個性派記者の本音トーク 加藤

【今年も来日】チャクイウ・ホーは左回りが苦手!?

個性派記者の本音トーク 加藤
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関西騎手は大体トモダチ、加藤です。今日は短期免許で来日する外国人騎手の話題だ。

イキナリだが、香港所属のチャクイウ・ホーが今週から日本競馬に参戦する。自国だと『ヴィンセント・ホー』の登録名なんだけど、JRAでは何故かコッチの登録名なんだよな。ややこしいからヤメてくれよ(笑)。

まあ、個人的愚痴は置いといて、このジョッキーがどういう人物かについて軽く触れておきたい。まだ日本では知名度が低いだろうからね。


所属する香港競馬ではここ数年コンスタントに勝ち星を挙げていて、近年ではゴールデンシックスティという自国のレジェンドホース(16連勝を達成したスーパーマイラー)の主戦を務めていたり、日本馬との関係で言えば2021年4月にクイーンエリザベス2世カップを勝利したラヴズオンリーユーにも騎乗していた。

また、2022-2023シーズンはザカリー・パートンについでのリーディング2位を獲得している。つまり現時点で自国のNo.2だ。


と言っても、ちょっと厳しく言わせてもらうと、この“No.2”は勝ち取ったモノとはまだ言えない。

何故かというと、香港競馬は長年パートンとモレイラの2強状態だったんだが、ケガやら何やらでモレイラが香港を離れた関係で、現状はパートンの1強状態なんだよな。

ホーはその期間、香港の3番手争いでしのぎを削っていたんだが、結果として押し出される形で2番手に浮上した……って感じで、この先どうなるかはまだ分からないんだよ。

現に、パートン(179勝)に対してホー(96勝)と、実に80勝以上の差があるワケで。まあ、騎手としてはまだ若い(現在33歳)し、ココから更に伸びしろはあると思っているが。

ただ、モレイラが抜けた副次的効果で、自国のリーディング順位が上がったため、日本の短期免許を取得しやすくなったのは本人にとって嬉しいことだろう。今後、夏の日本競馬の常連(※香港競馬は夏競馬がお休みなので、日本に参戦しやすいという事情がある)になってくれれば良いと思うけどな。



そんなホーちゃん(と勝手に呼んでいる)だが、個人的に気になってるのは『左回りへの適応力』なんだよな。

香港競馬って右回りの競馬場しかない関係で、本人も左回りにはどうにも乗り慣れていない印象が窺える。実際、昨年もこの時期に新潟開催から参戦して、1週目・2週目と連続で制裁を受けていたんだよ。その辺が心配ではある。

数字で見ても、昨年の来日時は右回りの勝率が7.1%に対して、左回りの勝利が5.3%と少々、見劣った。今週の中京最終週や、来週~再来週と参戦するであろう新潟はどちらも左回り。その騎乗内容はよく見ておきたい。

また、この前のルメールの時みたいに『53キロ以下は乗れない』という制約もあって、今のままでは日本での騎乗数はそこまで大きく伸びないだろう。

内部で出回る今週の出走予定馬リストを見る限り、今週は土曜日3鞍・日曜日3鞍とあまり数は揃っていないからな。ココからどれだけ増えるか……。


と、懸念材料ばかり喋ってしまったが、本人の人柄は非常に好みで、自国でも下積み時代が長かった苦労人であることもよく知っている。応援はしてるけど、馬券はあくまで別……というスタンスで付き合うつもりだ。

そんな中でも、ホーちゃん絡みの勝負馬が出てきた際には当欄で推奨することもあるだろうから、その際はより一層注目して見てもらいたいね。

加藤

関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。

騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。

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