
ども、騎手情報担当の加藤です。
今週は、小倉競馬場の芝1200mにて北九州記念が行われる。
当レースは、山川クンの方でも予想講座があるため、そちらも併せてご確認いただきたい!
北九州記念はサマースプリントシリーズの2戦目となり、秋に行われるG1・スプリンターズSの前哨戦の一つに位置づけられる。
今年のメンバーは、オープンクラスで3戦3連対のロードフォアエースや今年のG3・葵ステークスを勝利したアブキールベイ、同レース2着だったクラスペディアが出走する。
北九州記念といえば、昨年本命◎ピューロマジックが逃げ切り馬連5980円的中に貢献してくれたな。
北九州記念は逃げ馬の成績が良く、過去10年(2015年~2024年)で4勝、2着1回と、連対率50%をマークしている。
なぜ逃げ馬の成績が良いのか、小倉競馬場の含水率とクッション値を注目していきたい。
小倉競馬場は最も含水率が低い
JRAのホームページでは2018年から含水率、2020年からクッション値が公表されるようになった。
まずは、含水率について確認していきたい。含水率とは馬場から採取した試料(芝の下の路盤砂)に含まれている水分の割合。芝コース路盤に使用している砂は競馬場によって異なるため、含水率の数値も競馬場によって大きく異なるというわけだ。
JRAのホームページに公開されている各競馬場/馬場状態別の含水率の平均値をご確認いただきたい。
競馬場 | 良 | 稍重 | 重 | 不良 |
---|---|---|---|---|
札幌 | 15以下 | 14~18 | 17~21 | 20以上 |
函館 | 15以下 | 14~18 | 17~21 | 20以上 |
福島 | 15以下 | 13~18 | 15~19 | 17以上 |
新潟 | 15以下 | 13~17 | 15~19 | 17以上 |
中山 | 13以下 | 11~15 | 14~18 | 17以上 |
東京 | 19以下 | 17~21 | 18~23 | 20以上 |
中京 | 14以下 | 12~16 | 14~17 | 16以上 |
京都 | 13以下 | 11~14 | 13~16 | 14以上 |
阪神 | 14以下 | 12~16 | 14~18 | 16以上 |
小倉 | 10以下 | 8~12 | 10~14 | 12以上 |
含水率の数値で馬場状態を決めるのではなく、馬場全体の状態を総合的に判断し決定されるが、小倉競馬場は他と比べて明らかに含水率が低い。
小倉競馬場の重馬場と阪神競馬場の良馬場で同じ14%の数値であっても馬場状態には大きな差がある。
つまり小倉競馬場は他の競馬場よりも馬場が乾燥しているため、地盤が固まりやすくて含水率も低く、スピードが出やすい環境にある。
馬場が軽いので脚への負担も少なく逃げ馬もスピードを維持しやすいので、北九州記念は逃げ馬が押し切りやすいレースになっていると考えられる。
クッション値について
クッション値とは、競走馬が走行時に馬場に着地した際の反発力を数値化したものになる。
・馬場が柔らかいため、スピードが出にくく全体のタイムが遅くなる傾向にある。
・スタミナを使うため、持久力やパワーのある馬が有利になる。
・逃げ馬にとっては負担が大きいため、差しや追い込み馬が有利になる場合がある。
【クッション値が高い場合の特徴】
・馬場が固いため、競走馬にとって走りやすい状態になるため、速いタイムが出やすい。
・スピードに乗りやすいため、逃げ先行馬がスピードを活かし粘りこみやすくなる。
・後方からの競馬では届きにくくなる。ただ、瞬発力も活かしやすいため、切れ味のある馬がゴール前で鋭く伸びる展開もある。
今年の含水率とクッション値は過去5年(2020年~2024年)の北九州記念の日と比べてどうか先週の値と確認してみると
年 | 含水率 ゴール前 | 含水率 4コーナー | クッション値 |
---|---|---|---|
2024 | 10.8 | 11.7 | 8.4 |
2023 | 9.2 | 9.8 | 8.8 |
2022 | 13.5 | 15.1 | 8.7 |
2021 | 10.3 | 11.5 | 8.7 |
2020 | 7.8 | 8.3 |
先週の小倉競馬場の数値はそれぞれ含水率(ゴール前)が7.6%、含水率(4コーナー)が7.5%、クッション値が9.6と過去5年と比べると最も含水率が低く、クッション値が高いんだ。
より逃げ馬が押し切れる馬場状態となっているため、前方で運ぶのが有利になりそうだな。
今回は山川クンと別の観点で含水率とクッション値から展開を考えてみたが、当日買い目は馬場状態を含め総合的にジャッジしている。さらに各陣営から『あまり表に出ない』情報もつかんでいるので、今週末も楽しみにしていただきたい!

加藤
関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。
騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。