個性派記者の本音トーク 加藤

【フェアリーS】荒れるレースからお宝馬を探すポイント

個性派記者の本音トーク 加藤
#

ども、騎手情報担当の加藤です。

今日のテーマは、3歳牝馬にとって最初の重賞であるフェアリーSだ!

このレースは桜花賞を目指す馬が参戦することが多く、2022年2着のスターズオンアースはその後クラシック二冠を達成、2021年1着のファインルージュは桜花賞3着と好走している。

#

スターズオンアース


今年のメンバーは、函館2歳Sの2着ニシノラヴァンダやアルテミスSで4着のシホリーンなどが登録している。これらの馬は関東馬だ。

中山での開催、かつ裏でシンザン記念という関西圏の3歳マイル重賞があるため、フェアリーSは関東馬中心の出走メンバーになることが少なくない。


ただ、その中でも昨年は関西馬であるイフェイオンが勝利。未勝利戦を勝った直後の立場ながら、重賞好走馬や2勝馬を抑えて押し切った。我々の的中馬券(馬連8250円的中)に貢献してくれたよな。

一方で前年のアルテミスSで3着と好走して、1番人気の立場で出走したスティールブルーは4着止まり。この馬に限らず、過去10年で1番人気馬はなんと未勝利だ。11番人気が2勝もしていることを考えると、堅く収まるとはまず考えづらいレースだな。

フェアリーSの1番人気に関しては、山川クンの記事があるので、そちらを確認いただきたい。

この荒れやすいレースでも、馬券内に来る馬を探すポイントがありそうだ。

それは、前走の距離と脚質の関係性についてだ。


中山芝1600mの特徴
過去10年のフェアリーS脚質について

馬券になるポイントを知る前に中山芝1600mの特徴とフェアリーSの脚質別の成績について知る必要がありそうだ。

まず中山芝1600mの特徴と言えば、スタートしてすぐコーナーがあり、向正面も緩やかなカーブとなっている。最初のコーナーから直線まで終始コーナーを走っているようなものだな。

そのため、外枠が不利で、逃げ先行が有利なコースになっている。

■過去10年の中山芝1600mの脚質別成績
(2015年~先週1/6終了時点)
脚質着別度数勝率連対率複勝率
逃げ107-96-69-47014.4%27.4%36.7%
先行275-282-225-140512.6%25.5%35.8%
中団170-192-246-26165.3%11.2%18.9%
後方54-46-75-25692.0%3.6%6.4%
マクリ17-9-9-3524.3%37.1%50.0%

データで見ると一目瞭然だな。逃げ先行の成績に対して、中団後方の成績が良くないな

ただ、フェアリーSはというと、

■過去10年のフェアリーSの脚質別成績
(2015年~2024年)
脚質着別度数勝率連対率複勝率
逃げ3-0-1-1021.4%21.4%28.6%
先行1-3-2-292.9%11.4%17.1%
中団6-5-5-459.8%18.0%26.2%
後方0-1-2-430.0%2.2%6.5%
マクリ0-1-0-10.0%50.0%50.0%

過去10年で逃げ馬が3勝しているが、フェアリーSになると先行馬の勝率が低いんだ。勝利数でいうと中団からの競馬をした馬は6勝もしている。

中山芝1600mは逃げ先行が有利なコースだが、フェアリーSでは馬のキャリアが浅い分、どの騎手も慎重な騎乗になるため、直線では横一列に並ぶ展開になる傾向にある。

そのため、瞬発力勝負になりやすく、中団やその後ろのポジションにいる馬が直線で外に出し脚を使う馬の好走が目立つんだ。

#

ただ、後方の成績は良くないから、前走で最後方からレースを進めた馬は届かない可能性が高いため注意する必要があるな。

前走の距離と脚質の関係性について

中山芝1600mの特徴とフェアリーSの脚質について確認したが、どの馬がどういうレース展開をするかをある程度予想する必要がありそうだ。

そのヒントになりそうなのは、前走の距離にあると考えた。

#

実際にどういうレースをするのかは、関係各所に調査するので乞うご期待だ!

