
関西情報社CHECKMATEで重賞情報を担当する『山川』だ。皆さん、元気に馬券やってるかな!

さあ、いよいよ今週は年末の総決算・有馬記念だ!
現役最強馬のイクイノックスこそジャパンCで引退したが、春の天皇賞を勝ったジャスティンパレスや、昨年のダービーでイクイノックスを倒したドウデュース。更にジャパンCで好走した牝馬のスターズオンアースなど有力馬が多く揃った好メンバーの一戦。
そして、今年は3歳の皐月賞馬ソールオリエンス、ダービー馬タスティエーラが出走してくる。いずれも鞍上には川田将雅、ムーアを迎え入れてきた点も魅力で、いかにも力が入っている感じがするよな。
実際にデータ的にも3歳馬の好走率は高いのだが……今年に限って言えば、そのデータには逆張りが妥当ではないかと考えている。というのも、今年の3歳馬はかなり“怪しい”んだよ。
まずはその3歳馬に関するデータから見ていこう。レース前日までこのページは更新していくので、最後までお見逃しのないように!
馬番 | 馬名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ソールオリエンス | 牡3 | 56.0 | 川田 | 手塚 |
2 | シャフリヤール | 牡5 | 58.0 | 松山 | 藤原英 |
3 | ホウオウエミーズ | 牝6 | 56.0 | 田辺 | 池上和 |
4 | タイトルホルダー | 牡5 | 58.0 | 横山和 | 栗田徹 |
5 | ドウデュース | 牡4 | 58.0 | 武豊 | 友道 |
6 | ディープボンド | 牡6 | 58.0 | マーカンド | 大久龍 |
7 | アイアンバローズ | 牡6 | 58.0 | 石橋脩 | 上村 |
8 | ライラック | 牝4 | 56.0 | 戸崎 | 相沢 |
9 | ヒートオンビート | 牡6 | 58.0 | 坂井瑠 | 友道 |
10 | ジャスティンパレス | 牡4 | 58.0 | 横山武 | 杉山晴 |
11 | ハーパー | 牝3 | 54.0 | 岩田望 | 友道 |
12 | ウインマリリン | 牝6 | 56.0 | モリス | 手塚 |
13 | タスティエーラ | 牡3 | 56.0 | ムーア | 堀 |
14 | プラダリア | 牡4 | 58.0 | ムルザバエフ | 池添学 |
15 | スルーセブンシーズ | 牝5 | 56.0 | 池添 | 尾関 |
16 | スターズオンアース | 牝4 | 56.0 | ルメール | 高柳瑞 |
ソールオリエンス&タスティエーラ
3歳牡馬のレベルが怪しい!

皐月賞馬ソールオリエンス&ダービー馬タスティエーラ
昨年は3歳だったイクイノックスが勝利したように、有馬記念は3歳馬の活躍が目立つレースだったりする。
実際に過去10年の年齢別成績をちょっと見てみようか。
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 4- 3- 2- 16/ 25 | 16.0% | 28.0% | 36.0% |
4歳 | 2- 4- 2- 37/ 45 | 4.4% | 13.3% | 17.8% |
5歳 | 4- 3- 5- 45/ 57 | 7.0% | 12.3% | 21.1% |
6歳 | 0- 0- 1- 18/ 19 | 0.0% | 0.0% | 5.3% |
7歳 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
8歳 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
見ての通り、ここ10年で最多タイの4勝。そもそもの出走頭数が少ないため、勝率や連対率などもトップに立っている。
ちなみに4勝の内訳は16年サトノダイヤモンド、18年ブラストワンピース、21年エフフォーリア、22年イクイノックス。10年間のデータを取っているが、徐々に3歳馬が幅を利かせるようになってきたと言ってもいいかもしれないな。
で、今年はソールオリエンス、タスティエーラという牡馬クラシックを勝った馬が参戦してくる。皐月賞でワンツーしているように中山適性も高く、データを考慮するとこの2頭を買いたくなるんじゃないか?
しかし、もう一つ見ておきたい部分がある。
それが3歳世代のレベルなんだよ。
せっかくの有馬記念だ。ちょっと俺が気になっているデータを綺麗にまとめてきたから、これを見てほしい。

