個性派記者の本音トーク 山川

京都記念2025予想 チェルヴィニア×ルメールにこわ~い話がありますよ……

個性派記者の本音トーク 山川
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関西情報社CHECKMATEで重賞情報を担当する『山川』だ。皆さん、元気に馬券やってるかな!



今週は伝統の中距離重賞である京都記念だ。

なんと今年で118回目を迎える歴史ある重賞なんだが、これはその昔、京都記念(春)、京都記念(秋)という感じで1年に2度行っていたからなんだ。1984年からは今と同じ、2月に一度だけ行うことになった流れ。


さて、今年の京都記念で人気を集めそうなのが、オークス&秋華賞の二冠を達成した4歳牝馬・チェルヴィニアだろう。

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美浦・木村哲也厩舎所属であるチェルヴィニアは、クリストフ・ルメール騎手とのタッグで既に重賞を3勝(アルテミスS、オークス、秋華賞)。昨年は初めての古馬との対戦となったジャパンカップでこそ4着に敗れてしまったものの、ジャスティンパレスなどの実力馬には先着している。

今回もルメールとのコンビでの参戦とあって人気を集めるのは間違いない状況だが……実はこの京都記念というレースで全幅の信頼を寄せるのはちょっと怖い面もあると思うんだよな。

まずは俺がなぜそのように考えているか、そこからチェックしていこう!


馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 調教師
1 ヨーホーレイク 牡7 57.0 岩田望 友道
2 バビット 牡8 57.0 高杉 浜田
3 リビアングラス 牡5 57.0 松山 矢作
4 ソールオリエンス 牡5 58.0 川田 手塚
5 フォワードアゲン セ8 57.0 古川吉 加藤和
6 チェルヴィニア 牝4 55.0 ルメール 木村
7 メイショウユズルハ 牡6 57.0 西村淳 岡田
8 エヒト 牡8 57.0 岩田康 森秀行
9 プラダリア 牡6 58.0 池添 池添学
10 マコトヴェリーキー 牡5 57.0 北村友 上村
11 セイウンハーデス 牡6 57.0 橋口慎
12 ブレイヴロッカー 牡5 57.0 田口 本田

チェルヴィニア×ルメールに
こわ~い話がありますよ……

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そもそも京都記念って実績馬の出走が多い割には、意外と一筋縄ではいかないレースなんだよ。

■京都記念・上位人気馬の成績
※過去10年
人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1番人気 3- 2- 2- 3/ 10 30.0% 50.0% 70.0%
2番人気 0- 1- 2- 7/ 10 0.0% 10.0% 30.0%
3番人気 3- 3- 1- 3/ 10 30.0% 60.0% 70.0%
4番人気 1- 1- 2- 6/ 10 10.0% 20.0% 40.0%
5番人気 0- 1- 0- 9/ 10 0.0% 10.0% 10.0%

1番人気や3番人気の馬の好走率は割と高いが、一方で2番人気なんかは低調。そこに割って入るのが人気薄の馬で、実はこの表の外である6番人気の複勝率が50%もあったりしてね。

それこそ2022年なんかは単勝12番人気のアフリカンゴールドが勝って、3連単67万9100円の大波乱が起きていたりする。今年は頭数も落ち着くし、ルメールが単勝1番人気ともなると「カタい決着になりそう」と思われる方も多いかもしれないが、割と人気薄の激走が少なくないレースである。

その理由の一つが“芝2200m”という距離設定だろう。非根幹距離と呼ばれるこの距離でのレースは、流れなんかもちょっと特殊になりがち。

特に京都芝2200m戦というのは、3コーナーに丘のような急坂が設置されている珍しいコースレイアウト。ただでさえあまり施行数の少ない2200mという距離設定であり、なおかつ起伏にも特徴がある舞台。“経験”が大事なコースなんだよ。


実は過去10年、京都記念で好走した牝馬にはある特徴がある。

それは『ほとんどの馬が既にエリザベス女王杯で同舞台を経験している』ということなんだ。

■京都記念で好走した牝馬
※過去10年

16年②着タッチングスピーチ
→前走がエリザベス女王杯

17年②着スマートレイアー
→一昨年にエリザベス女王杯出走

20年①着クロノジェネシス
→前走がエリザベス女王杯

20年②着カレンブーケドール
→前走ジャパンカップ(芝2200m戦未出走)

21年①着ラヴズオンリーユー
→2走前がエリザベス女王杯()

本馬のみエリザベス女王杯も京都記念も共に阪神芝2200m戦

このように、2020年に2着だったカレンブーケドール以外は全ての馬が同舞台でのレースを経験している。しかもエリザベス女王杯というG1レースなのだから、その経験の価値も高いのだろう。

この理論で言うと、チェルヴィニアは秋華賞の後にエリザベス女王杯ではなくジャパンカップへ出走しているため、当舞台の経験がないんだよ。

裏を返すと、過去10年に京都記念に出走してきた牝馬の中で同舞台のレースへの出走経験がなかった馬は、[0-1-0-6]で複勝率14.3%。前述のカレンブーケドールだけが唯一好走している。

そして何より怖い話なのが、好走できなかった馬の中には15年ハープスターや22年ユーバーレーベンのような1番人気の馬も入っているんだよ……。


さて、今年のチェルヴィニアはカレンブーケドールのように好走できるか?ハープスターのように負けてしまうのか?

カレンブーケドールはジャパンカップでも2着に好走しているのに対して、チェルヴィニアは4着に敗れている点を考えると、もしや……という気持ちになるよな。

あとは枠順や関係者情報なんかもしっかり見極めた上で、最終的な判断をしてきたいところだな。


京都記念の枠順別成績は参考外!

