個性派記者の本音トーク 加藤

【外国人格付けチェック】“絶対アカン”は果たして居るのか……!?1週目時点でどう見た

個性派記者の本音トーク 加藤
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どうも、今日は超・真面目な騎手ネタです。加藤でございます。

早くも2024年の競馬は3日が終わった。開幕週は天気や風の向きによってコロコロと傾向が変わったので、各ジョッキーもその対応に苦心していたようだ。初日の馬場を見て前有利に張ったら、次の日は傾向がガラリ一変というのは、騎手サイドからしたらなかなか厄介なもの。

そんな中、1週目でリーディング上位に食い込んだのは川田(5勝)、岩田望横山武坂井瑠ルメール(4勝)という代わり映えのしないメンツだ。安定してるよなー。

一方、開催前に色々と採り上げた短期免許での外国人ジョッキー達は明暗が大きく分かれた。中には明らかに日本競馬に対応できてないというヤツも居たな。

ということで、今日は少々マニアックな視点で、先週から参戦している5名の外国人ジョッキーを独自にジャッジしてみよう。

なるべく分かりやすいように、今回はA~Dランクで評価させてもらった。1週目の乗り方で見えてきた特徴や裏話なんかもあるので、ぜひチェックしてもらいたい。

流石に、本家の格付けチェックみたいに『絶対アカン』とかはコンプライアンス的にド直球には言えないのでその辺はご了承を(苦笑)。内容でお察しください。

外国人ジョッキー5名
格付けチェックの結果は……?

レイチェル・キング(オーストラリア)
評価:

総合(2-1-2-7)
芝(2-1-2-2)
ダ(0-0-0-5)
平均人気7.6/平均着順7.0

昨年夏のWASJの時点で良い騎手だと感じていたが、改めて高く評価したいね。ようやっとります。

キングが普段乗っているオーストラリア競馬は、基本的に“2列で巡航しなければいけない”のが慣例になっていて、外3列目になると調教師が激怒するという話が確かあったはず。

要するに、ロスの有無に対しての意識が高い騎手が多いんだよね。日本でも先行大好きおじさんだったクレイグ・ウィリアムズとかその典型。

そういう部分が日本に来て生きやすいのが『位置取りの意識』で、実際に初日(1/6中山10R)のキャプテンシーなんかは位置取りの勝利。

特に、キングが拠点とする関東圏の競馬は位置取りに対する意識が弱く、自分から動いて行く横山武史が強い世界。こういうところにオーストラリアの追えるジョッキーはマッチする。現状は身元引受の堀厩舎メインで騎乗しているが、今後は関西からの依頼も増えるんじゃないかな。

オレリアン・ルメートル(フランス)
評価:

総合(2-2-1-19)
芝(2-0-0-7)
ダ(0-2-1-12)
平均人気7.6/平均着順8.5

先週の記事で書いたように、日本でお馴染みクリスチャン・デムーロがイチオシのジョッキー。3日間での騎乗数も多く、ノーザンFの馬も多数回ってきていた。

その数の割には2勝止まりに終わったが、初日の京都芝は異常な偏りがあったので、結果が出なかったのは仕方ないところ。2日目以降は騎手が対応したというよりも、風やダメージで馬場の方がルメートルに寄ってきたのが好結果に繋がった。

その分でBランクという扱いにしたけど、基本的にやっちゃいけないことをやるタイプのジョッキーでは無いと思うので、そこは評価している。 例えば、2着に負けたけど、ルディック(1/7京都3R)は砂を被って進みが悪くなったところをしっかり修正した。

クセのない競馬場ならもうちょい活躍するだろうが、それは馬質も伴っているところがある。現状はまだ過剰には評価できない面もあるので今週からが試金石だ。

レネ・ピーヒュレク(ドイツ)
評価:

総合(0-3-0-17)
芝(0-2-0-8)
ダ(0-1-0-9)
平均人気7.6/平均着順8.6

このジョッキーのレースをいくつか見て気づいたんだけど、どうやら右ムチ1本しか使えない感じがある。左でも持てるけど、どっちかで持てと言われたら右1本になるタイプ。それだけで“どうなの”って話ではあるんだよな。

事実、初日(1/6中山7R)から直線で馬を追い出す時に外に張る馬を抑えきれずに過怠金5万円也。左ムチが入れられないと、こういう馬のコントロールは難しいだろう。少なくとも右回りコースではかなり致命的な弱点な気がしないでもない。ドイツ競馬は右回りなんだが、これでどう活躍してるんだろ……?

それでもパワー(腕っぷし)でどうにかしようとはしているが、積極的には手を出しづらい現状と言わざるを得ないな。

リチャード・キングスコート(英国)
評価:

総合(0-1-2-12)
芝(0-0-2-5)
ダ(0-1-0-7)
平均人気6.3/平均着順7.1

正直、1週目だけを見るとかなり怪しい。馬質も良くないかもしれないが、とにかく位置取りが弱い。15鞍に騎乗して、4コーナーで5番手以内だったレースが4鞍しかないんだよね。今の中山で一番ダメなやつだ。

ただ、周辺に聞いたところやる気はめっちゃあるらしいんだよね。現状は最低レベルの評価ではあるんだけど、本人が熱心に日本競馬を勉強してきそうだし、1ヶ月後には評価がガラリ変わってくる可能性は一応ある。

ルーク・モリス(英国)
評価:

総合(0-0-2-8)
芝(0-0-1-5)
ダ(0-0-1-3)
平均人気6.9/平均着順9.5

う~ん、昨年暮れから思っていたが厳しいねえ。

当初は意気揚々と「イギリスの乗り方をお見せします」と言っていたんだけど、その乗り方の一つである“肩を上げたステッキの使い方”が日本だと制裁対象になるんだよ。それもあって昨年の時点で2回、裁決から制裁を受けている。ヨーロッパの騎手がムチで制裁もらってどうするのという話。

あと、年明けから日本での担当エージェントが変わったことで、営業力が結構弱くなった気がするんだよな。身元引受の友道厩舎も何とか馬を用意しようとしている雰囲気は伝わるんだが、流石にトップクラスの馬までは回せないからね。

強いて浮上の材料を挙げるなら、今週から始まる小倉開催だな。コッチを拠点にするようならそれなりに馬は集まりそうだし、結果を出していけば重宝される目も出てくるだろう。


以上、1週目の結果とレースVTRを何度も振り返った上での現状ジャッジだ。かなり辛口に喋った部分はあるが、5名ともに地元でトップを張るだけのジョッキーであることは間違いないし、何よりもまだまだ日本での騎乗経験が浅い。今週からアジャストしてくるケースもあるだろう。

評価を大きく改める際には再度ジャッジをしたいと思うので、参考にしていただければ幸いだ。

加藤

関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。

騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。

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