
ども、騎手情報担当の加藤です。
今週は2歳の中距離路線の王者を決める、ホープフルステークスだ!
今年も東西でいいメンバーが揃ったな。西は東京スポーツ杯2歳Sを勝利したクロワデュノールや、札幌2歳Sを勝利したマジックサンズ、東はアイビーSを勝利したマスカレードボールが人気筆頭だろう。

東京スポーツ杯2歳Sの勝利馬
クロワデュノール
昨年はというと、レガレイラが勝利したのだが、実はG1昇格後のホープフルSで初めて関東馬が勝利したんだ。
だが、今年の2歳は“西高東低”と言えそうだぞ!
今年の関東馬は怪しくないか???

まずはこのデータを見てくれ!
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
23年 | レガレイラ | シンエンペラー | サンライズジパング |
22年 | ドゥラエレーデ | トップナイフ | キングズレイン |
21年 | キラーアビリティ | ジャスティンパレス | ラーグルフ |
20年 | ダノンザキッド | オーソクレース | ヨーホーレイク |
19年 | コントレイル | ヴェルトライゼンデ | ワーケア |
18年 | サートゥルナーリア | アドマイヤジャスタ | ニシノデイジー |
17年 | タイムフライヤー | ジャンダルム | ステイフーリッシュ |
初年度はワンツースリーと関西馬決着。7回の内4回が関西馬のワンツー決着となっている。データで見てみると…。
東西 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
関東馬 | 1-1-4-36 | 2.4% | 4.8% | 14.3% |
関西馬 | 6-6-3-50 | 9.2% | 18.5% | 23.1% |
勝率・連対率・複勝率、かなりの差があるのが分かるな。ホープフルSは関西馬が圧倒的な成績を収めていることが分かるな。

次に2017年(G1昇格の年)~2024/12/22までの2歳新馬・未勝利戦以外、芝1600m以上の東西の成績を見てくれ!
クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1勝クラス | 53-50-50-325 | 11.1% | 21.5% | 32.0% |
OP | 10-15-11-54 | 11.1% | 27.8% | 40.0% |
リステッド | 5-3-4-25 | 13.5% | 21.6% | 32.4% |
G3 | 17-17-15-182 | 7.4% | 14.7% | 21.2% |
G2 | 4-5-2-22 | 12.1% | 27.3% | 33.3% |
G1 | 4-7-11-94 | 3.4% | 9.5% | 19.0% |
重賞 | 25-29-28-298 | 3.4% | 9.5% | 19.0% |
合計 | 93-97-93-702 | 12.1% | 27.3% | 33.3% |
クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1勝クラス | 52-55-55-293 | 11.4% | 23.5% | 35.6% |
OP | 20-15-17-66 | 16.9% | 29.7% | 44.1% |
リステッド | 7-9-8-24 | 14.6% | 33.3% | 50.0% |
G3 | 27-26-28-177 | 10.5% | 20.5% | 31.4% |
G2 | 8-7-10-55 | 10.0% | 18.8% | 31.3% |
G1 | 19-16-12-213 | 7.3% | 13.5% | 18.1% |
重賞 | 54-49-50-445 | 9.0% | 17.2% | 25.6% |
合計 | 133-128-130-828 | 10.9% | 21.4% | 32.1% |
成績を見比べても、その差は歴然だな。東西で1勝クラスの勝利数に差はないものの、重賞での勝利数は関東馬は25勝、関西馬は54勝とダブルスコアの差がついている。G1の勝利数に関しては、関東馬4勝に対し関西馬は19勝と4倍以上差がついているぞ!
この成績差を見ても、2歳時点から関西馬が強いのが分かるよな!

今年の成績(~2024/12/22まで)の2歳新馬・未勝利戦以外、芝1600m以上の東西の成績は?
クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1勝クラス | 5-6-7-40 | 8.6% | 19.0% | 31.0% |
OP | 0-2-1-5 | 0.0% | 25.0% | 37.5% |
リステッド | 2-1-1-5 | 22.2% | 33.3% | 44.4% |
G3 | 1-1-1-16 | 5.3% | 10.5% | 15.8% |
G2 | 0-0-1-5 | 0.0% | 0.0% | 16.7% |
G1 | 0-0-1-6 | 0.0% | 0.0% | 14.3% |
合計 | 8-10-12-77 | 7.5% | 16.8% | 28.0% |
クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1勝クラス | 6-5-4-19 | 17.6% | 32.4% | 44.1% |
OP | 3-1-1-5 | 30.0% | 40.0% | 50.0% |
リステッド | 0-1-1-3 | 0.0% | 20.0% | 40.0% |
G3 | 4-4-4-18 | 13.3% | 26.7% | 40.0% |
G2 | 2-2-1-5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
G1 | 2-2-1-21 | 7.7% | 15.4% | 19.2% |
合計 | 17-15-12-71 | 14.8% | 27.8% | 38.3% |
出走頭数は関東馬が107頭、関西馬が115頭に対し、関東馬が8勝、関西馬が17勝と2倍以上になっている。重賞だけの成績に関していえば、関東は[1-1-3-27]に対して、関西は[8-8-6-44]と関西馬が席巻しているんだ。今年も関西馬が強いな。
ただ、昨年に関しては、ホープフルSではレガレイラ、阪神ジュベナイルフィリーズではアスコリピチェーノと関東馬が2歳G1を2勝しているのだが…。

