個性派記者の本音トーク 佐山

【もうひとつのダービー】中央勢の圧倒……東京ダービー開放元年がこれで大丈夫なのか【一番凄かったのはどの馬?】

個性派記者の本音トーク 佐山
佐山

ども、函館の佐山です。

今週から自分も函館と美浦の往復生活が始まった。北海道シリーズの方も精一杯頑張らせてもらうので期待していただけると嬉しいね。

そんな函館の話題についてはこの先各所で紹介するとして、ここでは昨日行なわれた東京ダービーの話をしたい。

自分は北海道の宿舎でテレビ観戦となったんだが、このレースについては思うところが色々とあったのでお付き合いいただければ幸いに思う。

■東京ダービーの結果
着順馬名タイム・着差所属
1着ラムジェット2:06.1(稍重)JRA(栗東)
2着サトノエピック6馬身JRA(美浦)
3着アンモシエラ2馬身JRA(栗東)
4着シンメデージー2馬身1/2高知
5着ハビレ1馬身1/2JRA(美浦)
6着シシュフォス5馬身南関東(船橋)
7着フロインフォッサル2馬身南関東(船橋)

今年から中央(JRA)勢に開放されることとなり、南関東を舞台に本格的に整備されることになったダート三冠路線だったが、結果はこの通り。中央勢が上位を独占する形となり、中でも関西馬ラムジェットが圧勝した。

まあ、美浦勢は一冠目の羽田盃を勝ったアマンテビアンコが離脱した時点でちょっとトーンは下がってしまっていたな。サトノエピックはよく頑張ったと思う。

ラムジェットの鞍上・三浦皇成はこの馬とのコンビで4戦4勝だから見事の一言。これで『Jpn1』のタイトル獲得は3つ目となった。後はもう、とにかく『G1』のタイトルが欲しいよな~。

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現場取材にあたった
後輩情報網が撮影

そんな中で、意気消沈といった結果になってしまったのが、今年から舞台を中央勢に開放する形になった地元・南関東勢だろう。

最先着は6着のシシュフォス。昨年に門別(ホッカイドウ競馬)でデビューして、今年から船橋に移ってきた馬だ。4月に重賞・東京湾カップ(南関東S2格付け)を制していた。

続く7着がフロインフォッサル。この馬はデビューから船橋に所属する南関東の生え抜き勢で、羽田盃では展開や少頭数に恵まれたところはあれど3着と健闘していた。

ところが、この2頭でさえ勝ち馬からは3秒以上離された完敗となってしまった。せっかくの開放元年でこの結果というのは、ちょっと先々が思いやられるところがある。

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一応フォローしておくと、南関東勢の最有力どころがケガやら頓挫やらで出てこれなかったってのはあるんだ。

その筆頭格がサントノーレという馬。昨年暮れに全日本2歳優駿(Jpn1)で中央馬相手に3着と好走して、今年3月の京浜盃(Jpn2)ではアンモシエラら中央勢相手に7馬身差の圧勝を決めていたんだが、その後に右膝を骨折して戦線離脱。もっとも、この馬も門別デビュー組なので南関東の生え抜きでは無いけどな。

南関東生え抜き勢では、ダテノショウグンという馬が頓挫しちまったのが悔やまれる。昨年5月に2歳新馬戦を圧勝した後、昨年10月末のハイセイコー記念(南関東S1格付け)まで無傷の5連勝で突破したんだけど、今年の始動戦を予定していた雲取賞(Jpn3)を蹄の不安で回避。なんとかダート三冠路線の最終戦・ジャパンダートクラシック(10/2予定)に間に合ってほしいところだ。

とはいえ……なんだよな。

そもそも一冠目の羽田盃がたった8頭立てになった時点で南関東勢のモチベーションの低さを感じさせられた上に、今回現実に突き付けられたのは“たった4頭しか出走していない中央勢”による上位独占。そして南関東勢は完敗という結果だ。恐らく来年からは中央勢の枠は増やされるだろうし、ますます厳しい戦いになるだろうな。


ちなみに、東京ダービー単体のレース売上だけを見ると昨年が約11.2億円で、今年が約26.1億。前年比で約232%となっている。この数字だけを見ると、南関東競馬の運営サイドにとってはホクホクなのかもしれない。

ただ、この結果を見て、今後の南関東競馬でより魅力的なレースが展開されるのか、そして馬主サイドとしては南関東に馬を預けるメリットがあるのか、という点でかなり不安が残る結果だったように思う。

厳しいことを言うようだが、この結果が続くようだと単なる“馬場貸し”になってしまうだけだ。競馬において『魅力的なレースをファンに届けること』は非常に大事になる。なんとか南関東勢にも打開策を示してもらいたいところ。


そんな中で、大健闘と言っていいのは4着シンメデージーだろう。

この馬は高知競馬所属で、地元・高知のレースをデビューから5連勝した後、園田に遠征して今年から新設された西日本クラシックというレースも完勝。そして今回は一躍、大井までやってきて地方馬最先着を果たした。

そう、“高知競馬がアツい”というのは、CHECKMATEでは結構前から言ってきた通りだ。

▼改めてチェックする価値大!

