個性派記者の本音トーク 佐山

【実は関東騎手でした】西塚洸二、栗東で躍進。紆余曲折の舞台裏とは?

個性派記者の本音トーク 佐山
佐山

ども、美浦の佐山です。

先週末は推奨馬券への沢山の反響、誠にありがとうございました。

詳しくは先週末に書いた【スマッシュヒット紹介ページ】の方をご覧いただきたいが、今後も関西情報社CHECKMATEの“敢えての美浦担当”として、良い情報を上げていけるよう励むのみだ。

さて、先週に続いて今週も平日コラムを担当させてもらおう。先週ピックアップした佐々木大輔に続いて、今週はその同期にあたる西塚洸二を採り上げたい。

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西塚洸二騎手

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西塚についてはこの前、新潟競馬場に堀江記者が出張していた時にとにかく勝ちまくっていたのが特に印象的だった。実際、今年に入ってからの躍進ぶりは見事なモンだ。

■西塚洸二の騎乗成績
(※2024年は10/27終了時点)
着別度数勝率順位
2024年40-31-31-3678.5%18位
2023年15-20-14-2984.3%62位
2022年10-4-8-1755.1%75位

元々、デビュー当初は『幼少期はニュージーランド育ち』という帰国子女の側面がクローズアップされ、英語がペラペラ……なんてところでも話題になっていたな。

そして、早くも忘れられていそうだが、この西塚は美浦でデビューした一人だった。しかも美浦界隈で特に有力と言われる騎手エージェントT氏が付いていて、将来有望と言われていたんだよ。


ところが、2年目を迎えた春に美浦を飛び出し栗東へ。

現場では「いくら何でも早すぎる」とか「勝手に出て行ったようなモンだ」という声がアチコチから飛び交っていたが、そもそも新人の頃から素行面で様々ウワサはあったんだよね。過去のデータが見られる人は追ってみれば良いと思うが、“ケガでもないのに不自然に騎乗していない期間”があったりもする。

あんまり世代論にしたくない気持ちもあるが、昨今の競馬界は若手関連のトラブルが目立つ部分は否めない。やっぱり、育ってきた環境の違いが大きいのかねえ。


ただ、結果として美浦を飛び出したのは西塚にとっては良い方に働いた

というか、栗東に腰を据えるにあたって、藤原英昭調教師が手を差し伸べた上に、その後に栗東の超敏腕エージェントK氏がついたのがあまりにも大きかったな。

そもそも、縁が全く無さそうな藤原英センセイの目に留まった理由が『ルーキー時代の夏の北海道で、たまたま乗ってもらった人気薄馬で2度馬券に絡んだ』という部分が大きかったらしく、キッカケがどこに転がっているかは分からないモンだねえ。

加えてもうひとつ、西塚が栗東に転がり込んだのと近い時期に、藤原英厩舎に所属していた岩田望来との師弟関係がこじれたんだよね。それで、厩舎的にも『ローカル回りや減量に頼りたい馬は西塚にしちゃおう!』という向きになったんだろうな。


西塚本人としては「美浦なんか飛び出して良かった!」って思ってることだろう。実際、若手を育てようとする土壌や、起用機会については間違いなく栗東の方があるからな。悲しいかな……。

でも、前の師匠(鹿戸雄一調教師)のところを飛び出す時に、ちゃんと話を通すべきだったとは思うぞ(苦笑)。先週で終了した4回新潟開催の騎手リーディングが西塚で、調教師リーディングが鹿戸センセイなの、偶然にしても変な笑いが出ちまったよ。

まあ、当人としては“若気の至り”ってヤツなんだろうけど、これからさらに成長して「アノ時は色々やらかしたな……」と思って糧にしてくれればと願うばかりだ。

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菊花賞当日
新潟牝馬Sをホールネスで勝利

さて、最後に今年の西塚の成績とか、特筆点を少々。まずは関西馬・関東馬での違いを。

関西馬(35-29-27-326)
関東馬(5-2-4-41)

ご覧の通り、今ではすっかり“関西の人”だな(苦笑)。そりゃあ、美浦の人間にはあまり良い印象を持たれていないってのは、出て行った時のアレコレがあるから当然かもしれないけどな。


中でも、やっぱりホットラインになってるのは藤原英厩舎だよな。

今年だけの成績を見ると(15-4-9-43)勝率21.1%・複勝率39.4%。特にこの秋の新潟開催は(3-0-2-4)で勝率33.3%・複勝率55.6%だった。新潟牝馬Sのホールネスも見事だったしな。

ただ、そのホールネスに関しては、エリザベス女王杯で坂井瑠星に乗り替わりとなるらしい。この辺りはオーナーサイドの意向や、有力騎手で空いている人間が居れば声がかかったりもあるので仕方がないところか。

GIに乗れない分はローカルで良い馬が集まりやすいだろうから、そこで馬券的に狙えるタイミングも出てくることだろう。ぜひともご注目いただきたい。

佐山

栗東から美浦へ…ライバル陣営の情報は任せろ
ビッグボス堀江を師と仰ぎ、かつては同じく記者として栗東で活動していたベテラン。栗東を出たことのない根っから地元民だったが、ある時に関東情報の収集のため美浦に派遣されたことをキッカケに、今では『ライバル陣営』にあたる関東圏の勝負情報を一手に引き受けるリーダー的存在となった。

本人曰く『向こうの水が合っていた』とのことだが、実際は“遊び”の環境が揃う関東圏の生活が楽しくて仕方がないらしい。しかし、仕事には一途であり、その“遊び”も含めて関係者からの本音を引き出す技術は一級品である。

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