個性派記者の本音トーク 加藤

【騎手がいない】奪い合いが白熱する11月1週目に注目してくれ!【だから面白い】

個性派記者の本音トーク 加藤
※追記
この記事を書き上げて公開してもらったその矢先に、美浦の若手騎手・山田敬士が騎手免許を返上して引退という一報が入ってきた。

引退に至った理由はまだ直接話を聞けていないから断言はできないけど、9月上旬までレースで騎乗していたのに、その後に大怪我を負って休んでたんだよね。2週間くらい前に「神経と腱を損傷してしまい、手の痺れが残っている」って言ってて心配だったんだよな。その時は「時間がかかっても復帰したい」ってことだったんだけど……。

本人的には“ダート長距離戦での周回間違い”が一番話題になるような感じで、良いことばかりの騎手人生ではなかったかもしれないが、まだまだ若いからな。まずは無事に身体を治してほしいよ。ひとまず、お疲れ様でした。
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どうも、関西騎手は大体トモダチ!加藤です。

今日はその“トモダチ”たちが一斉に忙しくなる来週・11月1週目の話題だ。

どうでもいいが、タイトルの『騎手がいない』って書き出しで、ZARDの名曲『君がいない』を連想したのは……多分オレだけだろうな。うわ、年代がバレそう(笑)。


そんな与太話はさておき、今週末の天皇賞(秋)も大いに楽しみなんだが、実は来週がめちゃくちゃ忙しいんだよ。下記のレースリストを見てくれ。

来週の主な大レース
11月3日(金)
JBCシリーズ(大井・門別)

11月4日(土)~5日(日) ※日本時間
ブリーダーズC(アメリカ)

11月4日(土)
ザ・ゴールデンイーグル(オーストラリア)

11月7日(火)
メルボルンカップ(オーストラリア)

これにJRAでは東京・京都・福島の3場開催になるんだけど、上記の通り地方・海外に大レースが数多く存在していることから必然的に注目度が下がっている。いわゆる“盲点”ってヤツだ。

んでJBCに関しては、先週末の記事でも少しお伝えしたように、直前になって大井競馬場の砂が全面的に入れ替えられるというビッグニュースがあってだな。産地から砂の厚さからまるで違うのよ。

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これが旧:大井の砂

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それが新しく白砂になる
(写真は既に導入済みの門別)

正直、「オイオイ、前哨戦やった後にそれってアリかよ?」って思っちゃったっけど、これは前々から決まってたっぽいのでやむなし。いずれにせよ入念な研究と情報収集が必要になりそうだ。


続いて国外に目を向けると、今年はブリーダーズCシリーズに出走を予定している日本馬が多く、それに併せて遠征する騎手が多い。川田ルメール戸崎池添三浦が日本を留守にする見込み。その関係でこれらの騎手はJBCにも騎乗していないし、週末の中央開催は言うまでもないだろう。

さらに、ザ・ゴールデンイーグルに出走するオオバンブルマイには武豊さんが騎乗。この人だけはJBCに騎乗してからオーストラリアに飛ぶなかなかのハードスケジュールだ。


こういう事情もあり、11月1週目のJRAはかなりの有力騎手が不在となる。けれども開催は福島を含めて3場だ。出走したい陣営は沢山いる。

そうなると……必然的に、日本に残っている上位騎手は“奪い合い”になるというワケだ。

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※複数陣営による奪い合い
画像はイメージです!

日本に残っている騎手……特にリーディング上位のジョッキーからすると『待っていれば良い馬が回ってくる可能性が上がるから、できるだけ各陣営からの依頼を吟味したい』という風になる。中には先約で依頼を受けていた馬を体よく断って、後から回ってきた有力馬に騎乗するというケースも当然、あるだろう。これはエージェントの“腕”の見せ所だね(笑)。

逆に、既に頼もうと思っていた騎手サイドに軒並み断られた陣営としては辛いよな。ちょうど、この記事を書いているのがプロ野球のドラフト前なんだけど、有力候補が少ないのに指名抽選で負けたり、事前にお断りをかけられたら悲しいもんな。そうなると「これじゃ勝負をかけづらい」というケースも出るだろう。

また、特殊なパターンとしては『普段なら回ってこないような馬の依頼をもらう』という中堅・若手ジョッキーよね。その理由は「調教をよく手伝ってくれているから」というポジティブなものから、「たまたま空いている中で比較すれば上位だから」という消去法的なものまで様々。

ただ、オレとしてはこういうジョッキーに頑張ってほしいし、それと同時に「研究不足とバレるようなしょっぱい騎乗だけは見せるなよ」と声をかけたくなるね。


というワケで、色々と書いたけど、ややこしい事情が多い週の方が『面白いネタ』とか『強烈な勝負話』が揃いやすいので、天皇賞(秋)の翌週が実はメチャクチャ楽しみってことは覚えておいてほしい。



それから、これは騎手ネタを普段扱ってるからこそ思うことなんだけど……。

大レースの場合はちょっと例外として、基本的に騎手の起用に関する内部事情は漏れづらいんだよね。というか、スポーツ紙や専門紙に載っているのはあくまで『騎乗する騎手』の名前だけで、その経緯についてはほとんど書かれないじゃん? これ、めちゃくちゃ大事なんだけどな。

ただ、内部情報を持っていない皆さまでも、色々と推理して考えることはできる。それも競馬の楽しみ方のひとつだ。その推理が間違っていたとしても、考える過程が面白ければそれは良いことじゃないか……とオレは思うのよ。

もちろん、オレたちは推理だけじゃ許されない立場だし、必死こいて裏付けを揃えるのを使命としているから話は別だけど、このコラムを読んでくださっている皆さまには、ぜひとも“騎手の乗り替わり・起用”のひとつひとつにより一層注目してみてもらいたいなと思っているよ。そこんトコ、よろしくな!

加藤

関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。

騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。

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