個性派記者の本音トーク 山川

【ジャパンC後記】『レベルの高いレース』の満足感と、『馬券価値』は別で考える

個性派記者の本音トーク 山川
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久々に水曜日から筆を執ってみよう。重賞分析をメインで担当している山川です。話題はズバリ『ジャパンC』だ。

この記事の主目的のひとつは“自分のメモ”でもある。今年のジャパンCを取り巻いていた状況や馬券の考え方を記録として残しておきたいという意図で書いている部分もあるので、あくまで「こういう考え方もある」という風に捉えてもらえれば。

ただし、今後も中長期的な馬券の勝利を目指す上では欠かせない要素だとも思っている。参考になれば幸いだ。

ジャパンCは馬券的に
価値のあるレースだったのか?

先週の情報公開時に、ジャパンCに関しては事前に自分からお願いして、下記のような内容を掲載してもらった。そのまま引用する。

近年はジャパンカップに豪華メンバーが集結するようになっており、今年は世界1位イクイノックスvs三冠馬リバティアイランドという好カードが実現。紛れの生じづらい東京芝2400mでどちらが先着するか、非常に注目を集める一戦となった。

CHECKMATE情報班一同としてもこの直接対決に対する興味は尽きない。俺も本当にワクワクしている。

しかし“馬券”は別だ

あえて言わせていただくと、今年のジャパンカップは『馬券を買わずに観戦する』という選択肢も往々にしてありだと考えている。

18頭立てになったが、本来であればこのレースへの出走を考えていなかったような馬が多数出走している状況。オッズを見ての通り、二強の馬連は前日段階で2倍。もちろんここにBETしてもいいのだが、かねてからお伝えしているように『G1も未勝利戦も同じ“レース”に変わりない』のである。G1裏に妙味のあるレースは数多く存在する。

馬券の購入に関しては会員様個人の判断に委ねるが、当ページで公開する結論はあくまでも参考の買い目である。

ただ、合わせてもう一つお伝えしたいことがある。

メイチの仕上げで臨んできたリバティアイランドが、いかにして王者イクイノックスへ挑戦するか。その世紀の挑戦をしかと見届けてほしい!

有料会員様限定情報でお伝えした内容をそのまま引用。

そして、皆様もご存知の通り、配当的にはめちゃくちゃ安いレースになった。

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驚安の殿堂!
※堀江さんより画像提供

馬連を1点で買っても回収率は180%。1000円購入なら1800円だ。もちろん、ココに大枚を投資すれば、例えば100万円が180万円にもなったとは言えるが、そこまでのリスクを取れる人間は決して多くないだろう。自分でもそれは無理だ。

それに、ココで100万円を1点に張れる人間の多くは、そもそもその100万円を失っても大して痛くない立場だろうよ。全員がそうとは言わないが。

要するに、馬券の収益性という意味では、大半の人間にとっては価値の低いレースだったと言える。ただ、的中という結果が欲しい人に向けては最適だったとも言い換えられるな。

誤解してほしくないので、今年のジャパンCは非常に質の高いレースを見られて、自分も大きく満足しているということだけは真っ先に言っておく。“つまらないレース”と揶揄するつもりは一切ない。

パンサラッサの大逃げに始まり、イクイノックスのルメール、リバティアイランドの川田の駆け引きなど、めちゃくちゃレベルの高いレースだったと思っている。

②けれども、馬券の売上は
昨年比で大幅アップ。この背景は?

ちなみに、今年のジャパンCは前年比で売上は122.9%をマークしていた。それだけ、多くの方が馬券に参加したということ。大きな儲けは期待しづらいにも関わらず……だ。これ、結構大事なポイントだと思う。


例えば、記念馬券的に買うのも馬券の醍醐味だ。換金さえしなければ手元に残るからな。

ココだけの話、現場の良い席で見ていた堀江記者が、なんとイクイノックスとリバティアイランドの“頑張れ馬券”を現地で買ったというから驚いたさ。

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堀江先生、記念馬券買うんだ……
あと英語版のレープロとか
めちゃくちゃレアじゃん!

