個性派記者の本音トーク 加藤

【藤井チャレンジに幸あれ】騎手は大事故と常に隣り合わせ……

個性派記者の本音トーク 加藤
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どうも、今日はしんみりムードの加藤です。

先週は土曜日に公開したオレの推奨馬券(2/10小倉11R)がソコソコの結果に。いや~、2・3着が最後変わっちまったのが結構痛くて、3連単まで仕留めたかったのが本音だ。

個性派記者の本音トーク・加藤

[2月10日(土)小倉11R]
◎ドゥラレジリエント
△ミヤジシャルマン(8番人気)
△ヴィンテージボンド(6番人気)

馬 連:2030円的中
3連複:1万4150円的中

それでも、的中報告をお送りいただいた会員様、誠にありがとうございました。いよいよ今週から馬券がさらに面白くなるシーズンだ、ますます頑張るぞ!


さて、競馬界において2月は別れの時期ではあるが、それにしても今年は引退報道が例年以上に多い。先週は、当欄でも色々触れた、川島信二騎手の引退⇒助手転身が公になった。

そして今週は藤井勘一郎騎手北沢伸也騎手の引退が発表された。この2名はどちらもレース中の事故による後遺症が響いたものだ。

ここでは藤井勘一郎……敢えて親しみを込めて『フジカン』と呼ばれせてもらうが、彼について採り上げたい。脊髄損傷を負った落馬事故からもうすぐ2年が経つんだな。

トレセンにはちょくちょく顔を出していたし、大レースには競馬場に臨場していることもあって、ケガの後遺症以外は元気……という感じではあったんだけど、ぶっちゃけ復帰が厳しいのは周囲の誰もが分かっていたと思う。下半身の感覚が戻らないんだから。

それでも、本人は微塵も諦めるような姿勢は見せなかったし、だからこそ大勢に慕われていた。その心中がどうだったのかは推察するしかないが、表向きには本当に“強い人”という印象だった。すでに別分野の仕事も始めていると聞いて驚いた部分もある。バイタリティーが凄いよ。

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ジャパンC当日も
車いすで東京競馬場に臨場
(ビッグボス堀江記者が撮影)

個人的には、中央に移籍する前のフジカンの方の思い出が多くてさ。

体重の問題で競馬学校の騎手課程を受験できず、15歳でオーストラリアに渡った超・苦労人。そこから世界各地を飛び回り、着実に実績を積み重ねていった。

それで日本の競馬関係者の目に留まるようになって、門別で短期免許を取得したり、韓国重賞で日本馬に騎乗したりと、活躍の場を広げていったんだよね。

そんなフジカンでも、JRAの騎手免許試験に通るのに6度も費やしたんだから「それはルールに欠陥があるんじゃないの?」と思うところもあるが(苦笑)、栗東初の逆輸入ジョッキーとして道を切り拓いてくれたのは大きい。

正直、中央に移籍してからは突出した成績を残す前に大ケガとなってしまったが、それでも本人が『悔いのない引退』と言えるのは凄いことだと思う。心から尊敬するジョッキーの一人だ。


それにしても、こういう時に改めて思い知らされるのは『騎手は大事故と常に隣り合わせ』ということだ。

オレは立場上、ジョッキーのミス騎乗・研究不足に関してはキッチリと指摘させてもらってるし、実際にそれで現場からはありがたいと言われることもあるんだけど、けれども命懸けで乗っている彼らへのリスペクトは忘れちゃいけない。別れのシーズンになると、特にそれを思わずにはいられなくなる。

今日は個人的な思い出話に終始しちゃって、あんまり週末の馬券ネタとかに繋がらない内容になっちまって申し訳ないが、ぜひとも読者の皆様には、藤井勘一郎という唯一無二の歩みを見せてくれた存在を忘れないでいてほしい。

そして、後輩ジョッキー達には、本人が常々口にしていた『藤井チャレンジ』の精神が受け継がれていくことを願うばかりだ。新たな道で、どうかフジカンに幸多からんことを。

加藤

関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。

騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。

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