個性派記者の本音トーク 加藤

【外国馬三銃士】ジャパンカップ事変?強気のゴリアット陣営に、あのレジェンドは黙っていない!

個性派記者の本音トーク 加藤
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ども、騎手情報担当の加藤です。今日はジャパンカップに出走する外国馬3頭の予備知識を学ぶぞ!

今週は、国内最高峰のレースでもあるジャパンカップだ。やはり最高峰のレースということだけあって、メンバーが揃っていて非常に楽しみな一戦。

特に今年は日本馬も好メンバーだが、それ以上に馬券のカギを握りそうな外国馬に注目しているんだ。

世間で注目されているのは、やはりオーギュストロダンだろうか。ディープインパクト産駒ということもあり、注目が集まる一頭となっているな。

    外国馬三銃士
  • 平成の怪物ディープインパクトを父に持ち、海外G1を6勝している"オーギュストロダン"
  • オーギュストロダンに勝利し、陣営がかなり強気の"ゴリアット"
  • ドイツG1を2勝している"ファンタスティックムーン"

日本襲来!
最強の刺客の正体を知ろう

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では、まずは3頭のプロフィールから確認していこう。

なお、種牡馬に関する表記方法は『カタカナ』とさせていただく。英語表記だと頭に入りにくいの感じたので……。

■オーギュストロダン
生年月日 2020年1月26日(4歳)
性別
毛色 黒鹿
ディープインパクト
ロードデンドロン
母父 ガリレオ
調教師 A.オブライエン
生産者 Coolmore
馬主 M Tabor & D Smith & Mrs J Magnier & Westerberg
通算成績 15戦8勝[8-3-0-4]
■ゴリアット
生年月日 2020年2月27日(4歳)
性別 セン
毛色 鹿毛
アドラーフルーク
ガッシュ
母父 シャマーダル
調教師 F.グラファール
生産者 Gestut Schlenderhan
馬主 Resolute Bloodstock & Baron Philip Von Ullmann
通算成績 10戦6勝[6-2-0-2]
■ファンタスティックムーン
生年月日 2020年3月21日(4歳)
性別
毛色 鹿毛
シーザムーン
フランジパニ
母父 ジュークボックス ジュアリー
調教師 S.シュタインベルク
生産者 Graf & Grafin von Stauffenberg
馬主 Liberty Racing 2021
通算成績 14戦7勝[7-3-1-3]

まず初めに気になったのが、これらの馬の血統だな。日本への適性は果たしてどうだろう?

オーギュストロダンの父ディープインパクトは言うまでもないとして、ゴリアットの父アドラーフルークと、ファンタスティックムーンの父シーザムーンの産駒は日本のレースで実績があるのだろうか。ちょっとデータを漁ってみたところ……。

    アドラーフルーク産駒は【1頭】、シーザムーン産駒は【3頭】中央競馬で登録されていた。が……
  • アドラーフルーク産駒
  • 出走しているが、中央競馬での勝利はなし。

  • シーザムーン産駒
  • 3頭とも出走しているが、中央競馬での勝利はなし。

……いや、さすがにちょっと母数が少なすぎるな。この視点で見るのは一旦保留としておこう。


続いて、近走の成績についてもまとめてみよう。

まず1頭目、オーギュストロダンだ。 海外G1を3か国で合計6勝している実力馬だが、今年は少し成績から苦戦をしている。5戦出走して1着1回2着2回と勝利はしているが惜しい競馬が続いている。

前走アイリッシュチャンピオンステークスではクビ差で惜しくも2着。その時の3着はシンエンペラーである。

ただ、GI6勝の実績は『過去10年ジャパンカップに出走した外国馬の中で最多勝利数』なんだってよ。最近だと、2017年に出走したギニョール(9着)の3勝が最多だった。

GIを多く勝利しているから最強というわけではないが、オーギュストロダンは倍の6勝をしているのだから日本馬にとっては一筋縄ではいかない相手となるだろう。

なお、本馬はジャパンカップを現役最後とし、種牡馬入りが決定している。なんか軽くセレモニーをやると陣営が言い出しているが、JRAはOKを出すのか?(苦笑)

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そんな最強の刺客と評しても過言じゃないオーギュストロダンを“G1の舞台で2秒差つけて勝利した馬”も来日している。それが2頭目のゴリアットだ。

2走前に出走したキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを勝利し、オーギュストロダンを破った実力馬だ。その差は2秒差だった。

またこのレースは大物揃いのレースとなっていて、2着ブルーストッキングは今年の凱旋門賞を勝利している。3着レベルスロマンスは前走日本馬も挑んだBCターフを勝利しローシャムパークシャフリヤールを下している。

