個性派記者の本音トーク 加藤

追悼・藤岡康太騎手のこと

個性派記者の本音トーク 加藤
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騎手情報担当の加藤です。

すでに一般報道で目にされた方も多いと思うが、先週土曜日の落馬事故により意識不明の状態が続いていた藤岡康太騎手が、関係者・ファンの願い届かず、亡くなったという知らせが入った。

昨日の夜7時49分とのことだから、自分から現状に関する話や現場の状況などに触れた記事を書いた直後か。こんなに早く、悲しいニュースを聞くことになろうとは……。

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ピンクのストッキングと言えば
康太のトレードマークだった

今日・木曜日も、トレセン界隈のスケジュールは普段と変わらずではあるんだが、栗東界隈は深い悲しみに包まれていた。特に康太に近い存在の兄(藤岡佑介騎手)や、お父さん(藤岡健一調教師)、その他ご家族の心中は察するに余りある。


そんな当事者に近い面々に比べると、我々情報網の存在なんてちっぽけではあるんだが、それでも長年彼の活躍を近い位置で見てきた立場として、さすがにこのニュースは辛いものがある。栗東全体として、大きな仲間を一人失ってしまったという気持ちだ。

特にデビュー当初から彼のことを知っているビッグボス・堀江記者なんかは、自分から見てもショックの大きさがありありと伝わってきたよ。現場で顔を合わせた時に、憔悴した様子だったな……。「CHECKMATEが間もなく創業から18周年、康太も今年がデビュー18年目で、ほぼ同期みたいな存在だから思い入れも深かったんよ」なんて言ってたっけ。


自分は早朝の情報収集がひと段落してからも、亡くなったというショックの反面その実感があまりなくて、こうやって文章を書く傍らで彼の印象的なレースVTRを流し続けている。

若くして一発大穴を演出したジョーカプチーノのNHKマイルCだったり、最近で言えばムーアの代打騎乗となったナミュールでのマイルCSなんて鮮やかだったな。……お恥ずかしながら別の馬から勝負をした立場として、あの完璧騎乗には参ったものだ。

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ナミュールの代打騎乗でV
本人としても、乗り替わり発表で
人気が下がったのは悔しかっただろう

性格面でも本当に良いヤツで、誰に対しても分け隔てなく、それでいて明るく接してくれるナイスガイだった。あと、昔からももいろクローバーが好きだったようで、ももクロの派手なジャケットを常に着ているから、遠くからでもどこで乗っているのかがすぐ分かったもんだ。

今年は年明けから調子が良くて、的中馬券にも度々貢献してくれていた。まだ35歳、騎手としてはこれからがピークだったはずだ……。

この前や昨日も書いたように、最近では高知競馬で塚本雄大騎手が落馬事故により亡くなったばかりでもあった。改めて、ジョッキーという職業は特に命懸けであることが分かるが、何もこんな形で示してくれなくてもいいじゃないか……。そう思わずにはいられないよ。




そんな中でも、週末の開催はすぐに訪れようとしている。時間は待ってくれないものだ。

この件は、競馬ファンである皆様にとっても悲しいニュースだと思う。そんな中でも、皆様には今週以降も明るく競馬を楽しんでいただくことこそが、騎手だった藤岡康太への供養になると、個人的には信じてやまない。


そんな皆様に今週以降も競馬を、馬券をお楽しみいただけるよう、我々は持ち場で頑張らせていただく所存。それが一番の使命であることに変わりはない。

皐月賞ウィークの開催を2日後に控えており、今週末は当然として、来週以降にも馬券的に非常に楽しみな話は沢山入ってきている。

もちろん、現場取材・情報収集は我々の重大な責務である。今日も早朝から、こんな状況下でも現場関係者・ジョッキーサイドからは色々な話を聞かせてもらった。それについても感謝しかないよな。

しっかりと、すぐに切り替えて勝負モードで週末を迎えるつもり。ただ、その前に今この瞬間だけは喪に服させてほしい……という、会員の皆様にとってはわがままな時間をどうかお許しいただればと思います。


改めて、関西情報社CHECKMATE一同、藤岡康太騎手に謹んで哀悼の意を表します。これまで本当にありがとうございました。

加藤

関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。

騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。

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