関西情報社CHECKMATE情報班の『山川』だ。
今日の記事ではジャンプレース、障害競走について採り上げてみるぞ。
勝率に注目!?会員様からご質問がありました
そもそも中央競馬には3種類のコースが存在する。芝・ダート、そして障害コースだ。
内から芝・ダート・障害コース
そして、今回はとある会員様から障害レースに関するこんなご質問が寄せられているので、まずはこちらをご紹介する。
騎手の勝率を見たら、ベスト10の中でほぼ障害専門の騎手が4人もいました。
単勝をベタ買いしたら回収率が100%を超えるのじゃないかと思いますが調べきれません。
障害戦の見方、買い方、おすすめジョッキーなどありましたら記事にしてほしいです。
そのご要望、承ったぞ!
ということで、実際に今年の中央競馬における騎手の勝率を見てみようか。
順位 | 騎手名 | 勝利数 | 騎乗回数 | 勝率 |
---|---|---|---|---|
1 | ルメール | 120 | 385 | 31.2% |
2 | 川田将雅 | 107 | 350 | 30.6% |
3 | モレイラ | 29 | 116 | 25.0% |
4 | マクドナルド | 1 | 4 | 25.0% |
5 | ★上野翔 | 14 | 69 | 20.3% |
6 | 笹川翼 | 3 | 15 | 20.0% |
7 | ★小牧加矢太 | 14 | 72 | 19.4% |
8 | ★森一馬 | 12 | 63 | 19.0% |
9 | 戸崎圭太 | 102 | 544 | 18.8% |
10 | ★高田潤 | 7 | 39 | 17.9% |
なるほど、たしかに勝率トップ10の中に障害ジョッキーが4人いるな。
ちなみにこの4人は決して“障害専門”ではなかったりする。小牧加矢太は平地免許を持っていないが、そのほかの3人は平地免許を所持しており、実際に高田潤は今年平地でも勝利を挙げているんだよ。
それはさておき、勝率トップ10に4人も名を連ねた理由は先ほどの表で理由がわかるだろう。そもそも中央競馬では障害レースの施行数が少ないため、主に障害レースに騎乗しているジョッキーは明らかに騎乗回数が少ない。通年騎乗していないモレイラよりも騎乗数が少ないからな。
現に“勝率順”という並びにしてしまうと、そもそもJRA騎手ではなく、今年4鞍のマクドナルドや今年15鞍の笹川翼がトップ10に入ってしまう。この尺度で、騎手の技術を正常な判断するのは不可能ってこと。
では、これら4人の障害騎手をベタ買いしていたらプラスになるのか?単勝回収率をチェックしてみると……
上野翔:113%
小牧加:72%
森一馬:86%
高田潤:54%
上野翔はベタ買いでも100%を超えているものの、その他の騎手は勝率上位にランクインしていながら、単勝回収率という観点では物足りない数字に留まってしまっている。
ということで、結論は『勝率で上位にいるからと言ってベタ買いするのは推奨できない』になるかな。
これだけだと障害レースが馬券的に面白くなさそうに思えるかもしれないが、そうではないぞ。
そもそもの話だが「平地のレースはわかるけど、障害レースはよくわからないから普段から馬券を買っていない」というファンの方も少なくないだろう。
オジュウチョウサンがブイブイ言わせていた頃は盛り上がっていたが、どうしても施行数も少なく世間からの注目度が低いことは否めないからな。
とはいえ、注目度が低いからこそ『美味しい馬券にありつける』という観点もあったりする。皆さんにももう少し気軽に障害レースを楽しんでもらうために、今回は【障害レースの手引き】を少しばかりまとめてみようと思う。
【これを見れば馬券が買える?】 CHECKMATE版・障害レースの手引き
障害レースで馬券を買うにあたって確認したい要素を簡単にご紹介していく。ぜひとも今週末以降の障害レースで使ってみていただきたいね。
開催場の特徴を確認しよう!
