ども、騎手情報担当の加藤です。波乱が起きやすいチャンピオンズCを仕留めるぞ!
今週は、師走のダートレース、チャンピオンズCだ。実は波乱が起きやすいレースであることをご存じだろうか。
去年1番人気3.8倍に推されたレモンポップが勝利したが、3連複46万9320円、3連単に関しては100万馬券の190万2720円と超高配当だったのだ。
なぜこんなに高配当かというと、2着12番人気ウィルソンテソーロ、3着9番人気ドゥラエレーデだったからだ。
どのぐらい波乱が起きるレースか、ひとまず過去10年の6番人気以上で馬券内に来た馬を紹介する。
10年中9年が6番人気以上でも馬券内になっているんだ。
2桁人気の馬も10年中5年来てるぞ!
穴馬が激走するパターンとは!?
激走パターンを探る前に、中京ダート1800mがどういったコース形態か、改めておさらいする必要がありそうだ。
このコースは向正面から4コーナーまで下り坂になっていて、更に3、4コーナーではスパイラルカーブとなっている。そのため、加速を抑えながら回ってくる必要があるんだ。でないと、遠心力に負けてしまい外に吹っ飛ばされていくため、上手くコーナリングできないと大きなロスに繋がってしまう。
更に直線(410m)では、上り坂が待っている。道中でロスを作れば作るほど、スタミナを消費してしまうので、直線での手応えが良く見えても伸びて来れないなんてこともある。
それを踏まえ、穴馬が激走するパターンの1つとして考えられるのは、他の競馬場よりも4コーナーまでラチ沿いをピッタリと走ることだ。
この激走パターンはあるアニメを見て、リンクするなと思ったんだよね。それは、公道最速を決めるカーレースアニメ、頭文字(イニシャル)Dに出てくる、ドライビングテクニック『溝落とし』なのだが……。
気になる激走パターンの前に好きなアニメなので少しだけ説明をさせてください!
主人公が関東各地の峠道の下り坂で、その地にいる走り屋とバトルをするアニメ。ただ、毎回対戦相手は主人公よりも性能のいい車で、馬力に大きな差がある。加速力が違うため、直線のスピードで大きな差ができてしまうんだよな。
つまり車にハンデがあるんだけど、主人公はコーナリングのテクニックで差を詰めて、対戦相手を破っていく。その時に繰り出したコーナリングの技の1つが『溝落とし』なんだ。
で、この『溝落とし』ってのは……コーナーでイン側のタイヤを側溝に引っ掛けて走ることで、コーナリング速度を引き上げるテクニック。ちなみにこれ、アニメの世界だけじゃなくて実際のカーレースでも使われることがあったりするんだよ。
この『溝落とし』ってのが、チャンピオンズCで1つのキーワードになるんだ!!!!!
さすがに競馬場のコースに側溝はないんだけど、中京の向正面から4コーナーまでの下り坂を峠道に見立てて、コーナーで『溝落とし』のようにラチ沿いをピッタリと回ることにより、好成績を残している馬が実際に居るんだよ。
ただ、コーナリングに関しては、馬ではなく騎手の手腕にもかかってくるため、騎手情報班的にはどのように乗ってくるのかを情報収集しないといけないんだよね。
『溝落とし』成功!?奇跡の上がり34.4
注目してほしいのが、2018年のチャンピオンズCで2着だったウェスタールンド。
8番人気だった本馬は、上がりタイムは34.4。実は中京ダート1800m史上、最も速い上がりタイムなんだ!ちなみに史上2位の馬の上がりは35.0秒。つまり、このコースで上り34秒台を叩き出したのは、ウェスタールンドだけなんだよ。
どうして上がり34.4秒で来れたの???
それは、まるで『溝落とし』のようなテクニックを使ったからだ。
ウェスタールンドはレース前半の600m地点では、先頭から3秒ほど後方、約18馬身差程離れたところにいた。ここまで後方だと、普通なら勝負に参加することはなかなか難しい。しかし、3コーナー辺りからスピードを上げて、直線に進出すると道中2、3番手を走っていた1着馬ルヴァンスレーヴの3馬身程後ろにワープしてきたんだ!
これは、多くの馬が4コーナーで外に膨れたところ、ウェスタールンドは『溝落とし』のように、ずっとラチ沿いを沿うように走っていたからな。この時のユースケ(藤岡佑騎手)は神騎乗だった。
当時、「あんな後方にいたのに内からスルスル来るのはズルだろ!」って叫んだのを覚えている(笑)。
今回は追い込み馬を紹介したが、去年のウィルソンテソーロや2年前のハピのようにラチ沿いを走ることにより、逃げ先行差し追い込みで全て、チャンスが生まれる。その1つの激走パターンとして『溝落とし』をあげてみた。チャンピオンズCは頭文字(イニシャル)Dのように、コーナリング1つで輝けるコースなんだよ。
ただ、先ほども言ったように騎手の技術によるところも大きくなっているため、頭文字(イニシャル)Dの主人公のような騎手を探す必要があるんだ。
ということで、今日は“波乱が起きやすい”チャンピオンズカップについて、中京ダート1800mのおさらいと激走パターンの1つについてお話をした。
まあ、これが全てってワケじゃないんだけど、少なくとも中京のダート1800m戦で、『溝落とし』のように回って来れる馬の激走って目立つんだよな~。なので、その技術がある騎手をしっかりと見極めていきたい。
加藤
関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。
騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。