個性派記者の本音トーク 加藤

どうか、輝いている騎手の姿を見てください(日曜の買い目はページ下部にて)

個性派記者の本音トーク 加藤

週中から何度も藤岡康太に関する記事を書いてきたけど、正直なところオレも「なかなか切り替えられないな……」というのが本音だった。

決して優劣をつけるわけじゃないんだけど、現場の関係者も「どうして康太なんだよ」って言ってる人ばかり。それだけ本当にイイヤツで、堀江さんも言っていた通りアイツの悪口は聞いたことがなかったんだ。

中山では1Rを勝った松岡も天を見上げていたり、福島では7Rを勝ったルーキーの高杉が「康太さんがずっと乗っていた馬なんで……」と、声を出して泣きながらファンサービスを続けていたり。

それこそジョッキーカメラが公開された中山グランドジャンプなんて、イロゴトシ黒岩が直線で「康太、勝ったぞ!」って叫びながら追っていた。みんなアイツのことを思いながら競馬に臨んでいたんだよな。

JRA公式・イロゴトシのジョッキーカメラ
最後の直線で涙が止まらなかったよ

そして何よりオレが足を運んだ阪神では、康太のアニキである佑介が凛とした振る舞いを見せていた。共に切磋琢磨していた弟を亡くすなんて誰よりもツライはずなのに、佑介はとにかく前を向いていたんだ。

佑介が言っていたのは「これで競馬を楽しめなくなったら、それは康太の本意じゃないでしょ。変わらず楽しんでください」ってこと。

さっきも言ったように、康太って本当にイイヤツだったからさ。ちょっと大げさな言い方だけど、これで競馬が廃れるような流れになってしまったら「俺のせいでゴメン!」って思っちゃいそうなんだよ。

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競馬はまだまだ続いて行く。

佑介は「騎手として輝いていた康太を忘れないで」とも言っていた。

そう、騎手って輝いているんだよ。今はどうしても康太のことばかり思ってしまうけど、こうして今週も悲痛な思いを抱えながら騎手は競馬に乗っている。輝いているんだ。

時には関係者もご立腹みたいな乗り方をしちゃう時もあるかもしれないけど、逆に秀逸なファインプレーだってたくさんあるぞ。そういう“輝き”をちゃんと伝えて行くというのも、競馬に携わる者として必要なのかもしれないな、と思ったよ。

オレも前を向かないとね。騎手情報班だからこそお伝えできる騎手の素晴らしさを、もっともっと皆に共有できるように、ちょっと色々と考えてみるよ。


さあ、皐月賞デーだ!そして来週からは楽しみな京都・東京の開幕も控えている。今日も、来週も、その先も。命をかけてレースに臨む人馬をしっかり応援しながら、康太が愛した競馬をこれからも楽しみ続けて行くぞ。

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加藤

関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。

騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。

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