個性派記者の本音トーク 佐山

【関東の主役2頭の死角】ソールオリエンス、タスティエーラ、貴方たち初体験ですよね?

個性派記者の本音トーク 佐山
佐山

関東情報を担当する佐山です。今日は美浦からも菊花賞の話題を挙げてみよう。

ちなみに、タイトルの初体験は言うまでもなく『3000m戦』ではない。それは全員に言えることだからな(笑)。

菊花賞は木曜日に枠順が出るレースということもあって、今日の午後は美浦でもその話ばっかりだったなー。

ソールオリエンス陣営は特に距離を気にしているという実情があって、それだけにこの外枠はちょっと試練かもしれない。それに、左回りの方がコーナーの走りが上手な馬でもある。武史にはかなりの腕が問われるレースになるだろう。

一方、タスティエーラの方は4枠7番ということで、競馬ファンからすると“相対的に良く見える”って感じのところかな。個人的に、どうもこの馬に関しては能力面で疑問も残るんだが、初騎乗のモレイラがどう乗ってくるかは楽しみではある。


さて、この2頭に関する懸念はCHECKMATEサイト内でも各所で公開されている。そちらもぜひ読んでいただくとして、自分からまた別の視点での“死角”を探ってみよう。

この2頭はどちらも今回がデビューから6戦目だが、ある共通点が存在している。それは『今まで東京・中山でしか走ったことがなく、レース出走時の長距離輸送は今回が初経験』という部分だ。

その他の関東馬……例えばハーツコンチェルトは珍しくデビューが2歳秋の中京だった。シーズンリッチは春の時点で阪神への遠征経験(毎日杯勝利)がある。この2頭とナイトインロンドンは神戸新聞杯にも出走していた。

ノッキングポイントドゥレッツァパクスオトマニカウインオーディンに関しては関西圏でこそないが、美浦からそれなりに距離のある新潟への遠征歴がある。

すなわち、東京や中山といった近場での競馬しか経験をしていないのは、ソールオリエンスとタスティエーラだけなんだよ。

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※写真はイメージです

……ところで、皆さんは美浦トレセンから京都競馬場がどれくらい離れているかってご存知かな?


答えは約600キロ。輸送時間にすると大体9時間だ。


もちろん、近年は外厩での調整がメインになっている事情もあって、トレセンから馬運車に長く乗る経験をしている馬はそれなりに増えたんだが、大事なレースに向けて“仕上がった状態”での長距離輸送に関しては今回が初めてだ。

極限まで仕上げられた状態で、馬も気を張った中での長距離輸送となると、競馬場についてから肉体面・精神面でどう転ぶか……というのは分からないところが多くなる。それだけは間違いないだと言えるだろう。

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そもそもの話、これは番組の都合上仕方ないんだけど、牡馬にとっての重要レースって『3歳春までは関東圏が中心』なんだよな。

阪神で行われる朝日杯FSだけは例外としても、ホープフルSは中山だし、皐月賞も中山。ダービーは東京だ。また、その中間に行なわれるトライアルレース……例えば弥生賞やスプリングSは中山だし、近年重要視されている2歳秋の重賞レースも、サウジアラビアRCや東スポ杯など、東京に目立っている。

そういう事情もあって、美浦の牡馬たちは『3歳秋を迎えるまで、長距離輸送を一切経験しない』というパターンの馬が多いんだよな。山川記者の分析で“セントライト記念の好走組が菊花賞で沈むパターンが目立つ”というのには、こういった背景もあると感じるね。



そして、これは個人的な経験則だが、関西馬が強い理由のひとつとして“若い頃から輸送慣れしている”部分って絶対にあると思うのよね。

上記したレースへの輸送経験を早いうちから積んでいることも多いし、そもそも『関西馬なのに関東圏でデビューさせる』というケースだって多いじゃない? でも、逆は滅多にないんだよ。

関東馬が関西でデビューして、しっかり勝ち上がって出世していくケースが相当少ない。この時点で“西高東低”の現実がアリアリと見えてくる。

近年、関西圏で新馬勝ちして、その後重賞戦線で活躍したケースって、恐らく中京の新馬戦で勝ち上がったノースブリッジくらいなんじゃないかな。それも『狙った関西圏でのデビューじゃなくて、予定していた中山の番組を除外されて回ったのが上手くいった』というのが実情だから、意図したケースだとマジで思い浮かばないぞ……。一応、ハーツコンチェルトは頑張っている方とは言えるけども。


とまあ、本来なら自分は関東勢を応援するような立場でも不思議ないワケだが、間近で見ているからこそ怪しく思う部分が多いというのが実情というのは覚えておいてほしい。


そして、実はココだけの話だが、来週の天皇賞(秋)も“実はイクイノックスを安易に信頼するのは悪手じゃないか?”という特別なネタを握っている。コチラについてはまた改めて紹介させてもらうとしよう。

佐山

栗東から美浦へ…ライバル陣営の情報は任せろ
ビッグボス堀江を師と仰ぎ、かつては同じく記者として栗東で活動していたベテラン。栗東を出たことのない根っから地元民だったが、ある時に関東情報の収集のため美浦に派遣されたことをキッカケに、今では『ライバル陣営』にあたる関東圏の勝負情報を一手に引き受けるリーダー的存在となった。

本人曰く『向こうの水が合っていた』とのことだが、実際は“遊び”の環境が揃う関東圏の生活が楽しくて仕方がないらしい。しかし、仕事には一途であり、その“遊び”も含めて関係者からの本音を引き出す技術は一級品である。

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