知ってたか?今年の3歳牡馬って、古馬相手のレースに出走してきた数も少ないし、好走率も低いんだよ。
エフフォーリアが勝った21年にしても、3歳馬がワンツーだった昨年22年にしても、3歳馬は高い確率で古馬戦で馬券に絡んでいた。そしてその世代におけるトップクラスの馬が出走したのだから、有馬記念でも好勝負になるわな。
今年は明らかに3歳牡馬の成績が芳しくない。牝馬の方は既にブレイディヴェーグがG1を勝つなど上級条件でも活躍しているだけに、牡馬が目立たないのが余計に気になるんだよ。
で、そうなってくるともう一つ気になる材料がある。今年のオークスとダービーの勝ちタイムの差だ。
オークス:2分23秒1
ダービー:2分25秒2
オークスは前半1000m60秒0、ダービーは前半1000m60秒4。前半の流れはほとんど変わらなかったのに、最終的な決着タイムには2秒もの差がついた。
まあ、2秒差になったのはオークスを勝ったリバティアイランドがバケモンだったってのもあるんだが、しかしオークスの2着馬・ハーパーの走破タイムは2分24秒1。ダービーの勝ちタイムより1秒速いぞ?
この通り、3歳牡馬のレベル怪しそうな材料が複数あるんだわ。ソールオリエンスもタスティエーラも力がある馬だとは思うが、実は古馬の壁にぶち当たる可能性も低くないと思うぜ。
“今なら”ここが絶好枠!
有馬記念の枠順が確定したな!ダービー馬のタスティエーラは7枠13番、皐月賞馬のソールオリエンスは1枠1番となった。
さて、有馬記念の舞台は中山芝2500mという非常にトリッキーなコース。スタートしてすぐにカーブしていく構造のため、どうしても外枠各馬は距離ロスが大きくなってしまうんだよな。
ということで、8枠はどうしても不利になる。今回は枠順別成績に【平均着順】も加えてみたが、これを確認するとその不利が一目瞭然だ。
枠番 | 着別度数 | 平均着順 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|
1枠 | 5- 5- 5-44/59 | 8.3着 | 8.5% | 16.9% | 25.4% |
2枠 | 3- 7- 4-49/63 | 7.3着 | 4.8% | 15.9% | 22.2% |
3枠 | 4- 8- 6-47/65 | 7.7着 | 6.2% | 18.5% | 27.7% |
4枠 | 8- 4- 5-54/71 | 7.4着 | 11.3% | 16.9% | 23.9% |
5枠 | 7- 6- 3-56/72 | 7.9着 | 9.7% | 18.1% | 22.2% |
6枠 | 3- 1- 6-63/73 | 8.5着 | 4.1% | 5.5% | 13.7% |
7枠 | 4- 4- 7-59/74 | 7.8着 | 5.4% | 10.8% | 20.3% |
8枠 | 3- 2- 1-69/75 | 9.0着 | 4.0% | 6.7% | 8.0% |
裏を返すと、7枠ぐらいだと実はそこまで悪い成績ではないんだよな。たしかに好走確率は高くないが、平均着順は7.8着で、内枠とも変わりないレベルとなっている。
ま、要するに最後は上手く立ち回れるかどうかがカギっちゅうことよ。たしかに外枠が不利なことには違いないんだけど、馬によっては立ち回り一つでいくらでもリカバーが出来る。鞍上が隙を見つけてスッと内に入るパターンもあるだろうし、逃げ先行策でポジションを確保して内ラチに近付いて行ったり、好走パターンはいくらでもあるよな。
では、今年の有馬記念で好枠を引いたのはどの馬か?関係者のトーンを総合すると、それはこの馬と言えるだろう!
ドウデュースって外枠を引くことが多かった馬なんだよな。ダービー(1万5770円的中)は7枠13番、京都記念(1万4320円的中)8枠12番と、的中に貢献してきた中にも、外枠から発走というレースがあったんだ。
ただ、この秋は今回の有馬記念を含めて全てのレースが3枠からのスタートになった。
徐々に馬込みでの競馬を上手くこなせるようになってきてるんだよね。天皇賞は戸崎がテン乗りだったこともあって思いっきり引っかかっちゃったけど、前回のジャパンCなんかは内に入っても折り合いがついていたからね。
今の状態でもう一度同じ3枠ってのはプラスになると思うんだよな。見ての通り有馬記念は内有利。今年はユタカさんも「いつもより中山の芝がいい」って話しているし、良い枠をもらえたんじゃないかな。経験を積んだ今なら、絶好枠と言っていいと思う。

