑)。


で、これは敢えて言わせてもらうんだけど、昔ならいざ知らず、今は『馬に乗る当事者よりも、日々レースを研究している側の方が馬の個性や本来取るべき作戦を理解している』という場面は実は結構あるんだよ。残念なことに。

“本当かよ”ってツッコミが山ほど来そうだけど、この部分に関してはオレは自信を持って言えるね。

競馬に限らず、今ではスポーツ競技の大半で、『アナリスト』『動作解析の専門家』である立場の人々の見地が重要となっている。実際、福永祐一センセイ(元騎手)だって「このままじゃ成績が頭打ちだな」となった時に頼ったのは、競馬サークルの人間ではなく動作解析の専門家(小野さんという人)だった。それがフォームの改善、そして成績上昇に繋がったんだよな。

※ちなみに、この時の動作解析の専門家、実は福永よりも先に角居勝彦厩舎のスタッフのコーチングをしていたのは知る人ぞ知る話だったりする。やっぱり、結果を伸ばす一流ってのは“外からの見地”を大事にするんだよ。

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角居厩舎×福永祐一と言えば
やっぱりこの馬でしょうね

一方で、理解しなきゃいけない別の要素として“レースでは常に相手の影響を受ける”ということだ。陸上の短距離走なら競技者によってレーンが分かれていて、余程のことがなければ他の選手から不利を受けることはない。けれども、競馬はそうではないからな。

加えて、人間の競技と違って『動物=馬』が主体だ。人がコントロールしきれない部分が存在する。ここまでを前提として覚えておいてもらいたい。

レーベンスティールにとって
致命的な“ミス”とは?

その上で言わせてもらうが、先週末のラジオNIKKEI賞で3着に敗れたレーベンスティールは盛大に“騎乗ミス”だったな。

これまで常に好位追走から、ラストもしっかりと上がりを使う競馬で結果を残してきた馬なのに、戸崎は敢えて中団待機を策を取った。「徹底的に逃げるであろうグラニットが居て、ペースが速くなって差し馬に向くんじゃないか?」という意識があったんだと思う。これは一応、理解できる部分だ。

ところが、フタを開けてみれば全くペースが流れなかった。誤算だったんだろうけど、致命的な判断ミスになったよね……。

その後も、差しに構えた馬の宿命か、小回りの競馬場ならではの事象か……3~4角で進路が確保できず、勝負所でなかなかポジションが上げられない。それでも直線では馬群を縫って猛然と追い込んだが、最後も前が塞がりそうになって強引に外に出した結果、バルサムノート(結果4着)を弾き飛ばしてしまう形になった。これで戸崎は過怠金5万円を取られている。

まあ、最後に不利を与えた事象については「馬に脚がありすぎて思いっ切りぶつかっちゃった」という感じで、戸崎が故意にやったワケではないことは十分に承知しているが、バルサムノート陣営(あるいはバルサムノートから馬券を買っていたファン)からすれば不満ではあるわな。

とはいえ、現代競馬ではあの程度で審議のランプが灯らないのはコッチも理解している(※納得しているかは別の話だが)ので、それはそれとして。


一番痛かったのは、ココまで展開に逆行した騎乗をした上で、3着止まりだったこと。コレで賞金加算に失敗しちゃったんだよな。少なくとも2着に食い込んでいれば、恐らく菊花賞出走はほぼ可能な賞金になるところだったんだよ。

レーベンスティールに関して、実質的に主導権を握っていると言えるノーザンファーム天栄サイドからしてみれば『ラジオNIKKEI賞→菊花賞のローテーションはフィエールマン(2018年)の時のノウハウがある』ワケで、レース前からこの先の予定をほぼ決めていたはず。

それが3着に終わったことで全部狂っちまった。フィエールマンのラジオNIKKEI賞の時は辛うじて2着を確保できていただけに、今回とは天と地ほどの差がある。

今回、まともなら勝っていた可能性はそれなりにあるだろうし、勝利を逃したことも痛いのは間違いないんだけど、それ以上に“3着”という結果が重すぎるのよ。これでレーベンスティールは菊花賞の前に余計にレースを使うことになるか、あるいは菊花賞を諦めて自己条件から出直しということになるだろう。

オレが聞いている限り、この馬はまだまだ体質面に課題が残っている。それだけに、今はレース数を数多く使いたくないみたいだ。だからこそ、今回の結果は“単なるミス”では済まない可能性が高い。馬の将来を大きく左右しかねないレースになっちまった。


というわけで、今回はラジオNIKKEI賞のレーベンスティール(戸崎)の騎乗内容と、結果がもたらす今後の影響について語ってみたが、1日36レース分を振り返っていくと、こういった騎乗ミスは至るところに存在する。

なかなか皆さんから見えづらい部分かもしれないが『明確なミスがあった馬』を覚えておき、次の馬券に繋げるのも大事な仕事なので、情報収集と並行して各レースの分析も怠らずに夏もやっていきたいところだ。

加藤

関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。

騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。

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