個性派記者の本音トーク 山川

阪神ジュベナイルフィリーズ2024予想 ルメール&デットーリがピンチ!?その驚きの理由を見よ!

個性派記者の本音トーク 山川
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関西情報社CHECKMATEで重賞情報を担当する『山川』だ。皆さん、元気に馬券やってるかな!



今週からは2歳のG1レースがスタート。まずは牝馬同士での争いとなる阪神ジュベナイルフィリーズだ!

さて、今回はこのレースにおいて一つ注目してほしいポイントがあるんだが……まず皆さんに聞いてみたいことがある。

ズバリ、皆さんはいつも何を参考にして馬券を買っている?

近走の着順、タイム、位置取り、騎手……馬券を買うにあたってチェックしたい要素ってのは色々あるよな。

ただ、今回の阪神ジュベナイルフィリーズにおいて注目してほしいのは、ほとんどの競馬ファンが注目していないであろう要素。

それが、誕生日である!

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思わず↑こんな顔をしてしまった方も少なくないと思うが、実際にデータを見てもらえれば“誕生日”が大事であることをおわかりいただけると思うぞ。

そしてこのデータを見ると、ルメールブラウンラチェットデットーリメイデイレディはなかなか厳しそうに思えるはず。

この2頭はある程度上位人気となるだろうし、馬券攻略にあたって、まずはこの点からしっかりとチェックしていこう!


馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 調教師
1 ビップデイジー 牝2 55 松下
2 テリオスララ 牝2 55 Mデムーロ 田島俊
3 ダンツエラン 牝2 55 団野 本田
4 ジャルディニエ 牝2 55 北村友 奥村豊
5 ジューンエオス 牝2 55 藤岡佑 武英
6 モズナナスター 牝2 55 田口 矢作
7 ミストレス 牝2 55 坂井瑠 矢作
8 カワキタマナレア 牝2 55 鮫島駿 杉山佳
9 ショウナンザナドゥ 牝2 55 池添 松下
10 ブラウンラチェット 牝2 55 ルメール 手塚
11 クリノメイ 牝2 55 荻野琢 須貝尚
12 アルマヴェローチェ 牝2 55 岩田望 上村
13 コートアリシアン 牝2 55 戸崎 伊藤大
14 ランフォーヴァウ 牝2 55 松山 福永
15 リリーフィールド 牝2 55 武豊 小崎
16 スリールミニョン 牝2 55 永島 高橋康
17 メイデイレディ 牝2 55 デットーリ リー
18 ミーントゥビー 牝2 55 松岡 堀内

ルメール&デットーリがピンチ!?
注目すべきは“誕生日”

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誕生日と言ってもジョッキーの話ではないぞ。今回フォーカスを当てるのは、出走馬の誕生日だ。

北半球産の馬は上半期に産まれ、南半球産は下半期に産まれる。日本の競走馬であれば、基本的に1月~5月に誕生日を迎えるケースがほとんどである。

ただ、競馬界では誕生日にかかわらず1月1日に一斉に歳を取る。2022年生まれの競走馬であれば、1月生まれであろうと5月生まれであろうと同じ2歳馬なのだ。

この“生まれ月”が2歳戦では成績に大きな影響を与えているんだ。

■阪神JF・生まれ月による成績
※直近10年分
生まれ月 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1月生まれ 1- 2- 1-18/22 4.5% 13.6% 18.2%
2月生まれ 4- 3- 3-24/34 11.8% 20.6% 29.4%
3月生まれ 4- 3- 1-49/57 7.0% 12.3% 14.0%
4月生まれ 1- 1- 4-40/46 2.2% 4.3% 13.0%
5月生まれ 0- 1- 1-17/19 0.0% 5.3% 10.5%
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ちなみにこれ、朝日杯FSとホープフルSの成績を加えてみると更に顕著な偏りが生じるぞ。

■JRA2歳G1・生まれ月による成績
※直近10年分
生まれ月 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1月生まれ 6- 4- 2- 28/ 40 15.0% 25.0% 30.0%
2月生まれ 8- 10- 10- 77/105 7.6% 17.1% 26.7%
3月生まれ 8- 8- 6-118/140 5.7% 11.4% 15.7%
4月生まれ 4- 4- 8-109/125 3.2% 6.4% 12.8%
5月生まれ 1- 1- 1- 36/ 39 2.6% 5.1% 7.7%
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もう一丁。グラフにするとその差が更にわかりやすいだろう。

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すごく簡単な話で、誕生日が遅ければ遅いほど2歳G1での成績が下がっていくという傾向にあるんだよな。

これってメカニズムも簡単。2歳馬ってのはまだまだ成長途上な若駒だが、1月生まれと5月生まれであれば4か月もの差が生まれるんだよ。

阪神ジュベナイルフィリーズは2歳12月のレースだ。「ひと夏を越して馬が成長した」という話が現場でもよく出る世界とあって、まだ各馬が若い時に開催されるレースだからこそ、生まれた時期が数か月違うだけでも成長度合いというのは大きく変わってくる。

それこそ小学生なんかだと「同じ学年でも4月生まれと3月生まれだと約1年の差があるから、体格に違いが出たりする」なんて話もあるが、これと似たようなもんだ。


では、今年の阪神ジュベナイルフィリーズに特別登録した各馬を誕生月で分けてみよう。

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先ほどもお伝えしたように、1月~3月生まれの馬は例年の2歳G1で結果を残している。

問題は↓コッチ。結果の出ていない4月~5月生まれの中に、ルメールデットーリが乗る馬が入っているんだよ!