去年の成績を確認するとさ
クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1勝クラス | 6-8-7-27 | 12.5% | 29.2% | 43.8% |
OP | 1-2-1-5 | 11.1% | 33.3% | 44.4% |
リステッド | 1-0-1-3 | 20.0% | 20.0% | 40.0% |
G3 | 4-1-3-15 | 17.4% | 21.7% | 34.8% |
G2 | 1-1-0-5 | 14.3% | 28.6% | 28.6% |
G1 | 2-1-1-12 | 12.5% | 18.8% | 25.0% |
合計 | 15-13-13-67 | 13.9% | 25.9% | 38.0% |
クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1勝クラス | 6-4-5-31 | 13.0% | 21.7% | 32.6% |
OP | 2-1-2-8 | 15.4% | 23.1% | 38.5% |
リステッド | 1-2-1-3 | 14.3% | 42.9% | 57.1% |
G3 | 1-4-2-24 | 3.2% | 16.1% | 22.6% |
G2 | 1-1-2-10 | 7.1% | 14.3% | 28.6% |
G1 | 1-2-2-30 | 2.9% | 8.6% | 14.3% |
合計 | 12-14-14-106 | 8.2% | 17.8% | 27.4% |
関東馬の方が全体の勝利数が多いんだよ。重賞の成績も関東馬[7-3-4-32]に対して、関西馬は[3-7-6-64]と関西馬の方が倍の数を出走させているが、勝利数は奇しくも軍配は関東馬に上がっていたんだ。昨年だけ東西の均衡がおかしかったんだよな~。
それもそのはず、昨年のホープフルSで勝利した、レガレイラは先週の有馬記念を勝利したよな。3歳牝馬での勝利は64年ぶりのことなんだ。ただ決して関西馬が劣っていたわけではなく、2着馬はジャパンC2着のシンエンペラー、3着馬はみやこSを勝利したサンライズジパングだった。
それだけ昨年は、関東馬の勢いがあったってことだな。でも今年は違う。今年も従来と同様に“関西馬の方がレベルが高い”ということが分かるな。それもそのはず、現在の調教師のリーディングを見ても関西(栗東)所属が上位を占めているので、その信用の高さから関西にいい馬を預ける馬主が多いのが“関西馬の方がレベルが高さ”を引き上げているんだろうな。

今年の関西馬のレベルの高さとホープフルSにおける関西馬の成績の高さを見て、関東馬に付け入る隙が無いと思うのはオレだけだろうか。
疑うべき関東馬たち

更に関東馬を疑うべく深堀をする必要があるな。
東西 | 『1勝クラス~リステッド』 | 『重賞』 |
---|---|---|
関東馬 | 3-3-3-27 | 1-0-1-11 |
関西馬 | 1-1-1-6 | 2-3-2-7 |
東西 | 『1勝クラス~リステッド』 | 『重賞』 |
---|---|---|
関東馬 | 1-0-1-2 | 0-0-1-8 |
関西馬 | 3-4-3-15 | 4-4-3-29 |
これは今年、東京競馬場と京都競馬場で行われた2歳戦『1勝クラス~リステッド』と『重賞』の関東馬と関西馬の着別度数だ。当たり前だが、東京は関東馬、京都は関西馬が多く出走している。ただ、重賞の成績を見てみてくれ。どちらも関西馬が圧勝しているんだよ。
関西馬は関西圏で勝つのはもちろんのこと、遠征をしても不利を感じさせない高い成績を残しているんだ。それと同時に関西調教師は不利をも屈しない質の高い育成ができていると窺える。
それに対し関東馬は、苦戦を強いられている。そういった点から、ホープフルSに参戦する関東馬の能力に対し、疑いの目を持っているんだ。
ホープフルSに出走する人気を集めそうな関東馬は、マスカレードボール(戸崎)やアマキヒ(ルメール)、ピコチャンブラック(川田)だろう。
この3頭は新馬戦を関東圏で行われた関西馬がほとんど出走していないレースで、勝利をあげている。つまりは、まだ強い関西馬と混じって戦っていないんだ。
そのためアマキヒに関しては、新馬戦のみなので実力は不透明だが、今回特に疑っているのはアイビーS組だ。このレースは、関東馬8頭のみで行われたのだが、今年の関東馬の成績を見て、レースレベルが高いのか疑問に思っている。
というのも、同レース逃げの戦法で勝ち馬マスカレードボールと3馬身半で3着だったシルバーレインは次走こうやまき賞(1勝クラス)で勝ち馬と3馬身差の4着だった。
アイビーSのメンバーの次走で一番好走したのは、同レース6着だったコスモイシュタルで、次走の黄菊賞(1勝クラス)で3着。勝ち馬は朝日杯フューチュリティステークスの2着馬ミュージアムマイルだが、5馬身離されている。
今年のアイビーSから次走の好走馬が出ていないことから、レースレベルそこまでは高くない可能性があるな。今年のホープフルSは関西馬がワンツースリー決着になるかもしれないぜ!
ただ、マスカレードボールに関しては、新馬戦を勝利した際の2着、関西馬マイネルチケットがその後重賞を好走している。その馬を破っているため、その点は評価できるかもしれないな。

アイビーSの勝利馬
マスカレードボール
ということで、今回は「今年の関東馬が怪しいのでは?」という視点でホープフルSを考えてみた。
現時点(12/22終了時点)で騎手リーディングのトップ3(ルメール、川田、戸崎)が関東馬で参戦するが、G1昇格後のホープフルSの東西で比較した結果や今年の関西馬のレベルが高いという点で、関東馬が馬券内に来るのか疑問なところだ。
そのために、騎手や馬のことを徹底的に関係各所に調査して皆様に予想を提供させていただくので乞うご期待だ!

加藤
関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。
騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。