個性派記者の本音トーク 山川

有馬記念2024予想 ダノンデサイル&アーバンシックを徹底解剖!今年の3歳世代のレベルはいかに!?

個性派記者の本音トーク 山川
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関西情報社CHECKMATEで重賞情報を担当する『山川』だ。皆さん、元気に馬券やってるかな!



今年の有馬記念における重要な一つのポイントが“3歳馬の取り扱い”となりそうだ。

ダービー馬のダノンデサイル、菊花賞馬のアーバンシックに加えて、ファン投票上位馬として選出されたレガレイラも出走予定。少なくともクラシックを勝った2頭に関しては上位人気に推されるだろう。

これらの人気馬を馬券的に重視するのか、軽視するのか。人気を集めるだけあって、儲けを出すためには大事な点となる。


まず2000年以降の有馬記念の年齢別成績を見てみると……

■有馬記念・年齢別成績
※2000年以降
年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率
3歳 9- 7- 4- 55/ 75 12.0% 21.3% 26.7%
4歳 10- 9- 4- 68/ 91 11.0% 20.9% 25.3%
5歳 5- 5- 11- 91/112 4.5% 8.9% 18.8%
6歳 0- 1- 2- 47/ 50 0.0% 2.0% 6.0%
7歳 0- 2- 2- 23/ 27 0.0% 7.4% 14.8%
8歳 0- 0- 1- 7/ 8 0.0% 0.0% 12.5%

3歳馬は最多勝である4歳馬とそう変わらない成績を残している。有馬記念の行われる2500m戦では、3歳馬は古馬勢に比べて2キロの恩恵をもらえる立場。この点も大きく影響しているんじゃないかな。


しかし……昨年の有馬記念では、3歳馬が見事に全滅であった。

皐月賞馬のソールオリエンスは4番人気8着。ダービー馬のタスティエーラは5番人気6着。レース中の不利もあるにはあったが、単勝人気を考えても物足りない結果であったことは間違いないだろう。

その昨年の有馬記念において、我々CHECKMATEは『ソールオリエンス&タスティエーラが怪しい』という記事を公開し、◎ドウデュースからキッチリと万券的中を仕留めている。これに関しては『古馬相手の成績が例年と比較して明らかに見劣る』という点が理由となっていた。

要するに『成績が良いから3歳馬だけを買っていればいい、という訳ではない』ってこと。

では今年の3歳世代はどうか?まずはここから見ていこうじゃないか!

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なお、有馬記念は特別に【水曜・木曜・土曜】とレースまでに3度このページを更新するので、お見逃しのないように!

有馬記念(G1)枠順確定!
馬名性齢騎手斤量
1ダノンデサイル牡3横山典56
2ドウデュース牡5武豊58
3アーバンシック牡3ルメール56
4ブローザホーン牡5菅原明58
5ベラジオオペラ牡4横山和58
6ローシャムパーク牡5マーカンド58
7スターズオンアース牝5川田56
8レガレイラ牝3戸崎54
9ディープボンド牡758
10プログノーシス牡6三浦58
11ジャスティンパレス牡5坂井瑠58
12シュトルーヴェセ5鮫島駿58
13スタニングローズ牝5ムーア56
14ダノンベルーガ牡5松山58
15ハヤヤッコ牡8吉田豊58
16シャフリヤール牡6Cデムーロ58

ダノン&アーバン
3歳世代のレベルはいかに!?

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まず有馬記念で見ていきたいのがこのデータ。昨年の3歳世代は明らかに成績面が物足りなかったことを、改めて確認してみよう。

▼昨年有馬記念週に公開▼

21年(エフフォーリアタイトルホルダー世代)や22年(イクイノックスドウデュース世代)は高水準の結果が出ており、実際にこれらの年は3歳馬が有馬記念を制している。

その一方で、23年(ソールオリエンスタスティエーラ世代)は明らかに結果が出ていなかった上での全滅だ。


では、24年(ダノンデサイルアーバンシック世代)はどうか?

着別度数 勝率 連対率 複勝率
2024年 2- 2- 2-18/24 8.3% 16.7% 25.0%

阪神JF週が終了した時点でまだ2勝。勝率や連対率といった数字は、ここ数年の世代と比べて明らかに数字が低い。この数字だけを見ると「今年の3歳馬も怪しい?」という雰囲気は出ているよな。

ただ、今年に関しては既にジャパンカップで3歳牡馬のシンエンペラーが2着同着に好走。本当にレベルが低かったらジャパンカップで好走例が出るか?

