
ども、騎手情報担当の加藤です。
今週は阪神芝1400mで行われる報知杯フィリーズレビューだ。
今まで施行日は日曜日だったが、今年は土曜日開催だから注意が必要だな。
当レースは桜花賞のトライアルレースで、3着以内馬に優先出走権が与えられる。
桜花賞の切符を手にするため、未勝利戦など自己条件を使っていた馬やG1阪神ジュベナイルフィリーズといった重賞を使っていた馬など様々な路線から馬が集結する。
その中でキャリアの浅い1勝馬が人気薄ながら真の実力を見せつけたり、重賞戦線で活躍していた人気馬が成長力で劣り凡走することもあるため、波乱の決着となることも多い。
過去10年(2015~2024年)で6番人気以下に推された馬が5勝しており、昨年は11番人気エトヴプレが逃げ切り、11番人気→1番人気→12番人気と3連単19万7830円と高配当が生まれている。
一昨年も11番人気ジューンオレンジが3着に来るなど、とにかく伏兵扱いされている馬が毎年のように好走して馬券的にも高配当になりやすいレースになっているな。
一方で1番人気に推された馬は[1-4-0-5]と5頭は馬券圏内に来ているものの、1勝しかできず勝ち切れない印象にあるな。
何が馬券圏内に来てもおかしくないフィリーズレビューでどの特徴の馬が好走するのか、いくつかある好走条件の内の1つをご紹介していこう。
馬券の攻略のカギは『前走距離』と『脚質』

オレが考えるいくつかある好走条件の内の一つは『前走距離』と『脚質』がカギになっているぞ!
ズバリ!前走1600m戦に出走していた差し・追込馬にチャンスがありそうだ!
説明をする前に阪神芝1400mのコース特徴をおさらいしておこうか。
阪神芝1400mは桜花賞の舞台である阪神芝1600mと異なり、内回りコースで行われる。
2コーナー奥のポケットがスタート地点となっており、スタートから最後の直線にある坂まで下り坂になっているため、ペースが速くなる傾向にある。しかし直線ゴール前で急坂が待ち受けているため、逃げ・先行馬はここでバテてしまい差し・追込馬が食い込むケースが多くなる。
実際にフィリーズレビューの脚質別成績を確認すると
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
逃げ | 1- 0- 1- 8/ 10 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
先行 | 2- 2- 4- 29/ 37 | 5.4% | 10.8% | 21.6% |
差し | 5- 6- 2- 61/ 74 | 6.8% | 14.9% | 17.6% |
追込 | 3- 1- 3- 44/ 51 | 5.9% | 7.8% | 13.7% |
マクリ | 0- 0- 0- 0/ 0 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
逃げ・先行馬が3勝に対し、差し・追込馬は8勝と大きな差があるんだ。
※19年1着同着のため、合計が11頭となっている
フィリーズレビューは決め手勝負になりやすいことが分かるな。
実際に上がり3ハロンが1位の馬の成績も併せて確認すると[5-2-2-2/11]と勝率が45.5%あり、複勝率にすると81.8%と約8割が馬券圏内にきているんだ。
ただ、決め手がある馬だからと言って、フィリーズレビューで炸裂するとは限らないんだ。
前走上がり3ハロン1位だった馬のフィリーズレビューの成績を確認すると、[6-2-2-17/27]となっていて、6勝しているが、複勝率は37.0%とそこまで成績は良くないんだ。
では一体、どういった馬がフィリーズレビューで上がり3ハロン1位の脚が使えるのだろうか。
それは、前走距離が関係してくるんだ。
前走距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1200m | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
1400m | 1- 1- 0- 1/ 3 | 33.3% | 66.7% | 66.7% |
1600m | 4- 1- 1- 1/ 7 | 57.1% | 71.4% | 85.7% |
前走1200m組は1頭に対して、前走1600m組は7頭も上がり最速の脚が使えている。
4勝の内、1頭は12番人気に推された伏兵ノーワンが勝利しているんだ。
阪神芝1400mは前半のペースが速くなりやすく、直線ゴール前の急坂でスタミナが切れるケースも多い。だが、前走で1600m戦を使っていた馬は長い距離を経験していたことでハイペースでも脚を溜められる対応力が身について、最速の脚で直線を駆けることが可能なのだろう。
また、脚質や上がり3ハロン1位関係なしにフィリーズレビューに出走した各馬の前走距離別成績を確認してみると、
前走距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1200m | 1- 0- 2- 31/ 34 | 2.9% | 2.9% | 8.8% |
1400m | 4- 1- 4- 55/ 64 | 6.3% | 7.8% | 14.1% |
1500m | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1600m | 6- 8- 4- 52/ 70 | 8.6% | 20.0% | 25.7% |
1800m | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
2000m | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
前走1600m組が6勝、2着8回と好成績を上げているな。
ただし、前走でG1阪神ジュベナイルフィリーズに出走していた馬や、リステッドのエルフィンSに出走していた馬だけが好成績を残しているとも言い切れない。
前走で未勝利に出走していた馬は[2-0-0-0]、前走で1勝クラスに出走していた馬は[1-1-1-3]と、たとえ自己条件でも前走が1600m戦ならば好走する傾向にあるぞ。
フィリーズレビューがなぜ“荒れる”のかを考えるのは面白いよな~。当日は色々と精査して馬券予想をしていくので乞うご期待だ!

加藤
関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。
騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。