LINEで聞いてみたら、「老い先短いワシにとって、ここまでの名勝負をナマで見られるのも数少ない」とか「普段は週末もトレセン取材がメインだから、現地で見た記録を馬券で残したかった」とか色々言ってたけど、あれだけ馬券っ気の強い堀江記者でも、そういうマインドを持ち合わせてんだな、とびっくりしたぜ。大ベテランでも根っこはイチ競馬ファンなんだな、とも思ったが(笑)。

それはさておき、さっきも言ったように前年比で122.9%も売れてるんだから、多くのファンがこぞって馬券を買ったということは間違いないし、こういう低配当でも『当たった!』ということで満足した方も多いんだろう、とは思う。それは否定する必要はない。

あと、大前提としてメンバーレベルが高いレースは馬券が売れるよね。あと頭数が多いレース。その意味で言えば、興行的にも大成功だったと思う。

③CHECKMATEとしては今後も
“馬券で勝っていくため”を第一に!

ただ、やっぱりCHECKMATEとして事前からお伝えしていたように「本当にこのレース(ジャパンC)は儲かる期待が大きいのか?」という部分。これも大事な要素なんだよ。

先週は敢えてGIのジャパンCではなく、その裏の大勝負情報の方がフィーチャーされたのは、馬券面での思考と情報収集を追求していった結果に過ぎない。最初からGI裏ありきなのではなく、あらゆる状況を総合的に判断してのモノだ。まあ、ジャパンC週は特にそうなりやすいってのはあるけどね。

それでしっかりと、ジャパンCのひとつ前(日曜東京11R)をターゲットにして万馬券的中としてお届けできたのは良かったと思う。自分の貢献度は低いっつーかゼロに近いけど、熱心に情報をご覧いただいている会員様に対してね。

もちろん、ジャパンCだって例えば3連単を1点で獲れれば回収率は1130%だったワケだが、それはあくまで最大値だよね。イクイノックス=リバティアイランドのワンツーはともかく、3着以下に関しては極限まで絞った結果、裏目を見る確率も小さくはないレースだった。かといって、広げて3連単で40点や50点も出すレースではないとも考えていた。

そうなると、買い目公開時にお伝えしたように「敢えて勝負しなくても良いレースです」ということを、明確にお伝えしておくべきかな……という判断に至った。


この件については「意図を明確にしてくれるのは助かる」という肯定的なお声から「レース前から“買わなくてもイイ”って言われるのは複雑」「結局、簡単に獲れるレースだったじゃん」というお声まで色々な反響をいただけたのだが、そのすべてが我々にとっても大いに参考になるもの。メッセージをお寄せいただいた皆様、誠にありがとうございました。


個人的にもそうだし、CHECKMATEとしても、やはり一番の使命は“馬券で満足していただくこと”。当たり前だけどそこだ。改めて色々と考える機会になった、その意味でも良いジャパンCだったと思っている。

「そんな小難しいことを考えずに競馬を楽しみたい!」という方も多いだろうし、もちろんそれもOKだ。そんな中で、CHECKMATEの情報が少しでもお役に立てればありがたいし、ガッツリ競馬を楽しむ方には、今まで以上に信頼していただけるサイト作りを今後も進めていきたい。

そのためにも皆様のご意見が重要だ。引き続き、気づいたことがあったら色々と教えてくれるとありがたい。何卒、よろしくお願い申し上げます!

山川レオ

重賞・GIはオレに任せろ
情報も分析もイケる二刀流

1週間で72(48)レースある中でも、特に重賞・GIレースに特化した情報収集・精査を得意とする情報網。常々「勝てるレースしか勝負しない」と公言しており、独自の情報ネットワークに加え、ラップ解析を中心とした徹底的なレース分析から的中馬券を量産している。

なお、「勝てるレースしか勝負しない」という姿勢は、競馬に加え他の公営ギャンブル、株、FXなどの投資から身に着けたという。

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