個性派記者の本音トーク 加藤

【スワンステークス】直近3年は波乱傾向!?4つの攻略のカギ!

個性派記者の本音トーク 加藤
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ども、騎手情報担当の加藤です。

秋競馬が盛り上がりを見せる中、海を渡ったデムーロ騎手にいいニュースがあったな!

7月18日からアメリカ・デルマー競馬場を拠点に3カ月間の予定で騎乗することになっているデムーロ騎手は、日本時間10月6日、サンタアニタパーク競馬場の芝1600mで行われる2歳牝馬限定戦のG3・サーファーガールSを、新馬戦から騎乗しているブレイブデブで制し、待望のアメリカ重賞初勝利を挙げた。

この勝利で、同馬は10月31日にデルマー競馬場で行われるブリダーズカップ・ジュベナイルフィリーズターフへの優先出走権を獲得。「いつかBCを制すること」を目標に掲げていたデムーロにとって、自身初となる夢舞台への挑戦権を手にした。

また同レースには、矢作厩舎が管理するコントレイル産駒のスウィッチインラブも参戦を予定しており、注目の一戦になりそうだ!

マイルCSに向けて、重要な前哨戦!
スワンSの出走馬

さて、今週は、京都芝1400mの外回りにてスワンSが行われる。

このレース名は、かつて京都競馬場のスタンドが「ビッグスワン(現ゴールサイド)」や「グランドスワン(現ステーションサイド)」の愛称で親しまれ、実際に場内の池に白鳥が生息していたことに由来している。最盛期には70羽ほどいたが、2016年の鳥インフルエンザ発生以降は姿を消している。

またレースとしては、2014年からは優勝馬にG1・マイルCSへの優先出走権が与えられる重要な前哨戦として位置づけられており、今年も秋のマイル王を狙う実力馬たちが顔を揃えた。

関西馬からは2歳マイルG1王者の実績を誇るアドマイヤズーム、新設G3・チャーチルダウンズCを制し、デビュー以来すべてのレースで掲示板を確保している堅実派ランスオブカオス、関東馬からは、重賞4勝の実力馬ウインマーベルが出走する。

過去10年で人気馬の成績は悪くないが……
激走馬を見抜く4つのカギ

直近3年で三連単40万→51万→83万と配当が大きくなっている波乱傾向にあるレースとなっている。過去10年のスワンSの人気別成績を確認していくと、

■スワンSの人気別成績
※過去10回(2015年~2024年)
人気着別度数勝率連対率複勝率
1番人気2- 2- 1- 5/ 1020.0%40.0%50.0%
2番人気4- 1- 1- 4/ 1040.0%50.0%60.0%
3番人気0- 1- 1- 8/ 100.0%10.0%20.0%
4番人気1- 0- 2- 7/ 1010.0%10.0%30.0%
5番人気1- 1- 0- 8/ 1010.0%20.0%20.0%
6~10人気1- 4- 2- 43/ 502.0%10.0%14.0%
11~人気1- 1- 3- 62/ 671.5%3.0%7.5%

1番人気は複勝率50%、2番人気の複勝率は60%と上位人気馬の成績は悪くないように見える。しかし、1番人気が最後に勝利したのは、2021年阪神開催のダノンファンタジーまで遡る。

昨年は5番人気→6番人気→13番人気の決着で高配当が飛び出しており、過去3年で馬券に絡んだ9頭のうち、5頭が2桁人気の伏兵だった。なぜこれほどまでに荒れるのか、その理由を探っていこう。


①前走からの「巻き返し」


このレースは前走凡走からの巻き返し組が強く、実際に前走の着順別成績を確認してみると、

■スワンSの前走着順別成績
※過去10回(2015年~2024年)
前走着別度数勝率連対率複勝率
1着2- 1- 2- 18/ 238.7%13.0%21.7%
2着1- 3- 1- 6/ 119.1%36.4%45.5%
3着0- 0- 1- 10/ 110.0%0.0%9.1%
4着3- 1- 1- 11/ 1618.8%25.0%31.3%
5着0- 0- 1- 4/ 50.0%0.0%20.0%
6~9着4- 3- 3- 35/ 458.9%15.6%22.2%
10着~0- 2- 1- 53/ 560.0%3.6%5.4%

前走勝利した馬よりも、4着や6~9着に敗れていた馬が好成績を収めている。特に「前走重賞で6~9着」だった馬は[3-3-3-24/33]で複勝率は27.3%と、約4回に1回は馬券に絡んでいる。

また、「前走重賞で6~9着」で馬券圏内に好走した9頭のうち7頭に重賞勝ちの実績があったことからも、近走は敗れているが、確かな実力を持つ馬の巻き返しに期待ができそうだ

