普段は重賞情報をやっている山川だ。今日はオレの武器である“分析”と“投資”が関わってくる話をしたい。
というのも、とある会員様から面白い質問が届いたんだ。まずはそれを紹介したい。
私は時々地方競馬をやるのですが、まったく勝てません。
地方競馬はやらない方が無難ですか? 色々な観点から教えてください。
まずはこの場をお借りして、ご質問をお送りいただいたことに心より御礼申し上げたい。
恐らく、この会員様は競馬が本当に好きなんだろう。CHECKMATEの公開情報を色々とご覧いただいた上で、ご自身でも競馬(馬券)を研究していらっしゃるんじゃないかなと思う。
ただ、地方競馬は中央とは全く異なるアプローチが求められるし、何より“キリがない”のが厄介なんだよな……。
ちょっと話は逸れるが、自分は競馬だけじゃなくて、色々な“投資”にも興味・関心を向けてきた。今でも株式市場のチェックは毎日欠かさないし(一般的にも最近は大きく話題になってるよな)、数年前から休止しているがFXの研究をしていた時期もある。
もちろん、投資の研究対象には他の公営競技も含まれている。ボートレース、競輪、オートレース……どれも一通りはやってきたし、今でもたまにチェックしている。
その中で、一番研究し甲斐があって、勝ち負けを繰り返して、面白いのが競馬だと、コレは自信を持って言える。……本筋から外れそうなので、一旦この辺にしときますが(苦笑)。
競輪やボートレースが好きな
競馬関係者も多いですからね
付き合いを深める上で役立つことはある
さて本題。
地方競馬はやらない方が無難?
結論から言うと、地方競馬の馬券を考える上で、一番大事なのは“馬場読み”だろう。
その次に“馬と騎手のレベル”。オレはそう考えている。
そして、さっきも言ったように“全部をやり出すとマジでキリがない”。むやみに手を出すことは避けた方が良い理由はこの辺りにある。
そりゃそうだよな。地方競馬まで考え始めると、日本では毎日どこかでほぼ必ず競馬がやっていて、朝から晩まで馬券が買える。それだけチャンスが多いとも言えるが、それぞれに対する思考時間は確実に減るからな。
CHECKMATEにはオレ以上に地方競馬好きな記者も居る。それこそ騎手情報担当の加藤記者なんかは時間を見つけて密かに全国を飛び回っていて、地方所属の騎手絡みも相当詳しいし、昨年末に自分のコラムで結構しっかり儲けを出していたよな。
ただ、CHECKMATE全体の方針として、地方競馬のレース推奨までガッツリ手を広げていないのは、やはり全力で戦うべきは中央競馬だと思っているからだ。交流重賞とかを毎回採り上げてることもできなくはないが、やっぱり根拠に乏しくなる場面の方が多いからな。
といっても、ここで記事を終えてしまうと毒にも薬にもならないので、オレの経験則と最近の地方競馬事情を分析した上で、“地方競馬の馬券を楽しむ・攻略する”上でのポイントをいくつか解説したい。
正直オススメしない競馬場も多いが
南関東は馬場を見抜ければチャンス
“馬券を楽しむ・攻略する”という観点で言うと、佐賀・笠松・名古屋・金沢あたりは正直オススメしない。ココは正直、ジョッキーがアテにならない場面が多いんだよな。リーディング最上位の騎手ですら怪しい判断・騎乗ミスが多い印象だ。
加えて、他の競馬場に比べて、馬のレベルも相対的に低いと言わざるを得ない。積極的に馬券で手を出したい競馬場ではないね。
佐賀競馬の現地取材時に
スタッフが撮影
南関東4場(大井・川崎・浦和・船橋)はとにかく馬場次第。上手く付き合えば勝てるケースは格段に増える。
特に、近年は砂の入れ替え(いわゆるオーストラリアの白砂)の影響があったり、天気によって馬場傾向がコロコロ変わるんだよな。
地方はダートコースしかない(※盛岡除く)から、そう大きく傾向が変わらないと思っている方も多いかもしれないが、実情は全く異なる。前開催はイン・前が有利だったのに、次開催は真逆のパターンが発生ということも目立つ。言ってしまえば“魔境”と化すケースも少なくない。