京都記念の枠順が確定したぞ!ルメールが騎乗するチェルヴェニアは5枠6番、川田が騎乗するソールオリエンスは4枠4番に入った。

さて、まずは京都記念における枠順の傾向をチェックしていこう。

■京都記念・枠順別成績
※過去10年間・京都開催の7回分
枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1枠 0- 1- 1- 5/ 7 0.0% 14.3% 28.6%
2枠 0- 0- 1- 7/ 8 0.0% 0.0% 12.5%
3枠 1- 0- 1- 5/ 7 14.3% 14.3% 28.6%
4枠 2- 2- 1- 3/ 8 25.0% 50.0% 62.5%
5枠 0- 1- 1- 8/10 0.0% 10.0% 20.0%
6枠 3- 0- 1- 7/11 27.3% 27.3% 36.4%
7枠 1- 2- 0-11/14 7.1% 21.4% 21.4%
8枠 0- 1- 1-12/14 0.0% 7.1% 14.3%

4枠を中心に中枠が好成績となっており、6枠に関しては3勝している。

ただ……京都競馬場で行われた京都記念では、7回中4回が稍重より悪い馬場状態でレースが行われたため、過去の傾向を参考にするのは少し難しそうだな

なので、改修後の京都芝2200mの成績を確認してみると、

■改修後の京都芝2200m・枠順別成績
枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1枠 5- 3- 5- 29/ 42 11.9% 19.0% 31.0%
2枠 3- 4- 7- 33/ 47 6.4% 14.9% 29.8%
3枠 4- 6- 4- 33/ 47 8.5% 21.3% 29.8%
4枠 1- 2- 6- 41/ 50 2.0% 6.0% 18.0%
5枠 5- 6- 2- 44/57 8.8% 19.3% 22.8%
6枠 5- 4- 5- 46/60 8.3% 15.0% 23.3%
7枠 4- 4- 2-56/66 6.1% 12.1% 15.2%
8枠 9- 7- 5-49/70 12.9% 22.9% 30.0%

傾向が変わり1枠と8枠が好成績となっているんだ。ただ、全体的に見ると「外枠>内枠」の傾向になっているよな

京都芝2200mは3コーナーからが下り坂となっており、一気にペースが上がりがち。内々でロスなく運ぶよりも外の方がスピードを落とさずに直線に進入できるため、外枠が有利になっている可能性がある。しかも改装後は外回りの4コーナー地点が改修されて、外目を通る馬のロスが小さくなっている。その点も影響していそうだ。

さて、では今年の京都記念で好枠をゲットしたのは……?

⑨プラダリア
「去年よりも競馬しやすいのは間違いないよね」

プラダリアは外目の7枠9番をゲット。前走・香港ヴァーズ(12/8香港4R)では逃げて運ぶと直線で瞬発力勝負になってしまったため、伸びずに11着。いつもと違う競馬になってしまい、持続力勝負が持ち味のこの馬にとってマッチしないレースになってしまった。

京都コースが得意な馬ではあるが、2走前の京都大賞典(10/6京都11R)は直線で伸びずに7着。ただ当時は池添がレース後に「調教の動きがレースに直結する馬。その調教で納得する動きではなかった。良化途上の中でのレースだった」とコメント。要するに完調ではなかったって話なんだ。

今回は陣営が「いい状態」と太鼓判。更にスタート後、全体を見ながら好位に付けやすい外枠に入ったことは、この馬にとっては競馬がしやすい絶好枠だと思うんだよ

実際に関係者に話を聞てみても……

これは良い枠を引いたんじゃないかな。あんまり内枠だと窮屈なところに入っちゃって、長く脚を使う形に持ち込めないかもしれないでしょ。

去年の京都記念みたいに前の馬を見ながら自分のリズムで進めていきたいと思っているんだけど、あの時は3番枠と内枠を引いていたんだよね。今年は9番だし、最初から外目を通れるはず。去年よりも競馬しやすいのは間違いないよね。

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と、勝利を挙げている昨年と比較しても、良い枠を引き当てたという感覚があるようなんだ。思い通りの競馬に持ち込める可能性が高いとなれば、当然上位争いにも期待できるところだろう。

新聞には載らない関係者情報を公開

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最後に直前情報のチェックだ。CHECKMATEが日々入手している関西関係者とのパイプから、スポーツ紙や専門紙では公開されないような裏ネタや関係者の感触、さらには独自の分析を元に、有力馬を中心にお送りしていく。

①ヨーホーレイク
(友道/岩田望)

前走・毎日王冠の後は脚元に不安が生じたということで、間隔を空けての調整。「使いたいレースに使えなかった」という話も入っており、少々予定が狂ったところはあるようだな。

今回は休み明け。友道厩舎は仕上がり切っている時に、最終追い切りを芝コースやポリトラックコースでサラっと流すパターンが多いんだが、この馬の場合は岩田望来を乗せた上でCWコースへ入っていた。この辺りを見るに、さすがにまだ完調という感じはしないかな。「あとは雨だね。良馬場が良いタイプだから、降らないでほしいな」と関係者が話すように、天も味方につけたいところ。


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山川レオ

重賞・GIはオレに任せろ
情報も分析もイケる二刀流

1週間で72(48)レースある中でも、特に重賞・GIレースに特化した情報収集・精査を得意とする情報網。常々「勝てるレースしか勝負しない」と公言しており、独自の情報ネットワークに加え、ラップ解析を中心とした徹底的なレース分析から的中馬券を量産している。

なお、「勝てるレースしか勝負しない」という姿勢は、競馬に加え他の公営ギャンブル、株、FXなどの投資から身に着けたという。

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