こういう部分でも高知競馬のレベルが上がってきていることを実感させられたのは、前々からこの競馬場に注目している我々としては喜ばしい部分でもある。


そして、今回シンメデージーが4着と健闘したことは、馬主さんや厩舎サイドにとってもメチャクチャ大きい。というのも、ただ単に4着分の賞金(1000万円)だけではなく、追加ボーナスが色々と入ってくるからだ。

競馬ファンの皆様が知っておく必要は特に無いけども、地方競馬には地方競馬なりに、馬主への奨励金制度が色々とある。今回のような大レースに出走して上位に入線すればボーナスが獲得できる可能性があるんだよな。

そんでもって、今回シンメデージーによってもたらされた賞金は概ねこんな感じだ。

シンメデージー陣営が
今回ゲットした主な賞金
4着本賞金:1000万円

地方馬最先着の報奨金:1000万円

地方馬のみの付加賞金:1000万円
(※今回は1着本賞金:1億円の10%分獲得)

これだけでざっと3000万円ゲットとなる。この賞金額、なんと地元・高知でダービーに該当するレースである高知優駿の1着賞金(1600万円)より遥かに高い

こういう結果をもたしてくれただけでも陣営にとっては大きいし、全国各地の馬主に対して高知競馬のレベルが上がっていることを広く知らしめることもできた。

さらに掘り下げると、その高知優駿にはプリフロオールインという、これまた地元のスター候補が出走する予定だ。新馬戦で2着に敗れた後は目下7連勝中で、前走の黒潮皐月賞は2着に6馬身差の圧勝だった。

しかもこの馬を管理する厩舎、シンメデージーと同じ打越勇児厩舎なんだよねえ。これでプリプロオールインが目論見通りに高知優駿を勝利すれば、これ以上ない『使い分け大成功』と言っていいだろうな。

こういう風に、馬だけじゃなくて“人”のレベルやモチベーションも上がってきているのが今の高知競馬だ。


話の落としどころが難しくなったが……、CHECKMATEにとっての主戦場はもちろん中央競馬だ。

しかし、先週の安田記念で香港勢の研究が実を結んだり、こうやって地方競馬の趨勢をしっかり言い当てている点からも、競馬サークルの日々の動きを幅広く見ておくことの大事さってのは改めて伝わっていると思う。

当然、こういう部分は競馬ファンの皆様にはなかなか手が回らないところだと思うんですよ。第一に日々の生活があり、その中に競馬があるわけですから。

そんな中でも、より有意義な独占情報や勝負馬券をしっかりお届けできるよう、今後も視野を広げて活動していかなければならない。そんなことも改めて思わされる東京ダービーの結果だった。まずは夏の勝負処、北海道シリーズを中心にしっかり取り組んでいこう。



……最後に余談も余談だが、前から言っているようにココ最近は高知競馬のレベルが上がっていて、元中央馬の移籍もますます増えている。そんな中で今週末の高知開催の出馬表を見てみると、“こんな馬まで!?”ってのが結構あった。

ヴァンケドミンゴ(6/9高知5R予定)
※C3クラス編入

メイショウオーパス(6/9高知6R予定)
※C3クラス編入

こんな風に、ついこの間までJRAのオープンクラスで走っていたベテラン馬たちまで移籍するようになっている。

もちろん、中にはすでに能力に限界が見えていたり、不安を抱えながら走っている馬も少なくはないんだが、こういう馬たちに“同窓会”のように出会えるのも今の高知競馬も面白さのひとつと言えるかもしれないな。

佐山

栗東から美浦へ…ライバル陣営の情報は任せろ
ビッグボス堀江を師と仰ぎ、かつては同じく記者として栗東で活動していたベテラン。栗東を出たことのない根っから地元民だったが、ある時に関東情報の収集のため美浦に派遣されたことをキッカケに、今では『ライバル陣営』にあたる関東圏の勝負情報を一手に引き受けるリーダー的存在となった。

本人曰く『向こうの水が合っていた』とのことだが、実際は“遊び”の環境が揃う関東圏の生活が楽しくて仕方がないらしい。しかし、仕事には一途であり、その“遊び”も含めて関係者からの本音を引き出す技術は一級品である。

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