
こんにちは、騎手情報担当の加藤です。今日は騎手の引退に関する話を少々。
世の中的には有馬記念一色なんだろうが、今週末は中山大障害もあるし、他にも年末年始を跨いで楽しみな勝負情報が多い。
別に”有馬記念が面白くない”なんてことは全くもって無いのでそこは誤解してほしくないが、あらゆるレースにおいて見所があると思っておいてほしい。
さて、中山大障害といえば、このレースを最後に引退することが発表されたジョッキーが居るな。平沢健治だ。
この件は前々から個人的に聞いていて、“近々引退発表がある”と以前記事で書いていたのは彼のことだった。
元々は美浦所属のジョッキーだったけど、2013年から栗東に拠点を移し、そこから障害ジョッキーとしてコンスタントにリーディング争いに絡むようになった。彼もまた『西高東低』の競馬サークルにおいて、栗東に移籍したことで花開いた格好だ。
ただ、障害ジョッキー勢は平地以上に危険を伴っていることは皆様もお察しいただけるだろう。
特に、長年乗っている面々は度重なるケガで満身創痍だ。つい先日も熊沢重文さんが引退したように、今後もベテラン勢は続々と抜けていくことになるんじゃないかと個人的には思っている。
最近になって障害で乗り始めた鷲頭虎太だったり、先週障害で初勝利を挙げた水沼元輝だったり、若手が今後も増え続ければ良いんだけど、このままだと障害界はますます縮小することになるかもしれんな。
個人的に障害レースは好きで、皆が思っている以上に馬券を獲りやすいので縮小してほしくないんだが……。


今年9/16阪神ジャンプS(G3)
ホッコーメヴィウス(左)に
平沢健治が騎乗
このレースも獲らせてもらった
(シルバーランク以上の方限定)
[9月16日(土)阪神8R]
阪神ジャンプS(J・G3)
◎ジューンベロシティ
▲ホッコーメヴィウス
★ネビーイーム
3連単:1万1760円的中
3連複:2760円的中
馬連2点目:1620円的中
こんな感じで、平沢の引退については前から聞いていたんだが、正直に言って松田大作の引退は驚いた。青天の霹靂ってヤツだな。
確かに、今年は騎乗数をかなり減らしていて、高身長(168cm)ゆえの減量苦は昔からずっとあったけども、こんな形でターフを去ることになるとはねえ。助手に転身することもなく、今のところはトレセンから身を引くようだな。
本人曰く「メンタルを維持できなくなった」とのことらしいが……この部分についてはぶっちゃけ色々とあるよ(苦笑)。良くも悪くもね。
現場で彼を慕っていた人間は少なくないし、同年代のミルコ(デムーロ)なんか若い頃からずっと仲良さそうだったもんな。ミルコを頼ってイタリア修行に出たこともあったしな。昔は年上の人間から可愛がられていたところもあった。
一方で、“メンタルを維持できなくなった”その環境を作っちまったのは彼自身でもあると思ってしまうんだよな。
競馬サークルから退く人間に対してあまり辛辣なことは言いたくないが、2017年に起こしちまった免停中の無免許運転・速度超過を受けての騎乗停止(半年間)は、その後の現役生活に暗い影を落としたと言わざるを得ない。ましてや、かつて娘さんを交通事故で亡くした身なのにな……。
その後はプライベートでも色々あったし、そのおかげで現役晩年は某馬主サイドからの依頼をよく受けるようになったが、逆に離れていった人間も少なくなかったことは容易に推察できる。
ココ最近、自分だけじゃなくて色々な場面でオレたちが喋っているように、競馬で走るのは馬だが、走らせるのは“人”だ。その人同士の関係で行き詰まる部分があると、どうしたって上手く回らなくなってくる。そこで救いの手を差し伸べる人も時には居るが、そこで結果を残せないと、立場は厳しくなっていくよね。
こんな感じで、年末に差し掛かって人との別れに関する話がさらに増えてきた。来年春が本格的な引退シーズンではあるんだけど、最近は自らのタイミングで一区切り付けるケースも目立つよね。
実はこの後にも、年内で色々と発表されることがありそうな空気なんだけど、それは実際の報道が出るまで待っておきましょう。張本人に迷惑をかけてもいけないからね。
人の事情は千差万別。必要以上に深入りする必要はないが、競馬に直結しうる場面も多々ある。この場で書くのが憚られるようなことも多い。その中から取捨選択をしながら、馬券に直結しうる内部情報を皆様に発信していく所存。年末年始を跨いで“人”の話にはより一層ご注目いただきたい。
※ここから先、有料会員様限定でもう少し踏み込んだ話をしますわ。

加藤
関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。
騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。