ども、騎手情報担当の加藤です。
今週は函館競馬場の芝1200mにて、中央競馬で最初に行われる2歳重賞の函館2歳Sが行われる。
今年は時計の出やすい高速馬場を背景に、早くも非凡なスピードを見せつけた2頭が注目を集める。
函館芝1000mの新馬戦でレコードを樹立し、3馬身差の圧勝を飾ったカイショー。そして同じく函館芝1200mの新馬戦を、好位追走からレコードタイムで突き抜けたブラックチャリスが激突する。
函館芝1200mはとにかく先行馬有利のイメージがあるが、函館2歳Sに限れば、先行馬が有利とも言い切れない。
函館芝1200mは逃げが有利だが……?
函館芝1200mのスタート地点は2コーナー奥のポケット。ここから3コーナーまでの距離が489mと長いため、無理なポジション争いが発生しくく隊列が決まりやすい。
またスタートから4コーナーまで上り坂、そして最後の直線は下り坂かつ直線距離も短いため、逃げ切りや先行押し切りが勝ちも多くなっている。
過去10年(2015年~2024年)の函館芝1200mの脚質別成績を確認していくと、
| 脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 逃げ | 112- 63- 33- 252/ 460 | 24.3% | 38.0% | 45.2% |
| 先行 | 220- 213- 188-1027/1648 | 13.3% | 26.3% | 37.7% |
| 差し | 105- 130- 188-1636/2059 | 5.1% | 11.4% | 20.5% |
| 追込 | 26- 51- 52-1678/1807 | 1.4% | 4.3% | 7.1% |
| マクリ | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
逃げが勝率24.3%、複勝率45.2%と好成績を残している。続いて先行の成績もよく複勝率は37.7%ととにかく前が残りやすいことが分かる。
差しは複勝率が20.5%と後ろも馬券圏内に届くことはあるが、後方からの競馬では分が悪いのが函館芝1200mとなっている。
しかし函館2歳Sというレースに限れば、その傾向が少し変わってくるんだ。過去10年の函館2歳Sの脚質別成績を確認してみると
| 脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 逃げ | 1- 2- 1- 6/ 10 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
| 先行 | 4- 6- 4- 21/ 35 | 11.4% | 28.6% | 40.0% |
| 差し | 4- 0- 3- 45/ 52 | 7.7% | 7.7% | 13.5% |
| 追込 | 1- 2- 2- 44/ 49 | 2.0% | 6.1% | 10.2% |
| マクリ | 0- 0- 0- 0/ 0 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
逃げ馬は10回中4回馬券圏内に来てはいるが、勝ったのは2019年のビアンフェのみ。
直近3年は全て逃げ馬が馬券に絡んでいるが、函館2歳Sにおいて逃げ馬が有利であるとも言い切れない。
先行馬も好成績だが、ここで注目したいのは差し馬も【4勝】していること。2015年ブランボヌールや2017年カシアス、2022年ブトンドールが差し切り勝ちを決めている。また2023年には、函館ダート1000mを勝ち上がってきたゼルトザームが、10番人気ながらも外から差す競馬で勝利している。
ではなぜ差し馬が【4勝】できたのだろうか。それは逃げ先行馬が多いからだろう。
基本的に函館2歳Sには、函館1000mや1200mで逃げ切った馬や、好位追走から抜け出して勝った馬が多く出走してくる。過去10年(2015年~2024年)の函館2歳S出走馬について、前走脚質別で成績を確認すると
| 脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 逃げ | 1- 3- 5- 44/ 53 | 1.9% | 7.5% | 17.0% |
| 先行 | 9- 7- 5- 61/ 82 | 11.0% | 19.5% | 25.6% |
| 差し | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 追込 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| マクリ | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
逃げ53頭、先行82頭と、出走馬の大半が前走で逃げいた、または先行していたことが分かる。そして逃げが【1勝】に対して先行が【9勝】なのも注目したい。
函館2歳Sではスタートして先行争いが激化し、前半のペースが速くなるため前傾ラップになりやすい。そのため逃げ切りで勝ち上がった馬より、道中で脚を溜めて差す競馬で勝った馬の方が、函館2歳Sにおいては分があると言えるだろう。
実際にどのくらいペースが速くなるのか、過去10年の函館芝1200mの2歳新馬戦と未勝利戦、そして函館2歳Sの平均ラップを比較してみると
| レース | 平均ラップ | 前半3ハロン | 後半3ハロン |
|---|---|---|---|
| 新馬 | 12.37-11.01-11.52-11.82-11.61-12.01 | 34.91 | 35.44 |
| 未勝利 | 12.20-10.86-11.51-11.91-11.77-12.20 | 34.57 | 35.87 |
| 函館2歳S | 12.05-10.63-11.32-11.73-11.94-12.41 | 34.00 | 36.08 |
函館2歳Sの前半3ハロンラップは、新馬戦と比較して約1秒、未勝利戦より0.5秒以上速い。そのため、逃げ馬にとって厳しいペースとなる。過去に新馬戦で逃げ切り勝ちを決めて1番人気となった2020年モンファボリ(13着)や、2021年ポメランチェ(7着)が新馬戦と函館2歳Sのペースの違いに戸惑い着外に沈んだ。
つまり、どんなに好タイムで逃げ切り勝ちを決めても、同じような競馬が函館2歳Sでも通用するとは限らない。むしろ、好位や中団追走から末脚を伸ばす能力が求められるとも言える。
まとめ
函館芝1200mは逃げ先行馬が有利だが、函館2歳Sにおいては前半速いペースになるため、差し馬の末脚も届くことが十分ある。
また今年から、最終週の土曜日から日曜日に施行されることになった。例年よりも馬場状態が悪い時にレースが行われるため、逃げ馬は前半のペースや馬場に戸惑ってしまい、控えた馬が差し切る競馬となる可能性が高いだろう。
加藤
関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。
騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。
