個性派記者の本音トーク 加藤

【阪神牝馬ステークス】ボンドガールに危険信号?好走条件は前走着順にあり!

個性派記者の本音トーク 加藤
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ども、騎手情報担当の加藤です。

今週は阪神芝1600mの牝馬限定戦、阪神牝馬ステークスだ。

当レースは、G1・ヴィクトリアマイルの前哨戦としてマイル女王の座を目指す馬が多く参戦するレースとなっている。

今年のメンバーは、前走G3・ターコイズSを勝利したアルジーヌや昨年のG2・チューリップ賞の勝利馬スウィープフィートなどが参戦する。

しかし、今年のメンバーの中で関西馬にとって強敵が現れたな。前走東京新聞杯を0.1秒差の2着だった関東馬ボンドガール

栗東滞在の調整でタイトル初奪取に向け仕上げに余念がない。また、ユタカさん(武豊騎手)の『39年』連続重賞勝利記録がかかってる一戦となっているため、本気度が伝わるな。

関西馬にとっては一筋縄ではいかない相手となりそうだ。

ただ、そんな強敵ボンドガールが飛ぶかもしれないデータがある

それは前走の着順に関係してくるぞ!

好走条件は前走着順!?

昨年の阪神牝馬Sでは、前走G3・東京新聞杯を1番人気に推され6着と敗れたマスクトディーヴァがここでも1番人気に推され勝利した。

実は阪神牝馬Sは、前走1着だった馬と前走6着以下に敗れた馬が巻き返し好走する傾向にある

そのため、前走大敗した馬が出走し人気薄ながら巻き返し好走することがあるなど、高配当になるケースが多く、阪神芝1600m戦となった2016年からの過去9年(2016年~2024年)では、4回も三連単10万越えが飛び出したレースでもあるんだ。

では、まず前走着順別の成績をご確認いただきたい。

■前走着順別成績
※阪神芝1600m戦となった過去9年(2016年~2024年)
前走着順着差度数勝率連対率複勝率
前走1着4- 3- 3- 13/ 2317.4%30.4%43.5%
前走2~5着1- 1- 4- 19/ 254.0%8.0%24.0%
前走6着以下4- 5- 2- 57/ 685.9%13.2%17.6%

過去9年で前走1着組と前走6着以下組は【4勝】している。しかし前走2~5着組は【1勝】しかしていない。

前走2~5着組は、連対率でも前走6着以下より悪く、その中でも前走2着の成績は[0-0-0-7]と一度も馬券内に来ていない

2019年には前走G2・中山記念で2着と惜敗したラッキーライラックが阪神牝馬Sで1番人気に推されたが8着と大敗した。この年は、4番人気→12番人気→9番人気決着と荒れ、三連単72万7770円の高配当となった。

ボンドガールも前走2着と惜敗し、阪神牝馬Sでは人気の中心になりそうだ。ただ、前走2着組がまだ馬券内に一度も来ていないことから、ボンドガールが飛ぶようなことがあれば2019年のように大荒れの阪神牝馬Sになるかもしれないぞ!

前走1着組と前走6着以下組が好走する理由とは?

ではなぜ、前走1着組と前走6着以下組が好走傾向にあるのだろうか。

それは前走からの『勢い』と前走からの『巻き返し』がキーワードになってきそうだ。

まず、前走1着組について。前走勝利したことにより『勢い』がある。実際に前走1着組をクラス別に分けて成績を見てみると

■前走1着組のクラス別成績
※阪神芝1600m戦となった過去9年(2016年~2024年)
前走クラス着差度数勝率連対率複勝率
3勝クラス1- 2- 2- 9/147.1%21.4%35.7%
リステッド0- 0- 0- 2/ 20.0%0.0%0.0%
G33- 1- 1- 2/ 742.9%57.1%71.4%

3勝クラスは1勝していて、複勝率では35.7%と3回に1回は馬券に絡んでいる

G3クラスでは3勝もしていて、勝率42.9%/複勝率71.4%と好成績を残しているな。

3勝クラスや重賞では、能力が高くないと勝利することは難しいため、着実にG1出走への階段を上がっている印象にある。そのため、阪神牝馬Sでもその能力の高さと『勢い』で好走してくるのだろう

そして、前走6着以下について。前走大敗からの『巻き返し』がある。実際にどの馬が阪神牝馬Sで巻き返してきたのかを見てみると

 馬名 阪神牝馬の人気/着前走 人気/着
24年マスクトディーヴァ  1人気/1着東京新 1人気/6着
23年サウンドビバーチェ  6人気/1着洛陽S 2人気/11着
22年メイショウミモザ   9人気/1着北九州 3人気/13着
19年ミッキーチャーム   4人気/1着中山牝 2人気/14着
この4頭は前走で上位人気に支持されつつ大敗していたが、ひと叩きした効果や相手の弱体化で巻き返してきたってところだな。しかもミッキーチャーム以外の3頭は、前走が牡馬相手だった。前走大敗でも、牡馬相手だったら許容範囲と見るべきだな。

マスクトディーヴァは阪神牝馬Sで1番人気に推されての勝利だが、メイショウミモザは9番人気と人気薄ながら勝利したパターンもあるため、前走大敗し、阪神牝馬Sでは人気が無いからと言って軽視するのは注意が必要になる。

今回のボンドガールは、前走2着で今回大敗する可能性もあれば、前走が牡馬相手で好走しているので今回も好走する可能性もある。どちらにしても関西馬にとって強敵となるが、『勢い』のある馬や前走からの『巻き返し』を狙う馬が好走することがあれば高配当になるかもしれないな。

加藤

関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。

騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。

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