個性派記者の本音トーク 加藤

【伝説級のスピード牝馬】ピューロマジックの未来はどうなってしまうのか!?

個性派記者の本音トーク 加藤
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ちわっす、ジョッキー情報担当・加藤です。

突然だが、どうしてもこの馬の話をしておきたい。我らが天才スプリンター・ピューロマジックだ。

先週はオレの推奨馬券に関しても沢山の的中報告、誠にありがとうございました。10月からもさらに頑張らせていただきます。

さて、冒頭の通り、今日はピューロマジックの話がしたい。葵ステークスの36万馬券的中の立役者であり、今年何度も的中に貢献してくれたドル箱ホースだ。

残念ながら、先週のスプリンターズSでは8着と結果は残せなかった。戦前は横山典弘騎手への乗り替わりや、現場サイドの意向もあって“控えるのでは”という話も随所から聞こえてきていたが、当日のテンションの高さや返し馬での感触から、無理に押さえつけるのは厳しいと考えたんじゃなかろうか。

ただ、そんな中で……ピューロマジックはまたしても“トンデモ記録”を作っていたのである。スプリンターズSのレースラップを見てみよう。

スプリンターズS2024
レースラップ(1ハロンごとの数字)
11.8-9.9-10.4-11.0-11.6-12.3
勝ち時計:1:07.0(良)
前後半3ハロン:32.1-34.9

おいおい、なんだこの超快速ラップは。

しかも先週の中山、決してパンパンの良馬場ではなかったぞ。



CHECKMATEを上半期からご覧の方は、我々CHECKMATEがピューロマジックを早い段階で『天才スプリンター』と評価していたことは覚えていらっしゃると思う。

そして、中山芝1200mはスタート直後から3コーナーにかけて、向正面が下り勾配になっている。つまり、前半からスピードが出やすい下地はあるんだ。

それでも、10秒を切るラップタイムが見られるのは、せいぜい新潟の“千直”くらいなモノ。そう思ってデータ分析班と色々と掘り下げると、やっぱりトンデモナイ記録だった。


そのスプリンターズSも含めて、これまでピューロマジックがマークしてきた数字の特筆性をまとめると、下記のようになる。

ピューロマジック伝説

・前半1ハロン
北九州記念の1ハロン目【11.4秒】芝1200m戦における史上2位。ただし、1位が1987年新潟のレースで記録が曖昧らしく、信憑性なし。ここ35年で最速は確定。

・前半2ハロン
スプリンターズSの2ハロン目【9.9秒】中山芝1200m戦で史上最速。過去に“千直以外”で2ハロン目9.9秒以下は小倉3例、福島1例のみ。

・前半3ハロン
さざんか賞でマークした前半3ハロン(600m)通過タイム【32.6秒】阪神芝1200mで史上最速

・前半4ハロン
スプリンターズSの前半4ハロン(800m)通過タイム【43.1秒】中山芝1200m戦で史上最速。全コースの芝1200m戦でも4位。

いや、なんだこの異常な数字たちは。

もちろん昔とは馬場整備の違いが大きいので、そこは考慮する必要はあるけども、それにしたって史上最速、あるいはそれにほぼ等しいくらいの数字ばかりマークしてきている。

そして、何が凄いかって、この数字はどのレースも『スタートから鞍上が押して行って出したモノではない』ということなんだよな。

恐らく800m走をさせたら天下を獲れるだろう。何ならアイビスサマーダッシュでしばらく破られていないカルストンライトオのレコードタイム(53.7秒/2002年)を更新できるポテンシャルを秘めているな。

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伝説級と評した意味
ご理解いただけたかな?

ただ、天才スプリンターであることは事実でも、それだけじゃ勝てないのが競馬なんだよな。

競馬はスピードがあれば有利なのは間違いないけども、今後はそこに自在性を備えていくのか、はたまた前半のスピードを持続させられるように育てていくのか。加えて、気性面との付き合い方も難しくなっていくだろう。

この馬の今後の行方にぜひともご注目いただきたいし、そこにもまた競馬の面白さが詰まっていると思う。そう思ってご紹介させていただいた次第だ。

加藤

関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。

騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。

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