個性派記者の本音トーク 加藤

【スプリンターズS】レーン、モレイラ、ティータン……それぞれの本気度と思惑は?

個性派記者の本音トーク 加藤
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ども、今日は外国人ジョッキーネタだ! 騎手情報担当の加藤です。

今週末のスプリンターズS(GI)には計5名の外国人騎手が参戦する。騎乗馬は下記の通り。

ヴェントヴォーチェ(ルメール)

エイシンスポッター(シュタルケ)

サトノレーヴ(レーン)

ビクターザウィナー(モレイラ)

ムゲン(ティータン)

この中で、このスプリンターズSのために来日しているのが、ダミアン・レーンジョアン・モレイラカリス・ティータンの3名。皆、日本での騎乗経験も豊富だ。そして奇しくも、先月のワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)にも参戦していたな。

そういうジョッキーの場合、GIのための来日とはいえ、それ以外の番組で騎乗依頼を受けることもしばしばある。いわゆる『エキストラ騎乗』というヤツだな。今回の場合、レーンは短期免許での来日扱いだから実質的はちょっと異なるけども。

では、この3名はGI以外でどれくらいの騎乗依頼が集まったのか。これがなかなか興味深い状況になった。

今週末の騎乗数チェック
騎乗数に大幅な違いアリ!
レーン 1鞍(スプリンターズSのみ)

モレイラ 14鞍(土曜8鞍/日曜6鞍)

ティータン 10鞍(土曜5鞍/日曜5鞍)

おうおう、すっごく差が生まれておりますな。事前からある程度は分かっていたけども。

ということ、“一体、何がこういう状況を生み出したのか、そしてどこがポイントとなるのか”を見て行こう。


上記した順番とは逆になるが、先にティータンから触れていくと、個人的には「思った以上に馬が集まったな」と感心した。

先月のWASJの時は3場開催だったし、ある程度は騎乗機会があるだろうと思っていたんだが、そこで結果的に2勝を挙げたのは大きかったんだろうな。今回は2場開催で騎手が揃っている中でも、各方面から声がかかっていた。

本人としても、そのWASJで5位以内に入ったことで来年以降の短期免許を取得できるようになったからには、今回も日本の関係者に腕をアピールしたいところだろう。

もちろんスプリンターズSで騎乗するムゲンも無視はできない馬だと思う。自国・香港で主戦を務めていて、特徴はしっかり手の内に入っているはずだ。

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カリス・ティータン

続いてはモレイラ。流石の人気者といった騎乗馬ラインナップになった。

中でも注目は美浦・堀宣行厩舎とのコンビ。堀厩舎が今週中山で使う8頭のうち、6頭がモレイラ騎乗となっている。

となると、逆に乗らない馬が気になるところだが、1鞍は言うまでもなくスプリンターズSのサトノレーヴだから当然として、もう1鞍は土曜中山12Rのサトノガレオンなんだよな。後者も別に悪い馬じゃないんだが。

それよりも、モレイラ自身が乗るニットウバジルの方が期待できるってことなのかもね。ココは押さえておきたいところ。

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ジョアン・モレイラ

さて、ティータン同様にモレイラもWASJで来年以降の短期免許を取得する権利を得たわけで、今回は良い意味で気楽に乗れるだろうな……と思いきや、実はひとつだけ問題がある。

それは、今年のモレイラの制裁点が現状【18点】であるということだ。これが20点以上になると、来年取得できる短期免許は通常3ヶ月から『2ヶ月』へと短縮されてしまう。……春にも似たような話をしたな。

それでもモレイラは勝負処で思い切った騎乗をしてくるとは思うし、もちろんビクターザウィナーも本気の騎乗が見られることだろうが、この点は一応アタマに入れておきたいところ。



最後にレーンだ。ご覧の通り、サトノレーヴに“一鞍入魂”である。

まあ、今だから言えるが、WASJへの参戦が内定していたタイミングから、恐らく『キーンランドCとスプリンターズSのセットで騎乗できる』という前提で、ここまでのコンビは決まっていたと思う。それだけに、前走で感触を掴んでいるのは大きいだろう。

ただ、レーン本人はいざ知らず、周囲の関係者からすると、今週末の騎乗馬がコレだけってのは決して明るい材料じゃないと思うんだよな。今の中山芝コースはかなり特殊な馬場コンディションだから、少なくともGI前の芝のレースは乗せたかったんじゃないかねえ。

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ダミアン・レーン

こうなってしまった背景は、恐らく体重の問題だろう。

自国オーストラリア仕様の体重になっている現状だと、恐らく今のレーンは55キロの斤量でも乗れないと見ている。その割にWASJでは3歳牝馬が抽選で当たってしまい、54キロで乗らざるを得なくなっていたが。

加えて、『今年のレーンは何故ピンポイントの来日しかしないのか』という理由については、ほぼ間違いなく家庭の問題だな。

確かレーンの奥さんの出産が10月に控えてるんだよな。昨年1月に結婚して、その年に日本ダービーを制した後、熱烈に喜びを分かち合っていたシーンを覚えている。

そういう諸々の事情が重なって、今回はサトノレーヴのためだけの参戦ということになったワケだが、これがどう転ぶのか。百戦錬磨のジョッキーであることを承知の上で、上手く乗り切れない可能性もあると思っている。



そんなところで、今日は外国人騎手を中心に触れたが、それ以外にもジョッキー達の乗り方ひとつでレースの全容は大きく変わりそうだ。なかなか楽しみな一戦、ぜひCHECKMATEの情報を参考に、皆様に仕留めていただければと思っております!

加藤

関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。

騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。

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