個性派記者の本音トーク 加藤

【函館スプリントステークス】ナムラクレアの斤量57キロはどうなんだ?

個性派記者の本音トーク 加藤
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ども、騎手情報担当の加藤です。

今週は、函館競馬場の芝1200mにて函館スプリントステークスが行われる。

本レースはサマースプリントシリーズの開幕戦となっており、秋のG1戦に向けて賞金を稼ぎたい馬や勢いをつけたい馬が出走する。

今年は、前走G1・高松宮記念で2着のナムラクレアや、唯一の3歳馬ミリアッドラヴ、昨年の函館スプリントSで本命◎で2着となり馬連(3,470円)と3連複(7,080円)の的中に貢献してくれた8歳馬ウイングレイテストなど、3歳から8歳まで好メンバーが揃った印象だ。

その中でも注目はやはりナムラクレアだろう。今回は57㎏(4歳以上牡馬換算で59㎏)という、牝馬としては過酷ともいえる斤量を背負うためパフォーマンスが低下すると考える人もいるのではないだろうか。

函館スプリントSの注目ポイントは、ズバリ斤量だ!

グレード別定に変更

函館スプリントSは2023年に賞金別定からグレード別定となり、下記斤量設定が採用されている。

■基本重量
・3歳馬:54kg(牝馬52kg)
・4歳以上:57kg(牝馬55kg)

▼実績に応じて斤量が増加する
・G1勝ち馬 ⇒3kg増
・G2勝ち馬 ⇒2kg増
・G3勝ち馬 ⇒1kg増

※牝馬限定戦
・G1勝ち馬 ⇒2kg増
・G2勝ち馬 ⇒1kg増

※2024年6月7日以前のG1勝ち馬(牝馬限定競争を除く) ⇒2kg増
・2024年6月7日以前の牝馬限定G1またはG2勝ち馬(牝馬限定競争を除く)
 ⇒1kg増
※ただし2歳時の成績を除く

この設定により、若い3歳馬は軽量で出走できる一方、4歳以上の実績馬は斤量を背負いこの斤量差がレース展開や結果に影響を与える。

3歳馬

3歳馬は54kg(牝馬52kg)で出走できるため、4歳以上の馬との斤量差は3kg(牝馬なら5kg)と大きいため有利に働くと考えられる。

過去10年の函館スプリントSの年齢別成績を確認していただくと、

■年齢別成績
※過去10年(2015年~2024年)
年齢着差度数勝率連対率複勝率
3歳3- 2- 1- 12/ 1816.7%27.8%33.3%
4歳3- 1- 5- 19/ 2810.7%14.8%32.1%
5歳4- 2- 2- 39/ 478.5%12.8%17.0%
6歳0- 3- 0- 24/ 270.0%11.1%11.1%
7歳0- 2- 1- 10/ 130.0%15.4%23.1%
8歳0- 0- 0- 8/ 80.0%0.0%0.0%

3歳馬が勝率/連対率/複勝率の全てトップで好成績を残している。昨年は3歳馬の出走はなかったが、斤量設定に変更があった一昨年は3頭出走しブトンドールの5着が一番の成績で掲示板止まりだった。

だが、斤量差が大きくあるため3歳馬にもチャンスのある設定になっている。

軽量の分、積極的に競馬しやすいため3歳馬×先行からの競馬は[2-2-0-1/5]と連対率80%の好成績を残している。

重賞未勝利馬

昨年の函館スプリントSの勝ち馬サトノレーヴはG3・阪急杯で4着に好走、次走リステッド・春雷Sで勝利。この時点で重賞未勝利のため、57kgで函館スプリントSに出走できた。また、3着だったビッグシーザーもオーシャンSで2着の実績があるが、重賞未勝利のため57kgで出走している。

ただし、過去10年で馬券になった30頭の内21頭が重賞で5着以内に好走していた。つまり函館スプリントSは重賞未勝利でも上位争いした実績があれば好走可能ということになる。

他にも重賞未勝利で好走した馬は

2023年1着キミワクイーン
2023年2着ジュビリーヘッド
2022年2着ジュビリーヘッド
2022年3着タイセイアベニール
2021年2着カレンモエ
2021年3着ミッキーブリランテ

G1出走馬も強い

実は前走でG1に出走していた馬も強く、過去10年で[4-1-5-31/41]と【4勝】もしており、勝率は9.8%ある

今年出走するナムラクレアはG1で2着3回、3着2回と勝ち切れてはいないが2走前にG2・阪神カップを勝利しているので今回は2kg増の57kgで出走する。

G1馬のように斤量を背負い過ぎないため、G1で上位争いできる実力があれば地力だけで勝負になる可能性が高いだろう。

前走G1組では他にもウイングレイテストペアポルックスがいる。

まとめ

別定戦となった函館スプリントSでは能力の高い馬がそこまで斤量差に泣くこともなく、3歳馬(特に牝馬)は斤量の恩恵が大きい

そして、斤量を背負わない重賞未勝利馬も好走する可能性が高いが、このケースは重賞で上位争いしていた実績が求められる。

こういった斤量差を比較することも重要だが、重賞成績、そして馬の実力も含めて総合的に判断することも必要になるだろう。

加藤

関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。

騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。

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