個性派記者の本音トーク 加藤

【ダート三冠】ブルーサン、重賞を勝ったのに京浜盃には出られない?

個性派記者の本音トーク 加藤
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ども、今日はちょっと地方競馬の話題。といっても中央競馬にすごく関係の深い問題なんですわ。

今年から『ダート三冠』っていう3歳の新路線が整備された。三冠ってのは羽田盃→東京ダービー→ジャパンダートクラシック(旧ジャパンダートダービー)のこと。これらは全て大井競馬場で交流G1として行われる。

で、今はその三冠に向けたトライアル競走が各地で開催されているんだよね。1月は船橋でブルーバードカップ。そして2月は大井で雲取賞てレースが行われました。地方競馬も見ている方は、雲取賞なんかは記憶に新しいところでしょう。


その雲取賞を勝ったのがブルーサン(牡3・川村厩舎)っていう馬なんだよね。ハナを取るとそのまま押し切って、一冠目の羽田盃への優先出走権を手にした。

ただ、その羽田盃って4/24(水)なんだよな。まだ本番まで2ヶ月ほどの期間がある。そしてブルーサンを管理している川村厩舎って、普段の調教よりもレースを複数回使って状態を上げていくタイプの厩舎。

ということで、この週中の報道で『ブルーサンは京浜盃(3/20)へ』という次走報が出たんだが……

残念だけどブルーサンは京浜盃には使えないだろうね。


まだダート三冠路線に関しては感覚的にわからないところもあると思うんで、一旦この一連の動きを『3歳牡馬芝クラシック戦線』に例えてみよう。

ブルーサンが勝った雲取賞は2月のG3。芝クラシックで言うと、共同通信杯みたいな立ち位置だね。

ここを勝ったから[羽田盃=芝で言えば皐月賞]に直行することが可能な立場になったが、川村厩舎はレースを使い込みたい。なので、3月中旬の[京浜盃=芝で言えばスプリングS]に行こうか、という動きになった。ちょっとはわかりやすくなったかな。

しかし!

ダート三冠路線って複雑なルールがあるんだよ。京浜盃の出走優先順で最も上位なのが『雲取賞未出走馬の収得賞金順』というもの。つまり、ブルーサンは雲取賞に出走しているので、これに該当しないんだわ。

■京浜盃・出走馬決定順

1.雲取賞未出走馬の収得賞金順(500万円超)

2.雲取賞出走馬のの収得賞金順(500万円超)

3.雲取賞未出走馬の収得賞金順(500万円以下)

4.雲取賞出走馬のの収得賞金順(500万円以下)

ひとまず一冠目の羽田盃に関しては『雲取賞or京浜盃のどっちかで優先出走権を獲らないとダメだよ!』というのが現状のルール。厩舎サイドがそれを把握し切れていないところがあって、次走京浜盃というコメントが出たみたい。

改めて川村厩舎の関係者とも話をしてみたんだけど「ウチの厩舎はこういう大舞台に慣れていないから(笑)。とりあえず、どこかをひと叩きして羽田盃へ行こうって話になってるよ」とのこと。ブルーサンは本番の羽田盃に関しては優先出走権を持っているので、どんなレースを使おうとも確実に出走できる立場だしね。


現場では、このブルーサン事件で初めてルールを知った人も居たぐらい。これ、結構競馬界あるあるなんだよね。特別なルールとかは実例が発生してから周知されるってパターンね。こういうことがないように、我々もしっかり勉強が必要ですな。

加藤

関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。

騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。

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