ども、騎手情報担当の加藤です。
今週は札幌競馬場の芝1800mにて、クイーンSが行われる。
このレースは、秋の重賞戦線に向け、夏の女王の称号を賭けて牝馬たちの熱い戦いが繰り広げられる。
今週のクイーンSは、関西馬から昨年のクイーンSで3着、そして今年のG1・ヴィクトリアマイルでも4着と好走したアルジーヌや3連単1万9600円の的中に貢献してくれたG3・フラワーCの勝ち馬レーゼドラマ、関東馬からはG2・紫苑Sの勝ち馬クリスマスパレードなど、粒ぞろいの顔ぶれとなった。
クイーンSは実力馬が好走するレース
札幌競馬場の芝1800mのコースレイアウトは、小回りながらもコーナーの角度が緩やかで、さらに平坦なコースが特徴となっている。そのため、中山や阪神のようなトリッキーなコースとは異なり、変なクセがなく、馬の実力がそのまま結果に繋がりやすい。
過去10年(2015年~2024年)のクイーンSの人気別成績を確認してみると、
| 人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 1番人気 | 3- 3- 1- 3/ 10 | 30.0% | 60.0% | 70.0% |
| 2番人気 | 2- 1- 1- 6/ 10 | 20.0% | 30.0% | 40.0% |
| 3番人気 | 1- 0- 2- 7/ 10 | 10.0% | 10.0% | 30.0% |
| 4番人気 | 0- 2- 1- 7/ 10 | 0.0% | 20.0% | 30.0% |
| 5番人気 | 1- 1- 0- 8/ 10 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
| 6~10番人気 | 2- 3- 4- 41/ 50 | 4.0% | 10.0% | 18.0% |
| 11番人気以下 | 1- 0- 1- 27/ 29 | 3.4% | 3.4% | 6.9% |
1番人気は[3-3-1-3/10]で連対率60%、複勝率70%と成績に安定感がある。また、昨年のウンブライルや22年のウォーターナビレラが1番人気に推されて着外に沈んだ年でも、必ず2番人気が馬券に絡んでいた。
つまり、上位人気馬が大きく崩れることがないレースとなっている。
それもそのはず、過去10年で1番人気に推された馬は全て前走G1出走馬。実績のある馬が人気を集め、きっちりと結果を出すのがクイーンSの傾向と言えるだろう。
前走のクラス別成績を確認してみると
| 人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 2勝クラス | 0- 0- 1- 11/ 12 | 0.0% | 0.0% | 8.3% |
| 3勝クラス | 0- 1- 2- 12/ 15 | 0.0% | 6.7% | 20.0% |
| オープン | 0- 0- 2- 8/ 10 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
| リステッド | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 15.6% | 0.0% |
| G3 | 3- 4- 2- 36/ 45 | 6.7% | 15.6% | 20.0% |
| G2 | 0- 0- 0- 0/ 0 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| G1 | 6- 5- 3- 27/ 41 | 14.6% | 26.8% | 34.1% |
| 海外 | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
前走で重賞に出走した馬が過去10年で合計10勝を挙げている。特に前走G1出走馬組が[6-5-3-27/41]と好成績を残している。4歳以上であればヴィクトリアマイル組、3歳であればオークスやNHKマイルカップ、桜花賞組からの参戦が該当する。特にここ2年は前走オークスに出走した24年コガネノソラ、23年ドゥーラと3歳馬が連勝している。
やはり、前走G1出走馬にとっては、G3となるクイーンSに出走する際、相手関係が楽になることが多く、札幌芝1800mがクセのないコースレイアウトのため、本来の能力を発揮しやすく、前走以上のパフォーマンスを上げやすいのだろう。
その中でもヴィクトリアマイル組に注目していきたいが、[3-4-3-15/25]と非常に相性の良い成績となっている。過去10年中7回、前走ヴィクトリアマイル組が馬券に絡んでいる。好走した馬はもちろんのこと、着外に沈んだ馬も好走してくる。
ただ、前走G1出走馬でも選択するときに注意していただきたい点がある。それは斤量になる。
クイーンSは2023年に賞金別定からグレード別定となり、下記斤量設定が採用されている。
3歳馬 :52kg
4歳馬以上:55kg
▼実績に応じて斤量が増加する
【2024/7/27以降】
G1勝利馬:3kg増
G2勝利馬:2kg増
G3勝利馬:1kg増
【2024/7/26以前】
G1勝利馬:2kg増
G2勝利馬:1kg増
24年にはG1勝利馬スタニングローズ(6着)、G2・紫苑S勝利馬モリアーナ(12着)、23年にはG2・府中牝馬S勝利馬イズジョーノキセキ(5着)が57kgで出走して敗れている。
今年は、関東馬のクリスマスパレードが1年以内の間にG2・紫苑Sを勝利しているため、今回は57kgでの出走となる。実力があっても、重い斤量を背負わされると馬券圏内に来るのは厳しいため、今回は軽視してもいいかもしれないな。
クイーンSはG3やリステッドを勝利してG1出走まで漕ぎ着ける実力があり、かつ55㎏や56㎏でクイーンSに出走できる馬が好走のカギとなってきそうだ。
今年のメンバーでは、4歳馬以上だと前走G1・ヴィクトリアマイルに出走したアリスヴェリテ(55㎏)やアルジーヌ(56㎏)、3歳馬からは前走G1・オークスに出走したレーゼドラマ(53㎏)などが該当する。
加藤
関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。
騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。