と、関係者はとにかく好感を得ているという話。この秋3戦目、そしてその3戦全てが同じ3枠というのは、馬の“慣れ”という観点においてもいいことだと思うわ。
新聞には載らない関係者情報を公開

最後に直前情報のチェックだ。CHECKMATEが日々入手している関西関係者とのパイプから、スポーツ紙や専門紙では公開されないような裏ネタや関係者の感触、さらには独自の分析を元に、有力馬を中心にお送りしていく。ぜひ馬券に役立ててくれ!
(藤原英/松山)
香港国際競走に出走するためにいち早く現地入りしていたが、獣医から「これじゃ出走させられないよ」と言われてしまい除外に。香港って獣医のチェックがめっちゃ厳しいんだよ。何年か前に国際競走で大規模な落馬事故があってから、更に一段と厳しくなった印象があるね。
要するに「日本なら普通に出走出来ていた状態だった」という話。急遽帰国して中山競馬場での調整にもなったけど「そもそも香港での調整も順調の一言だった訳だし、もう強い追い切りも必要ないデキだったからね。これぐらいなら競馬場での調整でどうにでもなる」と厩舎関係者。今回は良馬場で競馬が出来るはずだし、これは侮れない一頭かもしれんな。
(友道/武豊)
レース当日、アクシデントによって急遽戸崎へ乗り替わった天皇賞秋は、前半1000m=57秒7のハイペース。なのに先行していたドウデュースは引っかかっていたんだよね。関係者が「実は乗り難しい馬」と評しているのは、この時のレースぶりからもわかってもらえるはず。こればかりは急遽の乗り替わりでは仕方がない。戸崎のことも責められないよ。
コンビ2回目のジャパンCでは折り合い面が改善していたように、やっぱりこの馬は乗り慣れているジョッキーの方がいい。待望となる武豊とのコンビ復活はこれ以上ないポジティブな材料。「秋に3戦使うのは春の時点で決めていたことだし、デキは今回も良い。ケイコを見てても手前を替えるのが上手くなっているからね。イイ状態でレースに向かえるよ」と、仕上がり面も文句なし。今度こそ、本領発揮だろう。
(杉山晴/横山武)
2着だった天皇賞秋はこの秋シーズンの初戦だった。そこから中3週でジャパンカップへ参戦するローテも十分にあり得た訳だが、陣営が選択したのは有馬記念への直行。イクイノックスが不在となる可能性の高いこのレースに向けてしっかりと時間をかけて調整してきたってのは評価すべき点だろう。
横山武史としてもここはなんとかしたいよな。関東の関係者と話をしたが「やっぱり今年1年間G1を勝てていないのは本人としても気にしているみたい。前日発売の段階とはいえ1番人気の馬で有馬に臨めるなんてそうそうないチャンスだからさ。これは相当燃えてるはずだよ」とのこと。既に有馬記念を勝ったことがあるジョッキーってのも心強いな。
(友道/岩田望)
友道厩舎は3頭出し。ドウデュースと比べると人気はないが、こっちもトーンは低くないんだ。「元々、本当に良くなるのは4歳になってからかなと思っていた馬。12月ならほぼ4歳みたいなものだし(笑)、どんどん成長している感じがするよ」と厩舎関係者は饒舌だったね。
実際、1週前の追い切りがドウデュースと併せて好内容。これには岩田望来サイドも上機嫌だったみたいだわ。「斤量が軽いし、あとは立ち回り一つだと思う。今年の3歳牝馬はバケモン(リバティアイランド)筆頭にマジで強かったと思うからさ、古馬相手でも全然やれて良いだろ」と、かなり色気がありそうな雰囲気。

山川レオ
重賞・GIはオレに任せろ
情報も分析もイケる二刀流
1週間で72(48)レースある中でも、特に重賞・GIレースに特化した情報収集・精査を得意とする情報網。常々「勝てるレースしか勝負しない」と公言しており、独自の情報ネットワークに加え、ラップ解析を中心とした徹底的なレース分析から的中馬券を量産している。
なお、「勝てるレースしか勝負しない」という姿勢は、競馬に加え他の公営ギャンブル、株、FXなどの投資から身に着けたという。