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ルメール騎手はブラウンラチェット
デットーリ騎手はメイデイレディ騎乗

ブラウンラチェットは日本で、メイデイレディはアメリカでそれぞれ重賞を勝っているものの、今回はG1ともなると他馬の勝負度合いもグンと高まる。

各馬が究極の仕上げで臨むG1レースだからこそ、4月、5月生まれという誕生日が影響して勝ち切れないという可能性は十分にあるよな。

もちろん他馬との力関係をしっかり精査する必要はあるが、まだ若駒である2歳のG1レースだからこそ、遅めの誕生日であるこの2頭は過信できないんじゃないかな。


人気するのに好走出来ない枠が…

阪神ジュベナイルフィリーズの枠順が確定したな!ルメール騎乗のブラウンラチェットは5枠10番、デットーリが騎乗する外国馬のメイデイレディは8枠17番に入った。

今年の当レースは例年の阪神開催ではなく京都での開催となる。ということで、まず確認してみたいのが京都芝1600m戦(外回り)における傾向だ。

■京都芝1600m(外)・枠順別成績
※2023年春の改装後
枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1枠 6- 4- 5-42/57 10.5% 17.5% 26.3%
2枠 3- 4- 4-49/60 5.0% 11.7% 18.3%
3枠 1- 2- 8-51/62 1.6% 4.8% 17.7%
4枠 7- 8- 2-48/65 10.8% 23.1% 26.2%
5枠 8- 5- 4-54/71 11.3% 18.3% 23.9%
6枠 4- 8- 1-64/77 5.2% 15.6% 16.9%
7枠 9- 5- 6-66/86 10.5% 16.3% 23.3%
8枠 6- 8-14-65/93 6.5% 15.1% 30.1%

うーん……なんというか、バラバラだよな。3枠の成績が悪いが、だからといって内枠全体がダメということもない。隣の4枠は連対率トップだからな。

最初のコーナーまでの距離が十分にある当コースにおいて、枠順というのはそこまで大きな影響を与える要素ではないと言っていいかもしれないな。

ただし、これは『枠順などどうでもいい』と言っている訳ではないぞ。キャリアの浅い2歳戦ってのは、初めての状況に戸惑う馬だって出てくる。内で揉まれたり、外で壁を作れず能力を発揮できなかった……というパターンもよく見てきたからな。


ということで、舞台は阪神マイルなのだが『阪神ジュベナイルフィリーズ』というレースにおける枠順別成績もチェックしておきたい。

■阪神JF・枠順別成績
※外回り施行となった2006年以降
枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1枠 4- 1- 0-31/36 11.1% 13.9% 13.9%
2枠 1- 2- 4-29/36 2.8% 8.3% 19.4%
3枠 1- 2- 1-32/36 2.8% 8.3% 11.1%
4枠 2- 3- 0-31/36 5.6% 13.9% 13.9%
5枠 2- 5- 5-24/36 5.6% 19.4% 33.3%
6枠 2- 3- 3-28/36 5.6% 13.9% 22.2%
7枠 4- 1- 3-45/53 7.5% 9.4% 15.1%
8枠 2- 1- 2-48/53 3.8% 5.7% 9.4%

コッチはわかりやすいな。明らかに8枠の数字が低いのが特徴的だろう。連対率で見ると7枠も目立たない数字となっているだけに、極端な外枠はマイナスと働いている側面がありそうだ。

ちなみに、2006年以降の阪神ジュベナイルフィリーズにおいて、平均単勝人気が最上位である枠ってどこだと思う?


なんと……

まさかの8枠なんだよ。


つまり阪神ジュベナイルフィリーズにおける8枠ってのは『平均人気が最も高いのに、複勝率が最も低い枠』ってことになる。G1のシビアな争いになると、いくらフェアなコースでも外々を回らされるのは厳しいかもな。


では、このレースで好枠を引き当てたと言えるのはどの馬か?