もう少し深堀りしていくために、今年のクラシック戦線について詳しく見ていきたい。


というのも、3歳馬が有馬記念を勝った21年、22年と、3歳全滅の23年では日本ダービーのレースレベルがあまりに違うんだよ。

▼日本ダービーのラップタイム

まず、パッと見ただけでも23年だけ決着タイムが3秒近く遅いよな。

だけど、別に前半1000mのラップタイムが特別遅い訳じゃなくて、21年とは0.1秒差しかない。それにもかかわらず後半の1000mが21年よりも2.6秒遅くて、決着タイムに大きな差が生じているんだ。

どちらの方がレベルの高いレースだったか。説明するまでもないよな。


その点……実は今年の皐月賞&日本ダービーでは、それぞれ“史上最速()”の数字が飛び出しているんだよ。

当記事では1986年以降のデータを対象とする

有馬記念の馬券攻略において3歳馬を正確にジャッジするのは必要不可欠な要素。次回は今年の3歳馬が出走してきたクラシック戦線のラップタイムを精査していくぞ!


3歳クラシック戦線を確認

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改めて3歳クラシック戦線(皐月賞・ダービー・菊花賞)の3レースについて内容を精査してみようじゃないか。

▼コース史上最速の超ハイペース▼

今年の皐月賞は前半1000m=57秒5という超ハイペース。近年と比べても抜けて速いラップがマークされているが、これは皐月賞だけではなく中山芝2000mというコースにおける史上最速ラップ。

ただ、レース後半もそこまで大きく失速することはなく、決着タイム=1分57秒1はレコードタイム。前半ラップだけではなく全体時計もかなり速かった。

強烈なハイペースは基本的に先行勢には苦しい競馬となるが、あまりにも流れが速かったため上手く追走することができず対応しきれなかった馬も。アーバンシックシンエンペラーなどは道中の位置取りの差が響いての敗戦。


チェックポイント!

皐月賞組からはアーバンシック(4着)、レガレイラ(6着)、ダノンデサイル(除外)が出走予定。

アーバン、レガレイラの2頭は激流に戸惑っての敗戦だった組で、更に経験を積んだ上での中山芝2500m戦ならば追走面に関しては多少の改善は見込めるところか。


▼コース史上最速の後半ラップ▼

皐月賞とは正反対、ドスローからの上がり勝負となったのが今年のダービー。

何せ後半1000m=56秒8は、東京芝2400m戦における史上最速ラップ。ダービーのみならず、ジャパンカップなどのビッグレースでもこれほど速いラップがマークされたことはない。

ここまで後半のラップが高速化してしまうと、どうしても先行有利の決着となる。1着ダノンデサイル、2着ジャスティンミラノは共に道中から3番手付近を進めていた馬で、4角4番手以内の馬は全馬が8着以内(半分よりも上位)で入線。


逆に、4角9番手以下から掲示板圏内に差し込んできた馬が2頭居る。それが3着シンエンペラーと5着レガレイラ

前者はジャパンカップ2着同着、後者はエリザベス女王杯で非常に大きな不利がありながらの5着。不利な展開だったダービーで差し込めた馬は、一定の能力を備えていそうだ。


チェックポイント!

ダービー組からはダノンデサイル(1着)、レガレイラ(5着)、アーバンシック(11着)が出走予定。

ダノンデサイルは前残りの展開に大きく恵まれた立ち回りをしており、逆に差しに構えたレガレイラ、アーバンは展開的に好走が不可能な位置取り。スローでも後方待機だったことを考えると、小回りコースで上手く追走できるかがカギ。


▼タフな展開ではあったが……▼

勝ちタイム=3分4秒1は昨年より1秒遅く。前後半のラップにも特筆すべきことは特になし。

ただ、この表内では確認できない“中盤の1000m”のラップタイムが61秒7。前半1000m=62秒0よりも速いラップが記録されるタフなレースにはなっている。

とはいえ、中盤1000m=61秒7が菊花賞史上最速ということもなく、皐月賞やダービーほど数字面において強調材料の存在するレースではないと言える。


チェックポイント!

