
関西情報社CHECKMATEの山川です。
普段は重賞・G1を担当していますが、今日は少々違った観点から競馬を見ていこうじゃないか。
変則的な3日間開催が終わったあとの火曜日。世間は建国記念の日で休日モードだったと思うが、JRAからは引退関係者、そして新たにデビューする新人に関する発表があった。
今回フォーカスを当てるのは“引退関係者”についてだ。
[調教師]
美浦・石毛善彦
栗東・音無秀孝
栗東・河内洋
栗東・木原一良
栗東・鮫島一歩
栗東・藤沢則雄
美浦・宗像義忠
栗東・村山明
[騎手]
美浦・大塚海渡
栗東・白浜雄造
美浦・鈴木慶太
さて、当欄にて注目したいのは引退調教師である。
既に音無秀孝調教師に関する記事は何本も公開しているため、今回はそれ以外に特に注目したい2名の引退調教師に焦点を当てる。
▼音無調教師に関する記事
【1】河内洋調教師
『河内の夢か?豊の意地か?』
これは2000年の日本ダービーで飛び出した名実況。アグネスフライトに騎乗していたのが、当時騎手として活躍していた河内洋・現調教師。そして同馬と併せ馬で一騎討ちとなったのが、武豊騎手騎乗のエアシャカールであった。
武豊騎手は既に1998年、99年にダービーを連覇。一方で“兄弟子”であった河内さんは、当時まだダービーを勝っていなかったんだ。だから飛び出したフレーズが『河内の夢』であり、その夢が叶う戴冠となったわけだ。
先週の東京新聞杯は河内厩舎のウォーターリヒトが差し切り。そして、その2着に入ったのが武豊騎手のボンドガールだった。形は違えど、令和の時代にもまた河内vs武豊の構図が見られたとあって、競馬ファンの中でもかなり話題になっていたようだな。
そんな河内師も今で定年。3/4をもって引退・厩舎解散を迎えるので、残された現役期間は3週間弱である。

河内洋師(左)
前述のウォーターリヒトが京都金杯で2着に好走した後は「定年前だしG1・フェブラリーSに挑戦しようか」という話も出ていたのだが、最終的に陣営が選択したのは走り慣れた芝の東京新聞杯。
言うなれば『河内の夢』であるG1挑戦をやめて適鞍に矛先を向け、しっかりと結果を残したのだから、厩舎サイドとしても“大団円”の勝利だったこと間違いなしだろう。
もちろん、まだ調教師としての現役期間は残されている。厩舎スタッフも「師匠の引退までに一つでも多く勝ちたい!」という気持ちが強いのは間違いないだろうから、重賞以外でも要注目の厩舎だ。
【2】村山明調教師
実は今回の記事における『本題』はコチラなんだよ。まだ53歳、定年まで15年以上の期間が残されている村山明調教師が3/4をもって勇退することも発表された。
定年を迎える調教師に関しては、ルールを知っている人であれば誰でも引退がわかっていた人物。一般マスコミでも「もうすぐ定年!」という記事も出ていただけに、競馬ファンの方々も把握している方が多かったはず。
しかし村山師の場合はそうではない。通常であれば来年も、それ以降も調教師として厩舎運営を続けるはずだった人物。突然の勇退発表を知り、驚きの声も色々なところで挙がっていたそうだ。
もちろん、CHECKMATE情報班は村山師が勇退することを早くから聞き入れていた。その“答え合わせ”となるレースが、先日万馬券的中を仕留めたこの【厳選勝負レース】である。


この時に本命◎に指名したのが村山厩舎のアッチャゴーラ。そして、是非皆様にも当時公開していた推奨文をご覧いただきたい。
昨年10月以降は東京競馬場でのレースにこだわったローテを組んでいる⑬アッチャゴーラ。前走11/24東京10R(1万6580円的中)で3着に好走した後は、他場のレースには目もくれず1回東京開催を目標に調整してきた。
そして、今回の東京開催に関しては陣営にひと際力が入っているとの話。「ウチの厩舎にとっては、ここで結果を出さないとしょうがないってタイミングなんだよね。まだ詳しい理由は伏せておいてほしいんだけど、その内発表もあるだろうから」と某関係者。
ただでさえ得意舞台を狙い澄ましての臨戦過程でありながら、今回に関してはそれ以外にも“力の入る理由”があるというのだから、惜敗続きにピリオドを打てるだけの上積みが見込める。
アッチャゴーラはこのレースに至るまで、東京のダート戦で③⑤③③②③着。実に複勝率約83%を誇る得意舞台とあって、あえて【勝負の関東遠征】を打っての参戦であった。
それに加えて……今ならわかるだろう。
現在行われている1回東京開催は、アッチャゴーラを管理する村山厩舎にとって最後の東京開催だったんだ。
この1回東京は2/23まで。次の2回東京が始まるのは4/26だから、この頃にはもう村山厩舎は解散してしまっている。
厩舎サイドからしたらアッチャゴーラが3月以降にどの厩舎へ移るかはまだわからないし、当然そうなれば次走以降もスタッフたちが同じ体制で調整できる保証はない。
馬単体で見ればまだ東京で走る機会はたくさんあるかもしれないが、“村山厩舎として”東京で出走する機会はほぼ残されていないのだから、力が入るのは当然のレースだったんだよ。

アッチャゴーラ(奥)
しかし……この村山師の勇退については、かなり前の段階から内々で話が出回っていたんだよ。
実は先週、村山厩舎周辺の関係者と直接話をする機会があったんだが、その時点で公には勇退が未発表であることを伝えると「え!?まだ発表されてないんですか!?」と思わず大きな声で驚いていたほど。
まあ、こういった類の話は決して珍しいことではない。現場の関係者ならば知っているような情報が、新聞などの一般マスコミでは全く報じられていない、という状況は多々ある。
そういった世間の知らない“裏情報”を掴むのが我々CHECKMATE情報班の仕事であり、そしてそういった情報は間違いなく馬券に繋がりやすい。
これから先は引退関係者だけでなく、デビュー間近の新人関係者に関する話なんかもたんまりと入ってくる季節。
すぐそこまで迫った春競馬にも楽しみはたくさん控えているので、俺自身もワクワクしているよ!

最後に蛇足だけど、アッチャゴーラは先日の東京でキッチリ結果を出したことによって、村山厩舎所属としてもう一度東京でのレースに出走可能となった(※2/15東京10Rに出走予定)。
さすがに勝負度合いは前走の方が格段に高かったが、今回もどんな走りを見せてくれるか注目だな。

山川レオ
重賞・GIはオレに任せろ
情報も分析もイケる二刀流
1週間で72(48)レースある中でも、特に重賞・GIレースに特化した情報収集・精査を得意とする情報網。常々「勝てるレースしか勝負しない」と公言しており、独自の情報ネットワークに加え、ラップ解析を中心とした徹底的なレース分析から的中馬券を量産している。
なお、「勝てるレースしか勝負しない」という姿勢は、競馬に加え他の公営ギャンブル、株、FXなどの投資から身に着けたという。