⑧カワキタマナレア
「周りを見ながら進められるのはデカい」

カワキタマナレアは札幌で新馬戦→シンガポールターフクラブ賞を連勝。前走のファンタジーSを含めて3戦連続でメンバー中最速の上がりを行使しているのだが、前走に関してはスローペースが影響して差し切るには至らず。

ただその前走に関しては、途中のレースが中止になるほど大変な雨が降っていた日とあって馬場状態が特殊で、なおかつ8枠15番という大外枠からの発走でもあった。色々とノーカウントと言える状況だったんだよな。

今回は真ん中の枠からの発走。関係者は……

基本的に枠はどこでも良いんだけど、前走に関しては外枠が仇になったようなレースぶりだったでしょ。さすがにG1で同じような立ち回りになると厳しいと思っていたので、8番枠から周りを見ながら進められるのはデカいと思う。

とにかく決め手は良いモノを持っているから、あとはマイルという距離に対応できるかどうかだけ。(鮫島)克駿の評価も高い馬だし、チャンスはあると思うんだ。

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と、確定した枠順を見てトーンが更に上がっていたね。大味な競馬を強いられる可能性が下がった訳だし、即ちそれは好走確率が上がったと言えるんじゃないか?

新聞には載らない関係者情報を公開

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最後に直前情報のチェックだ。CHECKMATEが日々入手している関西関係者とのパイプから、スポーツ紙や専門紙では公開されないような裏ネタや関係者の感触、さらには独自の分析を元に、有力馬を中心にお送りしていく。

⑦ミストレス
(矢作/坂井瑠)

かつて矢作厩舎にはアメリカでダートG1を制したマルシュロレーヌという馬が居たが、実はミストレスの担当者はそのマルシュロレーヌを手掛けていた人物でね。「この人の腕は信頼できる」って声が多方面から出ているんだよ。

これまでのキャリア2戦はどちらもハナに立つ積極的な競馬をしているんだけど「行き切らなくても大丈夫」って手応えを陣営は持っているみたい。とはいえ「2歳の中でもトップクラスのスピードを持っているかもって感じだし、そのスピードの違いで行っちゃうかもね」との声も。要するにどんな競馬の形になっても問題ないという見立て。自信を持って臨めそうな雰囲気だ。

⑧カワキタマナレア
(杉山佳/鮫島駿)

夏競馬の札幌で2勝を挙げた馬なんだが「まだまだ奥があると思う」って厩舎サイドが期待を寄せている馬。前走のファンタジーSこそ結果が出なかったものの、あれは特殊な馬場状態や不利な展開に苦しめられてのものなので、全くもって気にする必要はないだろうな。

陣営としても同意見。「前走にしたって負けたとはいえしっかりと末脚は使っている訳だし、距離が延びても脚は溜まる。むしろ、マイル戦ならこれまでよりも追走が楽になる分だけ、更にいい決め手を発揮してくれるんじゃないかと思っているんだよ」と、ここでの巻き返しが可能だという確かな手応えを持っているようだった。人気はないかもしれないが、侮れない一頭だぞ。

⑨ショウナンザナドゥ
(松下/池添)

松下先生、スキップでもするんじゃないかってぐらいウキウキでしたね……」とはトレセンの関係者から入ってきた報告。G1でも勝ち負けを期待している素質馬でありながら、今回の阪神JFでは9分の2という確率での抽選対象。さすがに非当選となってしまう可能性が高かっただけに、無事に当選を確認して、陣営は相当喜んでいたみたいだ。

そして何より陣営は『2歳G1で結果を出す』という確かな覚悟を持っている。それこそ、今週の阪神JFを除外された場合には、牡馬相手になる来週の朝日杯FSへの参戦を予定していたほどだからな。「牡馬が相手になったとしても引けは取らない」って見立ての馬なんだから、牝馬同士のG1へ無事に出走が可能になった点は、そりゃ一言で大歓迎。これは気合入ってるぞ~。

⑫アルマヴェローチェ
(上村/岩田望)

デビュー前から「中距離で良さそう」という話だった馬なんだが、その見解は今でも変わっていないそうだ。とはいえ、マイル戦ではノーチャンスということはなく「今週の追い切りも自然な感じだったのに、予定していたよりも速い時計が出ちゃったぐらい。良いスピードを持ってますわ」と、陣営は距離に対する適性の高さが十分にあると見ているよう。

あとは時計が求められる決着になってどうか。「ここ2回はどっちも洋芝の道悪だからね。今の京都はクッション値も高いし、レース前に一雨降ってもらってもいいんだけどな」と関係者。実際、日曜は天気予報が少し悪化しているので、もしかしたら恵みの雨があるかもしれない。



山川レオ

重賞・GIはオレに任せろ
情報も分析もイケる二刀流

1週間で72(48)レースある中でも、特に重賞・GIレースに特化した情報収集・精査を得意とする情報網。常々「勝てるレースしか勝負しない」と公言しており、独自の情報ネットワークに加え、ラップ解析を中心とした徹底的なレース分析から的中馬券を量産している。

なお、「勝てるレースしか勝負しない」という姿勢は、競馬に加え他の公営ギャンブル、株、FXなどの投資から身に着けたという。

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