ただし前走で勝ち馬から1秒以上離された馬は[1-1-1-34/37]と成績が良くない。したがって、前走敗退かつ着差が大きい場合は割引が必要となる。


②1400mの距離適性と前走マイル戦の馬


1400mという距離も重要なポイントになってくる。1200mでは追走に苦労し、1600mでは終いが甘くなる、といった馬にとって絶好の舞台となる。昨年の勝ち馬ダノンマッキンリーも、1200mや1600mでの勝利はなかったが、デビューから勝利した3勝はすべて1400m戦だった。

そのため、前走で1400mに出走した馬よりもスプリント戦やマイル戦を走った馬が多く勝利しており、

■スワンSの前走距離別成績
※過去10回(2015年~2024年)
前走距離着別度数勝率連対率複勝率
1200m3- 2- 3- 51/ 595.1%8.5%13.6%
1400m2- 2- 2- 28/ 345.9%11.8%17.6%
1600m5- 4- 3- 45/ 578.8%15.8%21.1%
1800m0- 2- 1- 6/ 90.0%22.2%33.3%
2000m0- 0- 1- 3/ 40.0%0.0%25.0%

夏競馬には芝1400mの重賞が組まれていないため、これより前になると5月の頭に行われる京王杯スプリングCが最後になるため、ここからだと久々の出走となりパフォーマンスを発揮できない傾向にある。

そのため、前走が夏競馬やスプリンターズS等のスプリント戦や春のG1や夏競馬のマイル戦を使われてきた馬が多くここを出走している。その中でも特にマイル戦は【5勝】と最多の勝ち星を挙げている。距離短縮が良い刺激となり、パフォーマンスを上げる馬が多いのだろう。


③G1好走馬


本番であるG1・マイルCSを見据えた実力馬が多く参戦するため、あくまで「叩き台」として出走してくるケースも少なくない。

だがG1好走馬は

・仕上がり途上で凡走

・相手関係の楽なここで一変


という2つのパターンに分けられる。

前者の場合はG1好走実績があるため人気を背負うが、それを裏切る形となり大波乱となる。

後者の場合は、2024年3着トゥラヴェスーラ(13人気)のようにG1好走実績がありながら近走成績が悪いため人気を落とし、一変して波乱を演出する。

ということで、G1好走馬はどちらのパターンに当てはまるか見極める必要があるな。


④3歳馬


京都開催で行われたスワンSでは、3歳馬の成績が良く実際に過去10回の年齢別成績を確認してみると、

■京都開催で行われたスワンSの年齢別成績
※過去10回(2012年~2020年、2023年~2024年)
年齢着別度数勝率連対率複勝率
3歳5- 1- 0- 13/ 1926.3%31.6%31.6%
4歳1- 2- 2- 24/ 293.4%10.3%17.2%
5歳3- 5- 5- 43/ 565.4%14.3%23.2%
6歳1- 2- 2- 24/ 293.4%10.3%17.2%
7歳0- 0- 0- 20/ 200.0%0.0%0.0%
8歳0- 0- 0- 3/ 30.0%0.0%0.0%

3歳馬が最多の【5勝】を挙げており、勝率は26.3%と好成績を残している。成長が著しいこの時期に古馬より2kg軽い斤量で戦えるのは大きなアドバンテージになっているようだ。

一方で、5歳馬も複勝率では引けを取っておらず、5歳馬かつ16~20戦と多くレースを経験した馬の成績は[3-1-1-14/19]と【3勝】している。

スワンSでは3歳馬に注目する必要があるけど、豊富なキャリアもレースを有利に進める上で重要な要素となりそうだけに、該当しそうな5歳馬もマークしておこう。

まとめ

今年のスワンSは番組編成で4週目から2週目に移動した。さらに変則的な3日間開催の最終日、月曜日に行われる。ただでさえ波乱含みの一戦が、イレギュラーな日程によってさらに波乱を呼ぶ可能性がある。

これまでのデータを総合すると、「重賞実績のある、前走マイル戦で敗れた馬」や「3歳馬」、「1400mを得意とする実力馬」が狙い目となりそうだ。

ただオレは、今年のスワンSですでに、一変のある爆穴候補となる騎手情報を掴んでいる。今週末に公開予定のため、楽しみにしていただきたい!

加藤

関西ジョッキーは「だいたい友達」
幼少期に競馬場で武豊を生で見てジョッキーを志し「圧倒的に勝ちまくるユタカとアンパンマンが幼少期のヒーローだった」(本人談)。残念ながら競馬学校入学の規定に合わず夢を断念するも、同じ世界で働きたい一心で業界に飛び込んだ。「最後に馬券を託すのは騎手。騎手なくして馬券は買えない」が座右の銘で、関西ジョッキーはだいたい友達を公言し、騎手エージェント事情にも深く精通している。

騎手を志しただけあって騎乗技術にはとてもうるさく、ほとんどの騎手のクセを手の内に収めている。横山武史、坂井瑠星など、サイト内でブレイクを予告した若手騎手が軒並み大活躍中。

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