このレースの勝利後、今後のゴリアットについて、セン馬のため凱旋門賞の出走ができないことから「ブリーダーズカップやジャパンカップ、全ての選択肢がオープンだ」と陣営はコメントしていたんだが、その後に目標をジャパンカップにレースに向けてかなり強気な態度を示している。


3頭目は、ファンタスティックムーンだ。

凱旋門賞では2年連続で結果が出せなかったものの、去年のドイツダービー馬で、今年はバーデン大賞を制覇しているドイツのG1馬だ。この馬もジャパンカップを現役最後のレースをし、ドイツで種牡馬入りが決定している。先述2頭に比べるとちょっと格で劣るか。

陣営が強気な姿勢でかなり自信あり!?

興味深いところで言うと、ゴリアットの馬主であるジョン・スチュワート氏はX(旧Twitter)にて次のような発言をしていたんだ。

馬主のpostより抜粋

「東京のジャパンカップで名を残すために日本へ向かう前の最後の仕事を終えた野獣ゴリアット。私たちはレースに参加するためにわざわざ日本に行くわけではありません。

勝つために、そして芝のレースでゴリアットの強さを世界に示すために行くのです」

オイオイ、超吹いてるじゃん!


ちなみに、この発言は「引用してもらっても構いません」ということなので使わせてもらったが、額面通りに受け取るならば、ジョン・スチュワート氏や陣営がジャパンカップに対して自信や本気度が伺える。

また、このポストは動画付きで、左後肢を大きく上げ歩様する姿を披露しており、続けて「なぜ彼がそのような歩き方をするのか疑問に思うなら、それは彼が競走馬を追い抜くときに踏みつけるのに慣れているからです」と発言しこのポストは大きな話題になった。

そう、この馬は歩き方があまりにも独特過ぎるんだよな。ちょっと日本馬で参考になるケースが思いつかないんだが……。


余談だけど、ジャパンカップに向けてゴリアットのグッズを制作しているようで、Tシャツや帽子の販売とゴリアット陣営を見つけた際は、限定版の「ゴリアットカード」を1枚もらえるかもよ……なんて言ってやがる。もし当日、東京競馬場に行く方は探してみると良いかもしれないな。

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どうせなら、競馬場でやってる『Welcomeチャンス』の景品にしてくれりゃいいのに(笑)。

19年ぶりに制覇なるか?!
最強の刺客に怪しいデータ

とはいえ、冒頭に「外国馬は侮れない」と言ったが、近年のジャパンカップはとにかく日本馬が圧倒している。実際、外国馬は過去10年で1頭も馬券内に来ていない。外国馬が最後に勝利したのは、2005年が最後だからな。あの頃はオレも若かった……。

最後にジャパンカップを制した外国馬はアルカセット。2018年にアーモンドアイに破られるまで、東京芝2400mのコースレコード【2:22.1】の記録を持っていた馬だ。

そして馬券内となる、と翌2006年ウィジャボードの3着が最後である。無論、近年はただ単に外国馬のレベルがお世辞にも高かったとは言えないが、日本の高速馬場が世界的に見ればかなり特殊であることもまた事実だ。

「ジャパンカップは日本のレース」
レジェンドが黙ってねえぞ!

そんな最強の刺客に対して黙っていないのが、もちろんユタカさん(武豊)だ。某所でこんなことを喋っていたぜ。

ニッポンの総大将として、迎え撃つ準備ができています。

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いや~、さすがユタカさんというか、エンターテイメントを理解した上で、カッコイイことを言ってくれる。

特に今回は、オーギュストロダンの父ディープインパクトの主戦であったユタカさんが、そのディープに日本で唯一土を付けたハーツクライの産駒で迎え撃つって構図がイイよな。これぞ競馬の醍醐味、長年競馬をやっているからこその楽しみだ。

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天皇賞・秋当日に撮影

ということで、今日のところはあくまで“予備知識”レベルではあるが、3頭の大まかなプロフィールや、関係者内で挙がっている声の中で特に気になっている部分をピックアップしてみた。

個人的に気になっているのは、先ほども紹介したゴリアット陣営の強気っぷりだ。あれは本心なのかエンタメ的な振る舞いなのか、これはもうちょっとしっかり追いかける必要性がありそうだな。

いずれにせよ、この辺りも改めて取材した上で、明日以降も山川記者を中心としたGIコンテンツで色々とご紹介していく予定。ぜひご注目ください!

加藤

関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。

騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。

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