ただ、裏を返せば『馬場傾向を掴むことができれば、それに乗って狙い馬を探せばイイ』とも言える。もちろん馬場傾向(バイアス)を見極めるのはカンタンじゃないが、例えば今週の大井だと“とにかく馬場のインが重い、最後の直線で伸びづらい”という状況になっていて、分かってるジョッキーは直線でわざとインを空けてるよね。
そして、そういう馬場だから外を追走する組が優位に働いているし、必然的に内を通ることになる馬(内枠とか逃げ馬)はカンタンじゃない。もっとも、この傾向が長続きしないから困るんだけど(苦笑)。
川崎競馬(上)・大井競馬(下)
なんだかんだで南関東は
地方競馬の華だよね
その他、園田・姫路はレースとしては面白い場面もあるんだけど、今はちょっと馬のレベルが落ちてきて扱いづらい。盛岡・水沢(岩手競馬)もちょっと掴みどころがないな。
門別(ホッカイドウ競馬)は現状シーズンオフなので今年の見通しは立てづらいが、ココの特徴は『日本で一番最初に2歳戦が始まる』というところで、その2歳戦からレベルの高い馬を探す作業が面白い。
ココを上手く生かすと、2歳秋~冬の重賞レースが獲りやすくなる。門別でデビューさせて、その後に地方各所に移籍して活躍するケースも多いからな。
あと、最近は不発気味だが、2歳戦の始動が早く、その分完成度も高いので、中央に参戦して人気薄で穴を演出するケースは随所にあった。後に中央に移籍したミスマンマミーアとかが懐かしいね。
加藤記者が門別遠征時に撮影
馬産地のお膝元とあって
牧場関係者の臨場が多いらしい
激アツパターンはこの競馬場
まだレベルの高さがバレていないぞ!
そして、CHECKMATEが今一番アツいと思っているのが高知競馬だ。
オレも数年前に行ったな~
本当は最低年イチで行きたいほどだ
オールドファンの方ならご存知かもしれないが、地方競馬の廃止が相次いだ時は「次は高知だろう」という声が大きかった。
大連敗で人気になったハルウララのブームで一瞬盛り返したことはあったが、その後も赤字続きの厳しい時期が続き、高知優駿の1着賞金が27万円なんて時代すらあった。地元のダービーでコレだぜ?
しかし、高知競馬の関係者の努力、ナイター競馬の開始(一発逆転ファイナルレースという目玉もできた)、地方競馬のネット販売の促進が噛み合って大復活。高知優駿の1着賞金は今や1600万円だ。
そういう背景もあり、賞金のベースが上がってきた高知競馬は、馬主さんからも大人気の競馬場でさ。昔だったら他の競馬場に行くような馬が、どんどん入ってきてレベルが上がっているんだよ。
だから、例えば元・中央馬だからと言って安易に買ったら地元出身馬に跳ね返されたりもするし、逆に高知の生え抜き馬が他の地方競馬へ遠征して結果を出すケースも増えてきた。
そして、有料情報をご覧いただいている方ならピンと来るかもしれないが、特に覚えておきたいのは『高知で好結果を出して中央に戻ってくる馬』なんだよな。
恐らく、競馬ファンの大半のイメージでは、今でも“高知競馬は地方の中でも二軍クラス”と思われているはず。「高知で連勝してきたと言っても、大したことないでしょ?」という先入観はまだ残っているはずだ。
けれども、実際は一軍クラスにまで成長してきていると言ってイイ。そこに馬券の妙味が生まれるんだ。そういう意味で、今かなりアツいんだよ。
……着地点としてだいぶ話が逸れてしまった気もするが、地方競馬を馬券に生かす術として、『地方のレースで馬券を研究して、そこでの黒字を目指す』というだけでなく、『地方競馬のレース内容・レベルの違いをしっかりと把握した上で、中央の馬券に役立てる』ということもできる。それはぜひ覚えておいてほしい。
そして、最後に紹介した“元・高知組”の激走候補……実はこの先の競馬で色々とすでに情報が集まってきている。それもアタマの片隅に入れておいていただけたらありがたいね。
山川レオ
重賞・GIはオレに任せろ
情報も分析もイケる二刀流
1週間で72(48)レースある中でも、特に重賞・GIレースに特化した情報収集・精査を得意とする情報網。常々「勝てるレースしか勝負しない」と公言しており、独自の情報ネットワークに加え、ラップ解析を中心とした徹底的なレース分析から的中馬券を量産している。
なお、「勝てるレースしか勝負しない」という姿勢は、競馬に加え他の公営ギャンブル、株、FXなどの投資から身に着けたという。