個性派記者の本音トーク 黒木

今年最後の2歳馬トレーニングセールが終了し、いよいよ夏競馬へ……

個性派記者の本音トーク 黒木

今年最後の2歳馬トレーニングセールが終了し、いよいよ夏競馬へ……

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どうも黒木です。

今週は札幌競馬場にて日高軽種馬農業協同組合(HBA)が主催する2歳馬のトレーニングセール『HBAトレーニングセール』が行われた。

これまでに行われてきた『JRAブリーズアップセール』はJRAが購入した馬、または生産した馬が上場され、『千葉サラブレッドセール』は、主に『社台ファーム』や『岡田スタッド』の生産馬が上場されている。

そんな中で『HBAトレーニングセール』は最後に開催される2歳馬セールとなるが、こちらは前年の1歳馬セールで売れ残った馬だけでなく、JRAのように特定の育成牧場が1歳馬セールで購入した馬を独自に鍛えて上場する場合もある。

ただ『JRAブリーズアップセール』とは違い、育成牧場が購入した馬の全てが上場されるとは言い切れないもの。

『ブリーズアップセール』ではJRAで購入した馬がほぼ全て上場されるものだが、『HBAトレーニングセール』では、基本的に「1歳時の購入価格より高く売れる」と見込まれた馬を厳選して上場しているように見える。

一部の馬について、1歳セールの落札価格と今回の価格を比べてみると……

リブレドバンク2022
(父ノヴェリスト)
【110万円】オータムセール
 ↓
【627万円】HBAトレーニングセール

公開調教タイム
11.8秒、11.7秒(2F23.5秒)
トウシンヴィーナス2022
(父オーヴァルエース)
【220万円】サマーセール
 ↓
【1210万円】HBAトレーニングセール

公開調教タイム
11.9秒、11.2秒(2F23.1秒)
といった感じで、1歳時の購入価格を上回る値段で落札されている。

これだけの落札価格となった要因のひとつとして、公開調教で好タイムを叩き出したことも挙げられるだろう。

さらに落札された馬が競馬でも勝ち上がったり重賞を勝ったりすれば、育成牧場のブランド力向上にも繋がるところ。そういった意味では、JRAのトレーニングセールより質の高い馬が集まりやすいかもしれない。

最後に『HBAトレーニングセール』の結果だが、

総売上額:4億6574万円(税込み)
売却率:70.9%

2023年の6億6704万円、2022年の7億6934万円には遠く及ばなかったが、今年は上場頭数が86頭と、セール史上初の2桁となっていた。

それでも今年は最高価格2750万円(税込み)、平均価格765万円と、昨年の数字を上回っている。質的にはここ数年と比較しても劣る面はないので、恐らく1歳セールの売れ行きが好調すぎた結果、2歳セールの上場数が減少したとも考えられる。

これで2歳馬セールが終了し、来週6月から2歳戦がスタート。さらに7月あたりから1歳セールも本格的にスタートして、馬の取引を巡る馬主や調教師、そして牧場や外厩も、それぞれ有利な条件で目的を達成するため、いろいろ動き出してくるだろう。

もちろんCHECKMATEでも、様々な方面に精通している情報網が『とっておき』の情報を入手できる態勢を整えている。そういった関係者の思惑が絡んだ夏競馬情報も、馬券的に大きく注目できるものとなっているので期待してほしい。

黒木

モットーは目と足で稼ぐ!外厩請負人
毎週、競馬場に通っているうちに他の施設にも興味を持ち、生産の現場や、外厩・牧場などを渡り歩く日々を送っており、全国各地の牧場施設で顔が売れているという。一時は某牧場での勤務も経験しており、外厩での調整ノウハウを肌身を持って経験したことも。

競馬新聞で得られる情報と、現地で肌で感じた情報とのギャップに疑問を抱き、それを馬券に落とし込むのが身上。

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