菊花賞組からはアーバンシック(1着)、ダノンデサイル(6着)が出走予定。

前者はスムーズな競馬ができた一方で、後者は道中で身動きが取れない位置取りに入ってしまい、窮屈な競馬を強いられる大きなロスがあった。ただ、タフな展開となっていた区間で脚を溜められていたという見方もできる。

各レースに見どころがあったという点はおわかりいただけたのではないだろうか。

世代全体の成績が低いから全馬が弱いということではなく、ジャパンカップで好走したシンエンペラーのように、クラシック戦線で価値のあるレースをしていた馬を見極める必要があるんだよ。

もちろん、有馬記念では他の世代の各馬も勝利を挙げるために注力して仕上げてくるというもの。3歳馬の中でどの馬が良いかをジャッジするのは当然として、他馬に関しても分析&情報収集をしっかりと進めていかないとな!


好枠をゲットしたのはこの馬だ!

先ほど抽選会が終了して、有馬記念の枠順が確定したな!今回がラストランとなる武豊騎乗のドウデュースは1枠2番、ルメールが騎乗するアーバンシックは4枠8番に入った。

さて、もう至るところで言われていることだとは思うが、有馬記念の枠順別成績を見てみよう。

■有馬記念・枠順別成績
※直近10年分
枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1枠 1- 1- 1-17/20 5.0% 10.0% 15.0%
2枠 1- 2- 1-16/20 5.0% 15.0% 20.0%
3枠 2- 2- 1-15/20 10.0% 20.0% 25.0%
4枠 2- 0- 2-16/20 10.0% 10.0% 20.0%
5枠 3- 2- 1-14/20 15.0% 25.0% 30.0%
6枠 1- 1- 1-17/20 5.0% 10.0% 15.0%
7枠 0- 1- 2-17/20 0.0% 5.0% 15.0%
8枠 0- 1- 1-18/20 0.0% 5.0% 10.0%

1枠から6枠まではここ10年間で勝ち馬が出ているんだが、7、8枠は0勝。というか、10年間で7、8枠から馬券に絡んだ馬がわずかに5頭しか居ないんだから、とにかく外枠は不利。

ただ、昨年8枠16番からの発走だったスターズオンアースは、レース序盤から好位を確保する競馬で2着に好走。これはルメールが相当上手くエスコートしたのが大きかったが、騎手の意識、そして技術一つで外枠の不利を覆すことは可能という証明でもある。

ただ単に『外枠=ダメ』と判断してしまってはもったいない。馬によっては外目の枠を引き当てた方がプラスに出るパターンもあるし、騎手が「外枠だったら強気に乗る」という風に、何かしらの対策を企ててくるかもしれない。

各騎手がどういった作戦を立てて乗ってくるか、しっかりと情報収集していかなければいけないぞ。


さて、話を今年の有馬記念に戻そう。今年好枠を引き当てたと言えるのは……この馬だ!

①ダノンデサイル
「あの人なら、きっと同じ轍は踏まない」

ダノンデサイルは1枠1番をゲット。実際にどういうポジションで乗ってくるかはノリさん(横山典騎手)のアイデア一つというところはあるが、ひとまず近2走に似た立ち回りはできそうだよな。

日本ダービーでは内ラチ沿いを上手く抜けてきて鮮やかに勝ち切ったが、菊花賞では内で窮屈な競馬を強いられて力を出し切れず。共に“内外”の位置取りとしては似たような競馬だったが、結果は明暗分かれてしまった。

そして今回は更に内枠である1枠1番。この枠順となると、三度(みたび)内目を通る競馬になるだろう。

この点について厩舎関係者に聞いてみたところ……

あの人(横山典騎手)なら、きっと同じ轍は踏まないでしょう。何より前走は3000mの菊花賞でしたからね。道中で無理に動けるような距離設定のレースじゃないし、何よりそれをしたら先々に響くかもしれない。我慢の競馬になってしまいました。

ただ、それだけ我慢を強いられた競馬でもラストはグイグイ伸びてきた。能力の高さに関しては前々から確信していたし、何より立ち回りの上手さを活かせる枠ももらえた。ひとまず、文句なしって状況じゃないですか?