過去10年のフェアリーSの出走馬の前走距離別の成績を確認していただきたい。

前走距離着別度数勝率連対率複勝率
1200m0-2-0-140.0%12.5%12.5%
1400m1-1-3-312.8%5.6%13.9%
1500m0-0-1-00.0%0.0%100%
1600m8-4-5-709.2%13.8%19.5%
1800m0-1-1-110.0%7.7%15.4%
2000m1-2-0-220.0%60.0%60.0%

前走1600m組が圧倒的な成績を残しているな。キャリアが浅いので走り慣れた距離であることはポイントになりそうだ。

ただ、勝利数は前走1600m組の馬の方が成績が良いが、前走1200m組や前走1400m組でも2着3着には来ている

なので、前走でどういう立ち回りをした馬がフェアリーSで好走したのか、前走距離別でまとめてみた。

■前走1200mの成績
脚質着別度数勝率連対率複勝率
逃げ0-0-0-20.0%0.0%0.0%
先行0-0-0-00.0%0.0%0.0%
中団0-1-0-40.0%20.0%20.0%
後方0-1-0-80.0%11.1%11.1%
マクリ0-0-0-00.0%0.0%0.0%

そもそも頭数は少ないが、それでも2着2回と馬券内に来ている。マスクオールウィンホウオウカトリーヌなのだが、二頭とも黒松賞(1勝クラス)に出走し、勝利している。

また、二頭とも黒松賞では先行の位置で競馬をしていたが、フェアリーSでは中団や後方で競馬をしている。

考えられる理由としては、前走1200m組は逃げや先行策をとってしまうと息を切らしてしまうため、道中はスタミナを温存し脚を溜める方に徹することで勝率が上がるのだろう。

■前走1400mの成績
脚質着別度数勝率連対率複勝率
逃げ0-0-1-30.0%0.0%25.0%
先行0-0-1-70.0%0.0%12.5%
中団1-1-0-130.0%20.0%20.0%
後方0-0-1-80.0%11.1%11.1%
マクリ0-0-0-00.0%0.0%0.0%

逃げに関しては、前走京王杯2歳(G2)で3着だったスピードオブライトが唯一の3着。中団と後方に関しては、フェアリーSで上がり1位と2位の脚が使えた馬が来ている。

前走1400m組も前走1200m組と同様に逃げや先行策をとってしまうと息を切らしてしまうため、脚を溜める戦法に徹する方が分がありそうだ。実績のある逃げ馬以外は中団や後方からの競馬をする馬を選択したいな。

■前走1600mの成績
脚質着別度数勝率連対率複勝率
逃げ3-0-0-537.5%37.5%37.5%
先行1-2-1-184.5%13.6%18.2%
中団4-2-4-2611.1%16.7%27.8%
後方0-0-0-200.0%0.0%0.0%
マクリ0-0-0-10.0%0.0%0.0%

逃げに関して、前走短距離組は3着止まりだったが、前走1600m組からは3勝しているな。これは前走の経験が活きていることと、短距離組よりスタミナがあり、息をいれることができるからだろう。

また、中団で運ぶ馬の成績も高く、道中や直線で外を回しても瞬発力を発揮できるスタミナがある馬が好走に繋がっている

■前走2000mの成績
脚質着別度数勝率連対率複勝率
逃げ0-0-0-00.0%0.0%0.0%
先行0-1-0-10.0%50.0%50.0%
中団1-0-0-0100%100%100%
後方0-0-0-10.0%0.0%0.0%
マクリ0-1-0-00.0%100%100%

こちらも前走1600m組と同様で、中団で運びスタミナがある分、位置取りに余裕があり、更に脚を溜めることも可能なため、レースを有利に進めることができる。

そして注目なのは、前走2000m組の成績だ。5頭中3頭が馬券になっている

サンプル数は少ないが、高い確率で馬券内に来ているんだよ。

■前走2000m組
脚質人気着順
2023年ディヴァージオン後方8番人気15着
2022年ライラック中団5番人気1着
2017年アルミューテン先行12番人気5着
2023年ダイワドレッサー先行10番人気2着
2023年ローデッドマクリ8番人気2着

今年も前走2000m組では、ホウオウガイアモルティフレーバーの2頭が登録されているぞ。

#

これらの前走2000m組が抽選を通ったら、注目だな!

実際にどういう競馬をするのかは、騎手や馬のことを徹底的に関係各所に調査して皆様に予想を提供させていただくので乞うご期待だ!

加藤

関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。

騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。

#加藤の記事を読む