現在、中央競馬で障害レースが行われているのは、中山・東京・京都・阪神・中京・小倉・福島・新潟の8場である。
まずはこの8場をザックリ2つに分けたい。
冒頭でも載せた中山競馬場の写真を見ればわかるが『固定障害コース』はダートコースの内側に障害コースが常設されている。レンガでできた生垣障害や、水が張ってある水ごう障害など、そのバリエーションも豊富。
年に2回行われるJ・G1レースでは……
こういった大竹柵という特別大きい障害が使われたりもする。大きく、跨がなければいけない範囲も広いため、その分だけ飛越の難易度が上がる。
余談だが、東京競馬場の障害コースは日本ダービーやジャパンカップといった大レースが行われる際に、観客に向けて開放されることがある。実際にどんなコースか間近で確認もできるぞ。
一方で『ハードル障害コース』では、芝コースに仮設の障害を置くんだ。
この仮設障害は人力での設置となる。あまりにも重いものにすると、人にも馬場にも負荷がかかるだろう。運びやすい片面竹柵障害というものが置かれているんだ。
『固定障害コース』の障害物と比べると、高さや幅などは少々スケールが小さい。そのため、飛越の難易度は下がるよな。
そして、馬によって障害の飛び方には癖がある。コースによって“合う・合わない”が出てくるんだわ。
簡単に言うと、障害に突っ込んでかきわけるような飛び方をするタイプは、高さが低く難易度が低いハードル障害向きである。ハードル障害コースではスピードが問われるため、前へと進む力の強い飛越をするタイプが合っている。近年で言うとサナシオンという馬がそんな飛び方をするタイプであった。
一方で、もう一頭写真に写っているアップトゥデイトのように高く綺麗に飛ぶタイプは固定障害向き。難易度の高い固定障害では、スピード任せに飛ぶタイプは飛越にムラが出るからな。ミスなく飛ぶことが最もロスを防ぐ道となるんだよな。
なお、オジュウチョウサンが無敵状態になっていた時は、どんなに難易度が高い固定障害でもかきわけるような飛び方でクリアできる状態に至っていた。多少のムラはあったが、全くスピードを削がれることなく飛んでしまうのだから、手がつけられなかったんだ。
さて、このザックリとした2つの分け方を知っていれば、もうこれだけで馬券は買える。
・飛越は上手いけど、スピード勝負に弱くて結果が出ていない……という馬が中山や阪神などの固定障害コースへ出走してきたら、大きな変わり身を見せられておかしくない。
・スピードはあるけど中山や阪神の障害飛越で手こずってる……という馬が、新潟や中京などのハードル障害コースへ出走してきたら、パフォーマンスを上げてくる可能性がある。
平地のレースもそうだが、障害レースでも『どんな競馬場で走ってきたか』という点は要注目だ。
【初障害馬の見方】
障害試験の走りに要注目!
もう一つ注目しておきたいのが『障害試験』である。初めて障害レースに臨む馬をどう判断するか、という話。
障害レースに出走するにはトレセンで試験に合格しなければならない。簡単に言えばスムーズに飛越ができるかどうかのチェックだが、しっかりと時計も計測されるし、これは競馬新聞の調教欄にも掲載されるぞ。
障害試験は1600m=120秒以内に入線しなければ合格できない。それ以外にも、飛越の安定性や集中して走っているかどうかなどもしっかりと見極められるがな。
栗東での障害試験では、一般的に100秒切りでのゴールが優秀とされている。90秒台で問題なく駆け抜けた馬は障害初戦から十分に通用するレベルに至っている可能性が高いんだよな。
例えば……4/14福島4Rで障害戦初出走・初勝利を挙げたレッドバロッサという馬がいる。
(※シルバーランク以上の方限定)
[4月14日(日)福島4R]
◎レッドバロッサ(2番人気1着)
▲ゴールドブリーズ
△トランシルヴァニア(6番人気)
馬 連:560円的中
3連複:4010円的中
3連単:1万4980円的中
CHECKMATEではそのレッドバロッサを本命にして万馬券的中を仕留めた。なぜ初障害のこの馬を本命にしたか。その一つの大きな理由が、障害試験でレッドバロッサがマークした93.9秒という破格のタイムだったんだ。
このタイムについては現場でも大層話題になっていた。「こんな時計は見たことがない」「レコードじゃないか?」とね。
もちろんタイムだけじゃなく、この馬はそもそも小牧加矢太がスカウトして障害入りしたという経緯だったり、その後に聞き集めた厩舎関係者からの情報も踏まえての本命指名であったが、これだけ試験で速い時計で走れるのであれば、ハードル障害の福島コースでは力が一枚上と見た。
結果は後続に3馬身差をつける楽勝。これが単勝2番人気で買えるんだから、障害レースには配当妙味も感じられるだろう!?
今回は簡単に2つの要素を説明したが、まだまだ奥が深いのが障害レース。皆様も、まずはレースをじっくり見ることから始めて見てはいかがだろうか。
「あの馬、飛越が低いからハードル障害の方が合うかも……」など、発見があるかもしれないぞ!
山川レオ
重賞・GIはオレに任せろ
情報も分析もイケる二刀流
1週間で72(48)レースある中でも、特に重賞・GIレースに特化した情報収集・精査を得意とする情報網。常々「勝てるレースしか勝負しない」と公言しており、独自の情報ネットワークに加え、ラップ解析を中心とした徹底的なレース分析から的中馬券を量産している。
なお、「勝てるレースしか勝負しない」という姿勢は、競馬に加え他の公営ギャンブル、株、FXなどの投資から身に着けたという。