
こんばんは。千葉の……じゃなくて美浦の佐山です。
先週までの新潟・札幌の2場開催が終わり、今週から夏競馬のラストまで新潟・中京・札幌の3場開催となる。
これに伴って、新潟は再び関東の主場扱いとなる関係で、未勝利戦や1勝クラス戦は『自ブロック制』が敷かれる。基本的には関東馬の出走が優先という形に戻るな。
▼自ブロック制の解説はコチラ
とはいえ、これでココ2週のような関西馬の遠征ラッシュが収まるというワケでもなく、特別戦には勝負をかけてきそうな関西陣営の名前が至るところにある。関東陣営を主に取材させてもらっている身としては関東馬に頑張ってほしい気持ちもあるが、馬券についてはシビアに考えなければ。
という中で、この3場開催に戻ったタイミングで、休んでいた関東所属のジョッキー達が続々と帰ってきたのでご紹介しておこう。
まずは津村明秀。ヴィクトリアマイルを関西馬テンハッピーローズで制してGI初制覇を遂げ、さらに頑張ってほしいところ。福島開催の終盤から左鎖骨のプレート除去手術とリハビリで休んでいたな。
続いて菅原明良。彼は春に発症した虫垂炎の再発防止手術のため、新潟の前半2週を丸々パス。こちらも不安が解消したことで、より競馬に集中できることだろう。
この2名は復帰初週から数多くの騎乗依頼が集まっている。
個人的には「ジョッキー達はもう少しゆとりを持っても良い」と思っていて、特にベテラン勢は身体の至るところに疲労や爆弾を抱えていることも珍しくない。特に、日本の競馬はいわゆる“完全オフシーズン”が無いからな。
この夏は川田将雅の休暇も話題になったが、後から聞くと「股関節周辺の痛みで開催後は家にも帰れず、小倉の調整ルームで寝たきり。翌週以降も絶対安静だった」というから驚いた。
騎手情報担当の加藤記者からの情報によると、どうやら彼は来年以降、あらかじめ長期目線で身体のメンテナンス期間を設けるつもりらしい。ルメールみたいに夏や年末年始に積極的に休むのも悪くないだろう。
仮にトップジョッキー達が休んでいる間は、若手たちが活躍する場となれば、競馬界も良いサイクルになるんじゃなかろうかね。
そして、実は人知れずコッソリと休んでいたのが、JRAジョッキー最年長の柴田善臣さんだ。
先月7月30日で58歳を迎えたんだけど、新潟の前半2週間は調教・レースに全く乗らず、病院でのケアやリハビリに励んでいた。どおりで誕生日を祝えなかったワケだ(笑)。
2022年は3勝、2023年は9勝、今年は現時点で4勝と、勝利数は決して多くは無いが、長年の経験から来る騎乗技術は今も健在。CHECKMATEでも随所にお世話になっている。特にアイブランコとのコンビは走っても走っても人気しなくてありがたかったな。
(※有料会員様限定公開)
昨年[9月18日(月)阪神11R]
◎セラフィックコール
穴アイブランコ(10番人気) ←柴田善騎手
○オーロイプラータ(3番人気)
馬 連:9550円的中
3連複:1万3700円的中
3連単:6万7710円的中
昨年[5月21日(日)東京12R]
◎ジャスパーグレイト
○レッドファーロ
穴アイブランコ(13番人気) ←柴田善騎手
馬連1点目: 530円的中
3連複:1万7390円的中
3連単:7万1730円的中
今の善臣さんは、ジョッキーのネームバリューで騎乗が売れるということも正直ほとんどなくなった。特に若い競馬ファンや記者の中には、彼の全盛期を見ていない人間も増えてきている。“大らかなおじいちゃん”としか思ってない連中が結構居るような気がしないでもない(苦笑)。
だからこそ、ここぞの一発があった時に配当がハネるんだよな。『大ベテランのリフレッシュ放牧明け』のパフォーマンスも注目しておこう。

佐山
栗東から美浦へ…ライバル陣営の情報は任せろ
ビッグボス堀江を師と仰ぎ、かつては同じく記者として栗東で活動していたベテラン。栗東を出たことのない根っから地元民だったが、ある時に関東情報の収集のため美浦に派遣されたことをキッカケに、今では『ライバル陣営』にあたる関東圏の勝負情報を一手に引き受けるリーダー的存在となった。
本人曰く『向こうの水が合っていた』とのことだが、実際は“遊び”の環境が揃う関東圏の生活が楽しくて仕方がないらしい。しかし、仕事には一途であり、その“遊び”も含めて関係者からの本音を引き出す技術は一級品である。