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と、名手の継続騎乗だからこそ、そしてこの枠を引き当てたからこそ強気な口ぶりだった。あとは他馬の動き方次第の面もあるため、この馬だけではなく全馬のことをキッチリ見ていかないとな。

新聞には載らない関係者情報を公開

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最後に直前情報のチェックだ。CHECKMATEが日々入手している関西関係者とのパイプから、スポーツ紙や専門紙では公開されないような裏ネタや関係者の感触、さらには独自の分析を元に、有力馬を中心にお送りしていく。

①ダノンデサイル
(安田翔/横山典)

菊花賞は見ての通りに不完全燃焼の競馬。陣営とすれば「これが競馬だから。仕方ない。誰が悪いって話でもない」と言っていたが……内心、かなり悔しかったのは言わずもがな。最後の脚を見ていたら、まともなら勝ち負けに加われそうな雰囲気があったもんな。

この中間は有馬記念に向けてじっくりと調整してきたし、いつも通りノリさん(横山典騎手)安田翔師がしっかりとコンタクトを取ってきている。周囲の関係者からも「なんと言うか、今回に関しては何も言うことがないんだよね。能力がある馬なのは前々からわかっていたけど、ダービーだって完調ではない中での出走だったからさ。それを考えると、この中間は本当に順調」とのこと。まず、持つ力は出し切れるはず。

⑤ベラジオオペラ
(上村/横山和)

「マジで、この前とは全くもってデキが違います」と厩舎関係者。前走の天皇賞・秋では絶好調とは言い難い状態だったものの、気温も下がり、この馬の調整がしやすくなったことで状態面がグンと上昇。見るからに覇気があって、好調でレースに臨めること間違いなしという状況だ。

あとはどのような立ち回りをするか、だけど……「(横山)和生は、この馬の操縦性をとにかく褒めているんだよね。思うがままに乗れる馬っていう評価だからこそ、ある程度自分の中で作戦は決めている。もちろん、テレビとかで言ったら他馬の陣営にバレちゃうから言えないけど、強気に行く予定だよ」と関係者。

何より陣営は「ドウデュースが居てほしかった。あの馬に挑戦したかった」って言っていてね。これ、自信がなかったら出てこない声だよな。

⑩プログノーシス
(中内田/三浦)

上位騎手が軒並み有力馬に騎乗予定とあって、この馬は一体誰を乗せるのかってのがポイントに。陣営がチョイスしたのは三浦皇成だったが、ここ2週の追い切りに騎乗してしっかりと感触を確認。ちょっと乗り難しい馬なので、こうやって跨っての調整ができる鞍上を選んだって側面もあるだろうな。

で、その追い切りを見た厩舎関係者がやけにテンション高かったんだよな。「引っかかる馬だから、あの川田ですら道中で抑えるのを諦めて手綱を放しちゃうようなことがあったぐらい。なのに、追い切りはすごく良い雰囲気で回ってきているんだよね。これなら、折り合いに関しては何も心配いらないんじゃないかな」と、鞍上との相性が良いと見ているんだ。能力面に関しては文句なしのレベルのある馬。面白い一頭だと思う。

⑯シャフリヤール
(藤原英/Cデムーロ)

テキ(藤原英師)、やっちゃいましたな(笑)」と関係者。木曜の枠順抽選会では藤原英師が自ら枠を引いたのだが、なんと大外8枠16番。これには各関係者、苦笑いするしかないという感じだったな……。

とはいえ、じゃあこれで“終戦ムード”なのかというと、そうではない。「枠こそアレでしたけど、ここに至るまでの調整はとにかく順調なんです。6歳……というか、もうすぐ7歳になる馬なんだけど、とにかく若々しい。一発が期待できるだけのデキにはあるので、あとはクリスチャンのエスコートを楽しみにしています」と某関係者。確かに前を向いているってことは、見逃せないね。



山川レオ

重賞・GIはオレに任せろ
情報も分析もイケる二刀流

1週間で72(48)レースある中でも、特に重賞・GIレースに特化した情報収集・精査を得意とする情報網。常々「勝てるレースしか勝負しない」と公言しており、独自の情報ネットワークに加え、ラップ解析を中心とした徹底的なレース分析から的中馬券を量産している。

なお、「勝てるレースしか勝負しない」という姿勢は、競馬に加え他の公営ギャンブル、株、FXなどの投資から身に着けたという。

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